見出し画像

『ポンペイ展』覗きたい奴ちょっと来い

そこにいた。秀逸なコピーで惹きつける『特別展ポンペイ』

ナイスコピー。

このポスターを見た瞬間、「これは観に行くでしょう・・・」とずっと思っていましたが、気付けば終了間近’(東京会場は4月3日まで)になっていた東京国立博物館開催の『特別展ポンペイ』。

桜満開の上野恩賜公園は、家族連れ、ご夫婦、カップル、学生グループでこの時期混雑していますが、「美術館と博物館はぼっちで行くべし」という宗教上の理由のため、ぼっちで繰り出してきました。

この日は東京美術館の『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』にまず行き、隣の東京国立博物館に移動して『特別展ポンペイ』に。

ポンペイってなによ

という方のために、サラリとポンペイについて書いておく。

ポンペイ(Pompeii)とは、イタリアのナポリ近くにあった古代都市です。79年10月24日(8月24日説もある)ヴェスヴィオ火山の大規模な噴火で火砕流が発生、山のふもとにあったポンペイは、高さ約5mの火砕流によって一夜にして埋もれてしまいました。

ポンペイは当時の姿のまま長い間埋もれ、火砕流に含まれる成分の働きで、発掘された時は2000年の時を経ているとは思えない程の良好な保存状態でした。瞬時に壊滅したポンペイの悲劇は、現代の私たちに当時の姿をありありと見せる貴重な文化遺産として、ユネスコ世界遺産に登録されています。

火砕流のスピードは約100kmと高速のため人間は逃げられず、一瞬で街ごと埋もれて犠牲になりました。火山灰に埋もれた人々の肉体は長い時を経て無くなり、周囲の火山灰だけが残された姿で、最期の様子をリアルに伝えてきます。これがポンペイで最も有名な遺物かも。

火山灰内部の空頭に石膏を流しこんで復元された遺体 出典:wilipedia

YOUTUBEにもポンペイのドキュメンタリーがたくさんあるので、興味のある人は見てみてね。ナショナルジオグラフィックの「ポンペイの秘宝パート1」「パート2」はおもしろかった!また、ポンペイは映画にもなっていて、噴火と火砕流のヤバさが圧巻(一応ネタバレ注意)。

ちなみにヴェスヴィオ火山は、聞いたことがある人が多いであろう歌 ”おにのパンツはいいパンツ♪ つよいぞ♪ つよいぞ♪” の原曲である『フニクリ・フニクラ』に登場する有名な火山です。

・行こう 行こう 火の山へ
 行こう 行こう 火の山へ

1961年NHK「みんなのうた」『フニクリ・フニクラ』日本語歌詞

・赤い火を噴くあの山へ 登ろう(登ろう)
・そこは地獄の釜の中 のぞこう (のぞこう)
・あれは火の山ヴェスヴィアス 火の山 (火の山)

1961年NHK「みんなのうた」『フニクリ・フニクラ』日本語歌詞

ヴェスヴィオ火山は未だに、世界で最も危険な火山のひとつ。

ちなみに私は個人的に、かの名コンテンツ『ファニエスト外語学院』で歌った『フニクリ・フニクラ』のシーンが永遠に頭にこびりついています。

行こう 行こう への山へ
登戸
おかま かまのこ かまのぞき かまずこ

ポンペイとヴェスヴィオ火山の概要、そしてファニエスト外語学院の面白さが少しでも伝われば幸いです。

数々の遺物が伝える、彼らが確かに『そこにいた。』という証

ポンペイ展は写真撮影がOKだったので、パシャパシャ撮りまくってきました。ダイジェストでご紹介していきます。

バックス(ディオニソス)とヴェスヴィオ山

ヴェスヴィオ山が今より高いのがわかりますかね

噴火前のヴェスヴィオ山が描かれた唯一の作品で、山の頂付近までブドウ畑が広がっているのがわかります。左にいるブドウのコスプレをしているのは、ワインの神バックス。ポンペイはワインの生産が盛んで、住人達はワインが大好きだったそうです。

と、説明に書かれているんですが、私が気になるのはこれ。

虫・・・?
こんな生物いたら余裕で気絶する。一体なんだこれ。

ブドウ摘みを表した小アンフォラ(通称:青の壺)

部屋のインテリアに欲しい

やたらシャレオツな壺。写真だと黒く見えてしまうかもしれないけれど、地のガラスが深いネイビーブルーで、繊細な細工の白い部分とのコントラストがすごく綺麗。

よく見ると、オギャー! みたいな顔がある

辻音楽師

巨大なタンバリン??

