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【今日も元気ですか!】    シニア期をワンダフルエイジに!①

65歳からを生き抜く力


定年退職をして後期高齢者(75歳以上)に近づくころは加齢に伴って肉体的な衰退が進み、死に近づくイメージからかシニア期を「冬の時代」と捉える方が多い。東京大学の秋山先生の研究では75歳前後から80%以上の方が自立度が下がり介護を必要とすることを示されている。(図1)私も多くの高齢者の方と出会ったが、よく出てくるフレーズが「家族に世話になるなら死んだほうがまし」であった。いずれは介護が必要になって迷惑をかけるという構図があるのだ。そこで出てくる言葉が「年は取っても、心は高齢化させない」というポジティブシンキングだ。このフレーズは肉体の衰えと心は全く別物と捉えるポジティブな想いと同時に後期高齢者の現状をよく物語っている。
逆に、高齢になっても元気でいるために必要なことも分かってきた。それは『生きがい』を持つことである。『生きがい』を持っている人とそうでない人では、生存率も認知症になるリスクも変わってくることが見えてきているのだ。最近では、ウェルビーイングやQOLの大切さも指摘されている。しかし、加齢に伴う衰えを補うものが『生きがい』であると分かっていても、75歳過ぎても『生きがい』もって働いているという人は稀である。現在の75歳以上は団塊の世代で、日本の高度成長期を築くために働くことを余儀なくされた方だ。定年後は余生を楽しむ。もう働くのはご免だ。悠々自適に過ごしたい。隠居して好きなことをするに限ると思う方が多くいる。余生を楽しむ価値観を生んだ昭和の時代は平均寿命が76歳程度の時代だった。しかし、現在は平均時寿命が10年も伸びた。さらに100年時代とも言われている。昭和の時代とは状況が変わっているのだ。時代が変わったとしても、生き方を変えることは難しい。過去思考で生きる世代が2025年問題と言われている人口の5人に一人が75歳以上という超高齢化社会になる。

図1 多くの方が赤い線を歩む


シニア期を生きる新たな価値観の必要性

先にも述べたように75歳を過ぎると80%以上の方が介護の人生を歩むようになる。社会保障費の増大に繋がっている大きな問題だ。人生100年時代となって、75歳からの25年をどう生きるのだろうか。人生の終わりのころになって寝たきりが10年以上続く現状を誰も良しとする人はいないだろう。90歳過ぎても元気でいられる鍵は『生きがい』を持つことだ。しかし、タバコが体に悪いと分かっているのに吸ってしまうこと同じように『生きがい』を持つことが健康寿命の延伸に繋がると分かっていても、『生きがい』を求めて、今の生き方を変えることは難しい。

シニア期の新たな時代ー『彩秋時代』の幕開け


私は今の75歳以上の団塊の世代の方たちをシニアの第1世代と呼んでいる。そして、現在、前期高齢者に入ってゆく65歳付近から75歳以前までを第2世代と呼んでいる。この世代はビートルズ世代である。戦後生まれで、髪の毛を伸ばした世代だ。この第2世代がこれからどのようにシニア期(ここでは65歳からを意味する)を過ごして行くかで、将来のシニア像が決まってくると考えている。第1世代は、もともとは70歳から80歳程度で死を向かえる人生感だった。それが、いきなり人生が100年時代に変わってしまった方々である。それまでは「ぼけたね」で終わっていたものが「認知症」という症状を患い、転倒のリスクも大きく変わってしまう・・・。昭和の時代は高齢者は病院にも長く入院をすることができた。今は長くて3か月で出されてしまう。介護保険制度が用意され、介護の世界に投げ込まれてしまい、前例のない歩みを強いられている世代である。しかし、第2世代は違う。自分の意志があれば、第1世代と違った生き方でできる世代だ。私はこの第2世代に含まれる。
私はシニア期を『彩秋時代』と呼んでいる。シニア期は冬ではなく「秋」の時代。秋は収穫の時、実を結ぶ時、人生の実を結ぶのがこの時期なのである。シニアがそれまで生きてきた人生を土台にして、一人ひとりの個性が開花して、まるで秋の紅葉のように彩られた世界が『彩秋時代』である。青春を謳歌しようと言葉があるなら、『彩秋時代』を謳歌しようもあってもいいと思う。人生の中でシニア期が一番価値のある世界感を現成させたい。75歳から尻つぼみの人生感ではなく、75歳までに『生きがい』見つけて個性を開花させて、最後までいのちを輝かせることができる人生感をもつ高齢者を生み出したい。


シニア期を人生の中で一番価値がある時代に


新しい人生感を65歳からのシニアだけに留まらず、若い世代にも後期高齢者の方々にも伝えたい。そのために必要な要素をこれから掲載して行きたいと思う。

関心のある方はぜひ「スキ」を押してください。共に新しいシニアの時代を創って行ければ幸いです。


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