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インターン体験記ver.5(大学生)

こんにちは。日本工芸note編集部です。今回の投稿は、当社に短期インターンとしてきてくれた石岡さんに体験談をご紹介いたします。
彼女は2023年4月から東京で某上場企業の新社会人になる方です。大学4年4月から4ヶ月企画立ち上げをご一緒いただきました!

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〇なぜ工芸に関心があるのか

幼い頃から、工作で独創的な作品を作り上げるような子で、何となくものづくりに関して興味がありました。大学生になり自分の暮らしやライフスタイルについて見つめ直す中で、「効率性」と「無駄を楽しむこと」のバランスや、「人工的なもの」と「手づくりの温かさ」のバランスを大切にしたい、というところに行きつきました。

そして、効率的で時間を増やしてくれる製品の恩恵をいただきつつも、毎日自分の意識を内側に向ける時間も重要だと感じ、日本の素晴らしい工芸品を使う喜びを感じるようになりました。工芸品で食事をいただいたりお手入れをしたりする時間は、欠かせないものとなっています。

また、日本製のものを特集した本を読んだことも、関心が高まる大きなきっかけとなりました。一つの工芸品をつくるために、多くの工程を踏み、持続可能で伝統的な生産方法のもとつくられていることを知り、職人さんへの尊敬の気持ちと「相棒のような工芸品を見つけたい」という気持ちが生まれました。

旅などで知らない地域を訪れる際も、工芸品について調べ、工房や窯を回るようになりました。伝統的なものには、ものづくりの本質があるような気がして、新しい工芸品と出会う面白さも実感しています。

〇インターン応募のきっかけ、動機は?

応募理由は2つありました。

一つは、マーケティングに関する経験をし、それに対して自分がどんな感覚を得るのかを知りたかったからです。就職活動の真っ最中だったのですが、マーケティングやクリエイティブな仕事をしたいと考えるようになり、マーケティングについての知識や経験を得たいと思いました。
そして、その中でやりがいを感じるポイントや自分の性質についてもヒントを得られるのではないか、と考えていました。

二つ目は、同じように伝統工芸品が好きな方々と共に、工芸品の良さを伝えたいという想いが強かったためです。伝統工芸品と聞くと、「昔ながらの」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、伝統的な技術を保ちつつも、現在の生活に合うように進化し続けています。
色・形・フォルムなどが洗練されていて、自分の暮らしに寄り添ってくれる。そんな工芸品の魅力の発信について、20代の私たちの目線で考えられたら、と思いました。

〇日本工芸で行った業務は?

「アンバサダーキャン―ペーン」のアイデア出しを主に担当させていただきました。アンバサダーの方を募集し、Instagramで工芸品の魅力を発信していただく、というものです。

私は、既存のマーケティング事例の調査や、目的・ターゲット・キャンペーン内容のアイデア出しをし、週一回のミーティングで共有させていただきました。ミーティングにて多くのことを教えていただき、少しずつ実行段階に近づいていくところに面白さを感じました。

私は「好き」などのお客さんの熱量によって広がるマーケティングを経験したいと感じていました。以前に広告会社でネット広告に関する業務を経験させていただきましたが、その中で、「お客さん自らが商品・サービスに対してアクションし、自己実現できるようにするにはどうしたらいいのだろう」ということを考えるようになったためです。

当時はマーケティングに関する知識が全くなかったのですが、後にこれが「マーケティング4.0(自己実現のマーケティング)」に相当するものだと知りました。今回のインターンでは、工芸品に対する熱量が高いアンバサダーの方々にご協力いただき、SNSにて素敵な投稿をしていただく様子を目の当たりにして、やりがいとワクワクした感覚を得ることが出来ました。

また、「工芸品フォトコンテスト」の企画にも関わらせていただきました。「どんなコンセプトにするのか」「工芸品を詳しく知らない人にも楽しんでもらいたい」「どの形態で募集したら面白いか」など、ミーティングをする度にみなさんから新たな視点に気づかせていただき、刺激的でした。

他のインターン生の方とのゼミでは、最終的にSDGsと絡めた新規事業を発表しました。3グループに分かれており、幅広くて創造性豊かなアイデアで溢れていましたが、その根本の想いは変わらないことに気が付きました。今後も、工芸品産業が経営・消費面ともに持続可能で、つながりや温もりを届けてくれる存在であり続けてほしいです。

〇何を学んだか?

企画がどんな段階を踏んで実行に移されるのか、という流れを実感を持って知ることができました。これまでは、書籍やセミナーを通しての情報のみでしたが、実際に関わらせていただいたことによって、よりリアルなイメージを得ることができました。

中でも、「企画は世の中にあるものを分析することから始まる」ということを学ばせていただきました。ミーティングに向けてアイデアを考えようとする際にも、まずは「現在他の企業ではどういった企画がなされているのか」を調べ、さらに企画がなされている目的まで目を向けることを意識しました。

「誰をどうするために」という「なぜ」の部分がぶれてしまうと、方向性を誤ってしまうためです。前例から得た学びを元に、「日本工芸堂に置き換えたらどんなことができるだろうか」というところから出発して、案を考えるようにしました。

現実的に考えると難しそうなことや本質がずれた提案もたくさんしてしまいましたが、ミーティングを通じてコメントやアイデアをくださり、自分の思考に足りないものを少しずつですが知ることができるようになりました。このような経験をいただけたことにとても感謝しています。

そして、働く姿勢からも勉強させていただくことがたくさんありました。話し方や取り組み方、伝え方などみなさんの素晴らしいところを見て刺激をいただきました。社会人になる前に、自分なりに仕事に対する思想を定め、強い意志と柔軟さをバランスよくもってものごとに励むことができる状態をつくりたいです。

〇今後の抱負

抽象的にはなってしまいますが、私は暗闇にいる人や未来にあまり希望を感じられていない人に、少しだけ希望を届けられる人になりたいと考えています。
そのために、何事にも「妥協しないこと」を大切にしたいです。物事を観察し、よく考え、本質を貫いたアウトプットを追求し続ける…。今はまだ見つけられていませんが、自分の得意な表現というものを見つけたいです。

この目標に辿り着けるように、歴史を学ぶことと、自ら安心できる環境から離れて弱点と向き合うことをしたいと考えています。
このインターンで学んだように、やはり過去の事例から学ぶことは欠かせないと考えています。本を読んだり、街中のクリエイティブを見たりすることを通して、審美眼を養っていきたいです。
就職後は、日本工芸堂のマーケティングに関わらせていただいた経験を活かしながら、すべての関係者にとっての満足につながるようなアウトプットができるように努力していきます。

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アイデア豊富でとても熱心に取り組んでいただきありがとうございました!社会人になっても自分らしさをいかんなく発揮していって欲しいと思います。体験談を寄せていただき、ありがとうございます。

以上、日本工芸編集部でした。




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