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逃病小説 #23

2021/04/23(金)

夕方

私は、肩痛が収まらないまま歩行訓練に行くために病室を出ようとした。

その時、わたしはふらつき、その場に倒れこんでしまった(らしい)

そして、その状況を看護師さんに発見されストレッチャーに乗せられ、気づいたときには私は集中治療室にいた。


「jayuさん!jayuさん!」

何度も呼びかけられ、腿をパンパンたたかれる。しかし、体がそれに反応できない。瞼を開かれて、ライトを照らされる。よくテレビで見る瞳孔が開いているかどうかのやつだ。

質問に答えようにも声が出せず「あー、うー」としか反応できない。

そしてしばらくすると、意識がなくなった。どうやら、毎日服用している心療内科の薬を手術のために服用できなかったことが原因らしく薬を服用後、意識が回復した時には声も出せる通常の状態に戻っていた。周りにいた看護師さんたちが安堵していたのを覚えている。

そして、近くにいた看護師さんに

「トイレに行きたいんですけど…」

とつげると、

「今日はまだ危険なので、立ち上がらないでください。「尿瓶」を用意します」

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尿瓶!人生初尿瓶だ。いわれるままに尿瓶をセッティングされたのだが、いざベットの上で用を足すように言われてもさっきまでの尿意がスーっと引いてしまう。

しかし、人間慣れるもので、集中治療室で過ごした一晩のうちにベットの中で用を足すことも慣れてしまった。

睡眠導入剤を2日ぶりに服用したおかげか、その晩は久しぶりに眠ることができ、また、肩にもシップを張ってもらったおかげで永遠に続くのではと感じていた肩痛も夜が明けるころには次第に引いていった。


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