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インターに通わせ続ける理由は? そうだ、子どもには”何があっても生き抜く力”をつけて欲しいんだ


2014年、当時5歳だった息子を連れてシンガポールへ単身移住。

当時、狙っていたシンガポールのローカルスクールには残念ながら抽選で落ち、グローバルインディアンインターナショナルスクールシンガポール(GIISシンガポール)を選びました。

3年ほど住んで日本へ帰国。仕事の都合でシンガポールと日本の両方に家を持ちながら何度も行き来するような宙ぶらりんな生活をしばらく続けたあと、結局2018年から日本に腰を据えて生活をするようになりました。

息子の学校はというと、日本に帰国した後もGIISの東京校にそのままスライドで通い続けました。

その時の気持ちとしては
「せっかく英語も話せるようになったし、忘れて欲しくないな」

くらいの気持ちでいたようにも思います。

しかし、GIIS東京校での学校生活に対する気持ちも学年が上がるごとに色々変わっていき、次のステップとしての転校を考えるようになりました。そして、様々な選択肢を検討したのちに現在の男子校インターに転校。

時を同じくして、日本のインターってどう?というお題で講演の依頼をいただきました。

最初は「ノウハウをお伝えする講演」…みたいな気持ちで臨みました。
しかし、熱心にお子さんの教育をお考えの方が相当数参加してくださった講演ということもあり、Q&Aが非常に深い内容となりました。

その中でこんな質問が。


「なぜ”インター”なんですか?」

こう質問をいただいた時、なぜかとてもギクリとしました。すごく根っこの部分を聞かれていると感じたからでしょうか。
…というか、考えていなかったのかもしれません。

聞かれた瞬間はとっさに、
「シンガポールでもGIISに通わせていて、たまたま東京校もあったし…」
「息子は、好きなことにはとことん熱中するタイプですし、インターが性に合っているかと…」
「海外に行っていろんな価値観に触れて欲しくて…」

などと、”それっぽい”理由を並べて答えました。
ですが、自分で言っていてすごく軽薄で、吹いたら飛んでいってしまいそう、と思いながら赤面して答えたのをよく覚えています。

どの答えも、嘘ではないけれど、本質的ではなくてペラペラに薄いですよね。


その時、私の中でこんな答えじゃ嫌だな、という気持ちがモクモクと心に広がっていきました。

いったん答えたものの、
「ん〜と、ちょっと待ってください」
と、次の質問に進む前に考え始めました。

お金を頂いての講演という貴重な時間にもかかわらず、1分ほど沈黙した後で「うん」と自分なりに納得して答えたのは

「息子に”この世界のあらゆる事象に、選択肢は無限にあるんだよ””強く生きよ”ということを伝えたかったんです」
でした。


「なぜ?」を繰り返せば本質が見えてくる、なんて言われることもありますが、黙っていた1分間でその「なぜ?」が私の頭の中をめぐりました。

なぜインターなの?

「GIISシンガポールに通い、そのままスライドで東京校に入学できた」
他の選択肢もあったのになぜインター?

「好きなことにはとことんのめり込む息子。自分の好きを突き詰めて欲しかった」
なぜ日本の学校じゃだめなの?

「日本の学校でも良いけれど、世界のTOP大学に行く、そこで活躍することを考えると英語を学ぶことに時間を使って欲しくなかった」
なぜ、世界の大学?日本の大学ではだめなの?

「自分自身がひとり海外留学して得た力が今の私の原動力や自信に繋がっているから」
なぜ海外留学だと得られたの?

世界に出ると、日本ではなかなか出会わないような人や考えに触れる機会がある。今までの勝手知ったる日本では気づかなかった世界の広さを知ることができたから。


ここまで来ればもう自ずと答えは見えてきました。


「世界のどこへ行っても生き抜ける、どんな状況になっても生き抜く力を。」

私は、究極的には子どもにこれを身につけて欲しくてインターに通わせているのだ、と気づきました。


インターは本当に多くの国籍やバックグラウンド、価値観を持つ子や先生が集まります。また、英語と日本語両方を使って情報収集ができることで実に様々な情報源に当たることが可能になります。

もちろん日本でもこうしたことを得られると思うのですが、私自身は留学するまで世界は広い、ということや選択肢はいくらでもある、夢へのドアは1つじゃない、ということに気づけませんでした。


きっと、子どもたちもこれからの人生、うまくいかないこともたくさんあると思います。

大好きだった学校にいきたくないと思う日もあるかもしれない。
憧れていた大学に行けないかもしれない。
人生をかけてやり遂げたいと思っていた夢が閉ざされることもあるかもしれない。
やっと得た夢の職場や仕事なのに報われないかもしれない。
愛する人から振られるかもしれない。

だけど子どもたちにはそこで「失敗した、人生詰んだ」なんて思わないで欲しいのです。


「嫌だ、だめだ、と思ったら人生終わりではなく、次の道を探せば良い」

シンプルなようでいて、当事者になると難しい考えです。
今、こうして40年近く生きてきて、いろんな人に出会い、いろんな経験をしたからこそ、何か大変なことや辛いことがあっても「大丈夫。何とかなる」
そう自信を持って言えます。ちょっとやそっとでは落ち込みません。

だけど、そんな経験の無い若い頃はほんの少しつまづいただけでもうだめかも、と思ってしがいがちです。

自分自身もかつてティーンエイジャーでした。
振り返れば割と失敗の多い人生、その頃は失敗したっていくらでも挽回できるなんて嘘だと思っていましたし、夢へのドアなんて1つしかないと思っていました。

だけどそこで自暴自棄にならずにいると、自分が歩いたあとに道ができていたり、1つだと思っていた夢へのドアが実はいくつもあったり、思いもよらぬ出会いから高い評価をもらったり…。

まさに、世界は広い、というのを何度も何度も自分で体験してきました。


井の中の蛙大海を知らず されど空の青さを知る


素敵な言葉だなぁ、と思いますが、やはり親としては大海を見せてあげたい。別に大海を見せるには海外だけでなく、色々な道があると思っています。ただ、私自身の大海=海外だったのでやはり自分の成功体験から、海外という道を選んだのです。

どんな厳しい状況になったとしても、必ず道は開ける。選択肢は無限にある。自分はやれる。そう自分を信じる気持ちを持つ強い子どもに育って欲しいな、と日々思うのでした。

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