ポスターや公式HPのメイン画像にもなっているモザイク画。それぞれが楽器を手に、音楽を奏でている様子の「躍動感」と、人同士の距離感とか空き空間の「シーンとした感じ」がなんだかシュール。

賃貸広告文

(たぶん)キャッチ、リードと文字の大きさを変えていて素晴らしい。

ユリア・フェリクスという女性実業家が、屋敷の壁に描いた賃貸広告文。自分の邸宅内の部屋を賃貸しますよ、という内容が描かれている模様。女性の地位は低かったものの、中にはビジネスで才覚を発揮し、大成功している女性もいたとのこと。かっこいい。

テーブル天板(通称:メメント・モリ)

レトロポップでイケてる

メメント・モリはラテン語で「死を忘れるな(自分がいつか必ず死ぬことを忘れるな)」という意味で、多くの美術作品のモチーフになっています。中心の髑髏が死の象徴、左は富と権力、右は貧困の象徴で、「どの社会階層であっても死は平等に訪れる」という意味とのこと。

耳に骨があるのがかわいい。

ネコとカモ

アー! カモォー!!!

やたらリアルなネコとカモ。ネコの邪悪な顔がかわいいかわいい。

葉網と悲劇の仮面

いや、顔よ

ポンペイの富豪、ファウヌス家の入口に飾られていたモザイク画像。これ、ちっさい石を組み合わせて書かれてるんだけど、お金かけてこんな図案をモザイク画にしちゃうのって素晴らしいと思う。ポンペイ人のセンス、全体的に好き。

猛犬注意

※写真がボケていたので公式から拝借

どろぼうさんは噛みついちゃうワン

栄えていたけれども、治安は悪かったらしいポンペイ。「宅には獰猛なワンちゃんがいるザマス」「訪問販売は問答無用で噛みちぎるように躾けているザマス」という、玄関標識のように使用されていた模様。一瞬カワイイと思うけど、ぶっとんだ目つきで「猛犬」ぶりを表現。

食材あれこれ

炭化4兄弟。キビ、イチジク、干しブドウ、パン
ポンペイ展のアイドル、炭化したパン

ポンペイ展ではこの「炭化したパン」のいじられ方がものすごく、クッション、ポーチ、マグネット、キーホルダー、ピアス、イアリング、炭化したパンのようなぼうろ、と、あらゆる工夫をほどこされてグッズ化されていました。グッズの勝利。PRうまい。

再現度がやたら高い

私は「炭化したパンのリング」という気の狂ったアクセサリーを買いました。

こちらも圧巻の再現度

ちなみに、「炭化してないパン」のバージョンもありました。騙されてうっかり買いそうになるものの、炭化してないパンは「ただのパン」なので、これから会場に行く人達は気を付けて!それはただのパンだよ!

あと、メルカリで炭化したパンシリーズやたら転売されてるけど、定価の3倍くらい値段になってるから可能な限り会場で買おうね!

踊るファウヌス

パンツはけよ

続いて、「炭化したパン」と同じくらいにグッズでいじられまくった、踊るファウヌス像。実は彼は人間ではなく、ギリシャ神話に出てくるサティロスという半獣半人の神様であり、シッポがついています。

たのしげ

このめっちゃくちゃ楽しそうな様子をグッズでいじられた結果がこちら。

※公式より
画像あらくてすみません

猛犬注意を連れてスケボーにのり、炭化してないパンを買いにいくファウヌス。注文時もポーズを崩さず。

※公式より
画像あらくて その2

炭化してないパン買って、ルンルンのファウヌス。猛犬注意もはしゃいでいます。

陽キャのパリピ。

スフィンクスのテーブル脚

こわい

大理石でできているテーブルの脚。なんか妙に生々しいというか、不穏なバランスというか。自分の家にこんなテーブル脚があったら夜怖くて仕方ないと思う。

もう1回行きたい

ポンペイは『死ぬまでに一度現地に行ってみたいリスト』に入っているのですが、ポンペイ展、すごくおもしろかったです。
東京会場は終わってしまいましたが、京都→宮城→福岡と移動するようなので、どこかに追いかけていってもう1回観たいなと思いました。

展示されている点数が多いので、これから観に行く人は公式サイトを見て、見逃しのないようにね!

おわり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?