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オフショア開発 = コストメリットは失われつつある

オフショア開発の現状

オフショア開発の1 番のメリットっていうところで、ネットで調べたりしていくと、コストメリットがあるという点が書いてあります。

しかし現状は、オフショア開発のコストメリットが薄まってきている傾向があります。

日本人だと普通の新卒から2,3年程度のエンジニアで大体 「25万から 30万」ぐらい、そして経験を追うごとにもっと上がっていきます。業務委託だと、「月80万円」ぐらいになってしまいます。

企業に対して仕事を依頼、企業に対してエンジニアを発見してもらっても、「80万円」ぐらいからという形になってくるのが一般的です。

海外社員の給料

例えば新卒から2,3年の正社員の給料で

  • インド:「月10万円」前後

  • ベトナム:「月5、6万円」前後

  • フィリピン:「月5万円」以下

という感じで、確かに正社員の給料は落ちてきたりしています。

ただ、海外の人材の給料はまだそれぐらいではあるんですけど、

そこから日本の企業を通して出された見積もり金額っていうところで行くと、ベトナムやインドであっても「40万円以上」のケースが多くみられます。

企業によってはもっと上がって 「50万60万」っていう形で金額が上がっていっています。

バイリンガルエンジニア

そして、そうなってくると単純計算ですが、例えばベトナム人のエンジニアが「40万円」として、日本人のエンジニアが 「80万円」として、確かにまだ開きはあると言えばあるんですが、海外に仕事を依頼するってなった場合は必ずバイリンガルのエンジニアを入れて、翻訳をしてもらう必要があります。

なので、体制が単純に日本と同じではないので、単純にコスト比較はできません。

2 つの言語で仕事をするっていうことになっていくので、当然コミュニケーションミスっていうのは、注意や体制をしっかり整えていなければ、起こる可能性っていうのは相対的に高くなります。

コストメリットは薄くなる

もしミスが起こってしまって開発コースが 1 ヶ月増えてしまえば、コストメリットっていうところはかなり薄くなってきます。

もし 2 ヶ月 3 ヶ月、日本人チームより伸びてしまえば、コストメリットはほとんどなくなり、むしろコストが大きくなるっていうことも考えられます。

また、最近オフショア会社に発注の依頼だったり、見積もり依頼をした企業っていうのは結構感じているかもしれないんですが、もうだんだんオフショア開発会社もコストメリットがあるっていうことをあまり言わなくなってきています。

というのは、そもそもコストメリットがもうほぼ失われているっていうところもありますし、結果的にコストメリットがあまりないパターンっていうのもあったりします。

日本と海外の給料の比較

また、日本だと今給料は全然上がっていないのに対して、他の国であれば給料はどんどん上がっているっていうのが現状です。

さらに、一般的なベトナムの人材だったりインドの人材っていうのは給料は先ほど言ったぐらいの金額なのですが、優秀な層の金額っていうのはもっと上がっていっています。

ですので、「もうコストメリットっていうのがオフィシャル開発の一番のメリットではない」です。

人材の獲得

では、海外人材にそもそも仕事を依頼するメリットっていうのはもう何なのか?って言いますと、これは「人材の獲得」です。

優秀な人材の獲得というのが、金額に差があるので、まだやりやすいっていうところが一番のメリットです。

安く使うというのではなくて、同じ給料を払う。日本人と同じ給料だったら、同じ発注金額を払って、日本人よりも優秀な人材を採用するっていうところにどんどんシフトしていってる傾向にあります。

人材獲得へのシフト

多くのオフショア会社もこのように言われています。多くの人材をオフショア会社でプールしておいて、人材がもし大量に必要になった時に、たくさん人材を稼働させることができます。

しかし、金額コストとしては日本人とはあまり変わらないです。ただ、優秀な人材を集めました。みたいなコストではなくて、人材をたくさん集めて、なおかつ優秀な人材をたくさん集めてるっていううたい文句にどんどんなっていっています。

そしてこの流れはある意味当然ではありますので、発注側も考えを改めて行く必要があります。「コストメリットという部分ではなくて、そもそも人材の獲得というところに考えをシフトしていく必要があります。」

優秀なエンジニアの獲得

また、日本ではそのエンジニアの採用っていうのが、上位の優秀なエンジニアになればなるほど獲得っていうのが非常に難しくなっていきますが、海外に目を向けるとそういったわけではありません。

しかも、日本の優秀な層を獲得するよりも抑えた金額の給料を出すことによって、多くの人材の募集があります。

ITエンジニアの不足という課題

日本では IT エンジニアの人材が不足していることについての記事や、政府の統計データを一度は目にしたことがあるかと思います。

しかし、それは日本限定の話であって、日本以外に目を向けると、全く人材が不足してるっていうことはないです。

ただ、それはかなりマクロな話でして。じゃあ、自社で 100 人 1000 人の IT 人材を採用できるかって言われると、そんな企業っていうのはほとんどありません。

結局、数人の優秀なエンジニアを採用するっていうところが、多くの企業の直近の課題になっています。

そして、その際に日本だと優秀なエンジニアを採用したいっていうところだと、やっぱり「年収 1000万」を超える金額になってくると思いますが、海外まで範囲を広げれば、「年収 400万500万程度」で同じぐらいの人材っていうのを獲得することは可能です。

海外メンバーのための体制作り

また、海外の人材を獲得するということは、海外のメンバーが稼働するような体制作りっていうのも日本企業には必要です。

しかし、一度そのような体制作りをして、日本企業としても海外の人材と仕事をするっていう学習を進めれば、採用で困るということがほとんどなくなります。

まとめ

オフショア開発というのは、以前はコストメリットというところが非常に強く押されていました。

しかし現状は、

  • 日本: 30 年ほど給料が全然上がっていない

  • 諸外国:給料はどんどん上がっていっている

また、現地で法人を作ったり、現地で管理する日本人の給料も高くなりますので、実際に販売価格として出す外国人の金額はどんどん上がっていっています。

それに加えて、「コミュニケーションのリスク」がありますので、開発が伸びてしまうと、むしろ海外人材に依頼する方がコストメリットがなくなるっていうところもあったりします。

ですので、コストメリットというよりも「優秀な人材を獲得する」という点が、一番の大きな目的になっていっています。

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