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個人レベルの仕事品質が高いのに、欧米企業に勝てないのは、なぜか?

海外で生活をしてみると、日本の方が圧倒的に便利、できが良いということがよくあると思う。

例えば、コンビニ
海外でもコンビニはあるが、その商品内容、サービス内容において、日本は圧勝である。
私がいたオーストラリアだと、コンビニの棚には、同じ商品がだーっと並べられていたりする。ポテトチップスの同じブランドの袋がずらーっと並び、そして、隣の棚にはコカ・コーラがずらり。
数えたことはないが、同じ面積のコンビニで、日本とオーストラリアだと、おそらく100倍くらい商品数が違うのではないかと思う。

例えば、電車
電車が時間通りに来るのは当たり前の日本。
でも、世界はそうではない。5分前後遅れるのはざらである。
また、朝になって電車が故障で動いていないとか、急にストで動かないとか、なんでもありである。オーストラリアだと、結構日曜日は電車は朝からうごかず、線路の定期メンテナンスしてたりする。
イギリスの地下鉄なども、しょちゅう故障で動かなくなる。

後、家のエアコンとかが壊れたときの修理。
オーストラリアだと、修理屋さんが家にくるのは、なぜか約束した時間から3時遅れくらいである。で、まったく悪びれずに何事もなかったかのように修理を始める。
日本だと全く考えられない。

生活一般におけるサービスの質は、日本は圧倒的に世界一である。
(働く人の立場からすると、圧倒的に厳しい労働をしいられているともいえる)

で、今日のテーマーは、職場での日本と欧米の状況はどうだろうか?というものである。

私が海外で数十数年働いた経験からすると、社員の仕事品質は圧倒的に日本人が上である。

私は仕事柄、複数国でのmeetingなどによく参加するが、はっきりいって、欧米の国はてきとうである。
英語でばーっと話すので、一見、仕事ができるように見えるが、少し質問したり、細かくみると、仕事品質の粗さはすぐ分かる。

それにくらべ、日本人は、英語に勢いながなく、声がちいさくて、なんか頼りない感じなのだが、実は、説明している内容はきっちりしていて、仕事品質が高いことが多い。

こう話すと、企業のパフォーマンスにおいて、日本は欧米企業を大きく凌駕するはずなのだが、現実は、何故かそうなってはいない
あきらかに、欧米社員の方ができが悪く、残業もせず、仕事も粗い、なのに、企業としては欧米の方が日本より上だったりする。
それが、私としてはとても悔しい。
日本人の方が欧米人よりも何倍も働いていたりするのに。。。

日本企業の弱さは、年功序列、役職、先輩を立てるなどの文化によるところが大きいと思う。それに更に加えて終身雇用。

個人のレベルは高いけれど、その個人の力が組織でシナジーとして上手くワークしないのが日本スタイルだと思う。
若手が本質的なとてもよい提案を持っていたとしても、日本の場合は役職が上、年功が上の上司がそれを上手く理解できなければ、そのままボツになることがよくある。
個人個人としては能力が高いのだが、議論やブレストなどの組織活動では、残念ながら、年長者を敬う文化が邪魔をして、下の人間がズバッと意見を言えない空気が日本の企業文化にはある。

一方の欧米文化での会議は、ざっくばらんであり、若手だろうが、新人だろうが、思ったことは堂々と言う。議論の場では、年長者だろうが、役職が上だろうが、関係ない。
議論が長引いて長時間働くのはイヤだし、また、議論が上手く回らず下手な結論がでると、無駄な作業が増えるので、参加者はそれこそ、礼儀など気にせず議論を深めることを優先させる。
こうして、若手や新人からスマートな意見がでると、あっという間にそれが採用されるのである。
欧米は平均的個人の仕事品質は低いのだが、100人に1人くらいいるスーパースマートな人の意見が、通り易いのである。

更に、日本の組織の力をそぐのが、終身雇用である。
ずーっと長い時間、同じ職場でお世話になるのが前提となっている中で、白熱した議論をするのは難しい。
間違ったことを発言したら将来の昇進はないし、間抜けな意見を言っている上司や先輩に下手に意見すると、あっという間に村八分にされ潰されそうだしという具合に、日本の組織文化は、強烈な減点法を元にしている。

欧米の場合は、そもそも定期的に転職するのが当たり前だし、また、個人の仕事品質が低いのが当たり前なので、上司であれ、先輩であれ、人間みな勘違いしたり、間抜けなアイディアだしたりというのが、日常茶飯事である。
このため、新しい意見や突飛に思われる意見などが、机上にどんどん上がり、革新的な企業活動につながりやすいのだと思う。

世の中の動きがどんどん早くなってきており、競争がグローバル化する中で、日本企業を強くする一番の方法は、年功序列の排除、ひいては、学卒一括採用と終身雇用と中止となる。

でも、それは自分ですぐにコントロールできるものでないので、もしあなたが、会議参加者の中で役職や年功が上の方な場合は、会議の冒頭でとにかく1つや2つ、下手な提案や意見をみずから話すことだと思う。

日本の文化では、目上の人の方が正しい的な共通認識があるが、まずは、それを自ら壊していくことが一助となると思う。


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