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30代の私、上司に怒られたい

30代半ばにもなると、上はもちろん先輩方が山ほどいるけどもう若手気分でもいられなくて、中堅と言っていいのかどうなのか分からないけど、なんとなくのリーダーシップも発揮しないといけない、そんな私です。

20代前半、生意気だった私は本当によく上司や先輩に怒られました。

「〇〇さん、やる気ないなら、もう帰っていいよ」

1社目、15人くらいしかいない田舎の会社で社長肝いりの(社長だけ)プロジェクト担当として入社したとき、同期入社の人が一人だけいました。

こんな小さい会社なのに同期がいるんだ・・気が合う女の子だったら嬉しいな
、爽やか好青年とかだったらどうしよ・・♪

という邪な期待もむなしく、同期は30代半ば(当時の私からすればおじさん中のおじさん)、頭髪はお疲れ気味、大手でバリバリ営業をやっていたという方でした。
「バリバリ」という言葉が本当にぴったりな、行動も言動もやたらと強くて、いかにも仕事ができる、仕事に命を懸けてるような雰囲気の先輩でした。

私の上司でもないくせに・・

電話の受け答え、コピーの仕方、席次表の作り方、あらゆる面で細かいところをチクチクチクチク、しかも感じの悪い余計な一言二言付き・・。一方でやたらと慣れ慣れしいときもあって、社長の言うことは頭半分で聞いとけと新人に言うことか?みたいなアドバイスをしてきたり、かと思えばいきなり怒られて、やる気はあるのに「やる気ないなら帰っていい」と言われる始末。

体育会系が心底嫌いで、自己主張バリバリに自己肯定感が常に強かった私。当時の私の長い長~い鼻は、この当時だいぶこの体育会系の先輩によってへし折られていたように思います。

「あの人ほんとやだ、なんで私にだけ当たり強いの・・」
「今日もあの人がさ!!こんな言い方ないよね?!」
と、当時実家に住んでいたので日々母親に愚痴っていました。契約期間の1年で絶対お金を貯めて退職して上京してやる、と何度も心の中で決意していました。

でも、そんな鬱陶しい先輩と付き合っていくうちに・・
・取引先やお客さんを第一に考えている人だということ
・仕事に求める水準がとても高いこと

そんなことが嫌でも分かってきました・・。
小さいことにいちいちうるさいなと思っていなかった指摘は、仕事の丁寧さだったし、これくらいでもいいじゃんと私が思うことは、たいていは「お客さんにはそれじゃだめでしょ」という至極まっとうな指摘ばかりでした。

何でここまで細かく言うのか、何でこんな小さなことなのになかなかOKを出してくれないのか。
私の直属の上司だった社長は優しいけれど、オフィス中に積みあがっているビジネス書に感化されては試してみて、そのうち忘れて形骸化・・みたいな人で、新人の私には「軸のない人」としか映りませんでした。

一方で、自分だって転職したてなのに、納得いかなかったら行かない分だけ社長とぶつかって、事業の目的のために、お客さんのために、を常に真剣に考えている先輩。
おじさんで(おじさんは別にいいんだけど笑)、仕事にすごく熱くて真剣で、お客さんにとことん誠実で

あぁ・・仕事するってこういうことなのかな・・

仕事って真剣にやることなんだな・・。

とある意味当たり前のことなんですが、そんなことを最初に身をもって教えてくれたのは、あの鬱陶しい先輩でした。

生意気だった私も30代半ばになり、今では当時のあの先輩と同じ年。組織で上も下もいる立場になりました。仕事にも慣れてきて、やれることも増え、教えることも増えてき、あの先輩を思い出すたびに思うのが

最近、全然怒られてない・・

当時の私に言ったら、頭おかしいんじゃない?!と反論されそうですが、今は逆にたまには怒られたい。尊敬する上司に囲まれる日々、足りないところは今も山ほどあるはずなのに、前ほどガツんと怒られることが本当に無くなりました。

もちろん怒られるようではいけないのだけど、それでも何か
・もっとこうであってほしい
・こういうところはもう少し直してほしい

こういう指摘をされたいと思ってしまったりします・・。

でもあの先輩を思い返すと、やたらと細かいチェックや日々の姿勢は誰も怒ってくれない、指摘してくれないからこそ、自分で自分の仕事の質を高めないといけない、という表れだったのかもしれません。

パワハラは論外だけど、怒ってくれるってやっぱり有難いのかも

怒る、叱る、いい方はいろいろありますが、あの先輩を思い出す度に、嫌なこともあったけど、ほとんどが仕事への姿勢を問われて𠮟られたものでした。

すぐには理解できないし、言い方がどうなの?!と思うことも山ほど・・山ほどあったけど、でも・・「仕事はその質じゃダメなんだよ」とあの時教わっていなかったら、私はいまだに真剣に仕事をするっていうのが具体的にどういうことなのか理解出来ていなかったと思います。

ミスをせずに、スマートに仕事をこなして評価を上げていきたいと思う反面、これでいいのか・・??違うなら言ってほしい・・指摘してほしい・・そんな気持ちがいつもぐるぐるしている私です。

そんな中で、ほんとうに久しぶりの・・特大ミス・・

怒られたいと思っていたのもつかの間・・
いつぶり?!と思うほどのとんでもないミスをしてしまった数日前。。

上司、そのさらに上の上司、関係部署に謝罪と説明、幸い大事には至らずに済みましたが、運がよかっただけで結局火消のために何人もの方に迷惑をかけてしまいました・・。

「いえいえ、最終チェックは僕の業務でもあるので、気づかなかった僕も反省です」
と言ってくれた上司のさらに上の上司・・心が救われつつも、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです・・

ここ最近怒られてないな、たまには怒られたいな
とか思っていた自分を今は思いっきりぶん殴ってやりたい気分です。

寝ぼけたこと言ってんじゃねぇ!!!
そもそも怒られるようなことをするな!
完璧に仕事をしろ!
上司や同僚に面倒をかけるな!
ミスする以前に、ミスが起こらない仕組みにするのがお前の仕事だろうが!!

と尊敬する上司のみなさんには言われない分・・
自分で猛省して再発が起きないようにしようと固く誓った・・そんな週末でした。。

結論=怒られたいけどもう怒ってはくれない、そして20代と違ってなぜか怒られていないけど、自分のダメさに落ち込みまくる・・それが私の30代。

明日もがんばろう。

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