見出し画像

「天路の旅人」、盛岡の人は読むべき

沢木耕太郎の新著「天路の旅人」、570ページの大著ですが、一気に読みました。

「第二次大戦末期、敵国の中国大陸の奥深くまで「密偵」として潜入した若者・西川一三。敗戦後もラマ僧に扮したまま、幾度も死線をさまよいながらも、未知なる世界への歩みを止められなかった。その果てしない旅と人生を、彼の著作と一年間の徹底的なインタビューをもとに描き出す。著者史上最長にして、新たな「旅文学」の金字塔。」(新潮社ウェブサイトより)

この西川一三氏が十数年まで盛岡の中央通で美容品店を営んでいた人物であることを全く知らずに、「深夜特急」の沢木耕太郎の新作という期待だけで買ったのですが、冒頭、開運橋近くの居酒屋で2人が出会うところから、蒙古からチベット、ヒマラヤ、インドへ至る冒険小説のような(小説よりもすごい)行程、日本に送還され盛岡での仕事一筋の慎ましい生活、最後に旅人同士が心通わせる感動的なシーン、この物語は開運橋で始まり、遠くチベットの奥地まで展開し、最後に開運橋で終わるのです。

とにかくいろいろ考えさせられる本です。一期一会とは、至誠とは、国際人とは、バイタリティとは…

この記事が参加している募集

読書感想文

国産漆を育て後世に継承するための活動を行っています。ご支援をよろしくお願い致します。