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カラーストーリー 色でめぐる金沢

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#朱鷺色

幕末の金沢にマリンブルーの部屋があったけど、理由をあててみてね。 

幕末の金沢にマリンブルーの部屋があったけど、理由をあててみてね。 

江戸時代、幕末の加賀藩、13代藩主の前田斉泰公が母の隠居所として建てた成巽閣(せいそんかく)2階の群青の間。当時、部屋の内装は朱が主流だったが、あえて青を取り入れている。フランスから輸入されたウルトラマリンブルーを用いた群青の景色を見てみよう。

■推理1  自然(日・月・星)への祈りの気持ちがあった。

中世の武士は星空を見て、明日の戦(いくさ)を占っていたようだ。沈む夕陽、月がうっすらと見え、

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「朱鷺(とき)が舞う能登半島に。」97歳、孤軍奮闘の歴史。

「朱鷺(とき)が舞う能登半島に。」97歳、孤軍奮闘の歴史。

 朱色の鷺を朱鷺と言う。村本義雄さん(97歳)は、そのように言う。確かにそうだ。高貴な色で平安時代、伊勢神宮の御神宝太刀の手で握る部分に朱鷺の羽根が2枚使われていたようだ。(須賀利御太刀:すがりのおんたち)

 朱色の中でも朱鷺色は最高の色のようだ。富来町の増穂ヶ浦海岸にある桜貝もよく似た色だ。気多大社の遺跡に炎を使用した跡がある。祈りの儀式などが行われていたのだろうか。朱鷺色が能登半島によく似合

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