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コラボ展

来年のお正月明けにグラフィックデザイナーの友人とふたりで展示をします。
前回の個展のウラジオストク展から3年ちょっと、ようやく展示の意欲が湧きました。
そもそものきっかけは去年の暮れの友人の個展以来、割と頻繁に会ったり連絡を取り合うようになり、その流れで展示一緒にやりたいねって話になったのでした。
それが具体化したのは8月の富山旅行。
その時に観た富山県美術館での「大竹伸朗展」で刺激を受けまくったことで、俄然展示欲が湧いて、湧いてと言うよりも地下のマグマが一気に大爆発した感じで、帰宅した翌日にデザフェスギャラリーの予約状況をチェックして、1週間連続で空いていた2024年1月4日から10日までを速攻で押さえたのです。
やる気になると一気に突き進むタイプなので、こうなると誰も愛茉を止められない。

そして大竹伸朗に刺激受け影響されて、今回は写真だけじゃなくてコラージュ作品とか絵画の作品も展示します。
まさかそんな日が来るなんて、自分でも信じられない晴天の霹靂です。
絵に関しては高校の3年の時に一応美術部には所属していたのですが、不良部員で絵を描かずに小説を書いていたくらいなので、ほぼほぼ素人。
石膏デッサンとか地道な基礎も避けて通っていたので、まともに描ける気がしなかったのですが、実際に描き始めてみたら意外に出来ました。

増殖する三角形の習作-①-

これがスケッチブックに水性ペンで描いた最初の絵です。
とりあえず三角形だけで紙面を埋めてみようと単純な動機で描きました。
構想も完成形の予想もなしに、とにかく手を動かし続けて2時間半、出来上がったのがこれです。
描いていると集中して止まらなくなります。
絵を描くなんてほとんどしなかったので、描くこと自体が新鮮だったし刺激的でした。
子供が意味もなく画用紙にクレヨンで描きまくる原点みたいなものですね。
SNSにアップしたら思った以上に好評で、気を良くして次に描いたのがこちら。

増殖する点の習作-①-

2年前に松本美術館で偶然観た草間彌生の影響は隠せない作品です。
こちらは所要時間3時間。
水性ペンはDAISOの物なので、色によって筆先が安定せず、滲んだり歪んだりしてしまうのですが、それもまた味のうちということで。

今回の展示ではコラボ作品もあるので、友人とレンタルスペースを借りて、そちらで共同制作もしています。
写真の時はほとんどが孤独な作業になるので、誰かと一緒に制作をするのが楽しいですね。
なんだか部活みたいでした。

初めてのコラージュ作品

真ん中のベースになっている写真は、1月に友人と南房総の岡本桟橋に行った時に戯れで撮ったセルフポートレイトです。
その周りに8枚の写真で縁取りしました。
右の「婦人病」の看板は尾道で撮った物ですが、結構気に入ってます。
そのベースの写真の上に小さくプリントした写真をいろいろと加工して貼り付けてあります。
上の方にある3枚はプリントの縁をライターの火で炙りました。
サブカル系の写真作家の間では良くやる手法ですが、友人は炙っているのを見て驚いてました。
炙り寿司ならぬ炙り写真、加減が難しいです。

下の方に散りばめた四角や丸の写真は、元のプリントを切り抜いてパンチング鋏で穴を開けた物です。
鋏はDAISOに道具や素材を買いに行った時に、これは使えるのではと咄嗟に思って買ったもので、買っておいて良かったと思いました。
開いた穴にサインペンで点を描いたら不気味な雰囲気が加わり、また立体感も増してとても効果的な表現になった気がします。

ふたりの上の3つのハートはペンで描いたものではなく、芝桜を撮った写真を鋏で切り抜いた物で、小さいので切るの大変でした。
友人は最初描いたものだと思ったらしく、切り抜きと知って衝撃を受けたみたいで、してやったりです。

アナログでコラージュを作る楽しさと深さってこういうことではないのかと思います。
デジタル加工で同じようなことは出来ますけど、それとこれの違いってとても距離感がありますよね。

以前に親しかった写真家の友人がフォトモンタージュの手法で作品を発表してましたけど、一種のコラージュとはいえ、写真以外の素材も合わせるこのコラージュとは全くの別ジャンルに感じます。

これも創っているうちにどんどんアイデアが浮かんで来て、自分でも着地点は見えないままに手を動かしてました。
大竹伸朗が「考えたら詰まらない結果しかない、偶然が素晴らしい表現を生み出すのだ」みたいなことを言ってましたけど、まさにそれです。
そもそも考えるのは苦手だと気付きました。
写真だっていいなと思った瞬間にシャッターを押すスタイルで、とにかく撮るの早いです。
三脚を立ててじっくり構図を考えて何枚も試しに撮ってみたいなこと出来ないししたくもない愛茉です。

絵画用のペンや画材だけじゃなくて、写真では分かりにくいですが、ネイルカラーも使っています。
使えるものはなんでも自由に使ったらいいと思います。

写真だけじゃなくて他の表現方法も手に入れることが出来ただけでも、この展示を企画して良かったと思うし、最大の成果じゃないかな。
まだ展示も始まっていないうちに言うことでもないですが。

展示はこちら。

愛茉作の展示フライヤー

写真の展示の時はいつもギリギリにならないと動かないのですが、今回に関しては2ヶ月の前なのに制作に取り掛かっていて自分でも驚きです。

来年のお正月、明治神宮に初詣がてらデザインフェスタギャラリーに足を運んでいただけたら幸いです。

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