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マスカレード・ホテル「ルール」「歩み寄ること」

世の中にはとんでもない豪華キャストを集結させて「お客様」に期待をさせるような作品がたまにあると思う。

そしてその期待を余裕で超えてくるような作品が稀にある気がする。

それだった。

私は俳優さん,女優さん次第で観る映画を決めることがほとんどで、マスカレード・ホテルはその選考に残らず、映画館へは足を運んでない。
ただ2021年9月17日に続編が公開されていたのは知ってたし、せっかく土曜プレミアムで観れるなら覗いてみよっかなって感覚でテレビをつけてみた。

マジで面白かった(笑)
ほんの一瞬だけ、「ディズニー作品観てんだっけ」って感覚になりかけた、、
キムタクがミッキーに見えかけた、、(一応ごめんなさい)

ディズニーの作品って主人公とヒロインだけが物語を占めることなく、案外サブキャラもいい味出してるしそういうキャラクターの数も多いのよね。
「マスカレード・ホテル」もキーマンになる登場人物がどんどん出てくるし舞台がホテルなだけあって演出が豪華というかおしゃれというか、、
そういう要素が重なって「ディズニー、、?」っていう違和感があった。

豪華俳優陣の期待が大きすぎることでの評判倒れなんてことはないだろうなって思える完成度で、仮に面白いと感じなくても「すげー」って感想をきっと得られる。

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ルール

人間には個性や役割がある以上、バランスって大事だなと作品全体を通して感じた。
序盤のセリフに

ホテルではお客様がルールなんです

という言葉があり、たぶんこれが『マスカレード・ホテル』という作品のガイドレールになりそうだなと考えてた。
その「ルール」という概念に沿って物語が展開されていきそうだなって。
ルールというか、役割というか、立場というか、、?

新田(キムタク)にとってのルールは
警察として悪人逮捕への動きをすること
山岸(長澤まさみ)にとってのルールは
ホテルマンとしてお客様に仮面のひと時を楽しんでもらうこと
お客様にとってのルールは
お客様として、自分自身がホテルでのルールになること

普通なら交わることのないこの3つのルール(役割、立場)のバランスを調節して展開されていくのが「マスカレード・ホテル」の面白さだと思う。

で、そのバランス、、!!

山岸が間違った判断をしかけたときに新田が警察としての推理力を活かし、もめ事を未然に防いだケースがあった。
新田が必要以上にお客様を疑った時に山岸はホテルマンとしてお客様ファーストに動き、もめ事を収めたケースがあった。

たぶん、1人の立場や個性で物事を円滑に進めるには何事も限界がある。
思っている以上に、自分には世の中把握しきれていないことがきっとたくさんある気がする。
かといって状況次第で1人だけが最前線に立って他の仲間が昼寝していてもいいかといえばそれも違う。
「マスカレード・ホテル」において必ず新田と山岸はタッグを組んで動いていたし、相手に足りないものを自分が補うためにそうせざるを得なかったんだと思う。
協力に限ったことではなく、何事も偏ることなく一番ベストな判断はどこにあるのか探していければいいな。
(個人的には極端になることも大事だと思ってるけど)

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歩み寄り

作品の序盤では、バランスというよりも「警察として」「ホテルマンとして」極端にどちらかに振り切って仕事を進めようという意識が見えた。
ただ中盤で山岸は新田に、新田は山岸に助けられる場面展開があり、少しずつ新田が山岸の価値観に歩み寄るような印象を受けた。
(まあもちろん新田はホテルマンとして潜入しているのだから当たり前といえば当たり前なんだけど)

とはいえ警察としてホテルマンとしての立場には徹底していて、その個性の強さがありつつもお互いの概念に歩み寄る場面がなんか良かった。
普通に長澤まさみとキムタクは個性強すぎ。
(四天王のうちの2人がタッグ組んでるくらいには威圧感を感じた(笑))

仕事だけじゃない気がするのよね。
結局人付き合いはお互いの立場や性格や個性があって当たり前で、そこに歩み寄ろうと思えるかどうかがとても大事なんだと思う。

伏線

最初の方に出てきたお客様「目が見えない疑惑のおばあちゃん」がラスボスなのは普通にびびった。
あれって最初から松たか子さんなの?
マジで気づかなかったし怖すぎ。
でもそう考えるとストーリーとして冒頭とオチがしっかり繋がっていて、すげーって思った。
エンドロールで東野圭吾さんの名前が出てきた時もなるほどねって感じだった。

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今年も紅葉が綺麗に色づいてほしい。



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