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生活は続く

●居酒屋でたまたま隣り合わせた同世代の男性と意気投合し、翌週も予定を合わせて酒を飲んだ。不思議な巡り合わせもあるものだと思っていたけれど、彼はどうやらマルチの類の一員だったらしい。それ以降頻繁に電話や、セミナーの誘いをしてくるようになったので、そっとフェードアウトすることにした。

本が好きだという彼が、是非読んでみてほしいと薦めてきた一冊。後日調べてみると、その界隈でのアプローチ手段として重宝されているらしい書籍だったので、ひどく不快な気持ちになった。本にはなんの罪もないのに。

彼はどこまで私と対話したのだろう。どこまで一個人として、どこからターゲットとして、見ていたのだろうか。

ソルティドッグ

●9月頭のファイナンシャルプランナーの試験を終えた辺りから、勉強に身が入らなくなった。資格関連だけでなく、平成史の整理など、独学も含めて軒並み手につかない。

資格の勉強などはひとたび着手してしまうと、区切りがつくまで簡単には中断出来ない。いつでも始められ、いつでも辞められるのが勉強というものなのだけど。

飛ぶように過ぎていく日々の中、手探りながら投下した資格勉強の時間を、埋没コストにしたくない恐怖が大きいのだと思う。生産性という言葉が好きではないくせに、こういう時に首をもたげてくる、厄介な概念。各平日のど真ん中こそ、無意味に消えていっている。

●最近読み終えた「女のいない男たち」について。
内容もさることながら、風景描写の巧みさを強烈に感じた。中でも「木野」は1番好みで、折に触れて読み返したい読後感の良さがあった。

小説を読み終えたあと、すぐさま映画「ドライブ・マイ・カー」を観た。Amazon prime内でのレンタル、330円だった。家にいながら何かを観る、聴くなどの行為に対して「金を払っている」という感覚が新鮮だった。サブスクリプションは自動的に金が引き落とされていくから、払ったという感覚に乏しい。

映画の主な舞台は広島だった。瀬戸内は個人的に思い入れがある場所ということもあり、懐かしく、心が洗われていく。主人公夫妻の住むリビングのレイアウトも、非常に参考になった。

映画自体も評判通りとても考えさせられるものだった。独立した短編たちをまとめ上げ、一つの物語に昇華できるのはかなりの技術だと思う。

●湯船に長く浸かるようになった。肌の調子が劇的に改善されて喜んでいる。最低限の自炊も再開した。少しずつ日常の時間の使い方が変わってきつつある。

●結局今のところ、私がnoteに書いている全ては紙の日記帳に書いていれば事足りる。当人の日記というだけでは成り立たない、単なる「出来事+感想」スタイルではない、対外的なものを書いてみたい。

●実家に戻った際、弟たちを連れて愛犬と散歩に出かけた。こうやって兄弟揃って当てもなく歩くことが、あと何回出来るのだろうかというベタな感情が湧いてくる。そしてそれはやはり真実だし、一瞬一瞬がやはりかけがえない。

●Sound Houndというアプリをよく使う。街中で流れる音楽を読み取り、曲名や作曲者を調べられるアプリ。どのような仕組みなのか、読み込んだ音楽がApple Musicにプレイリストとして反映されるので非常に重宝している。調べてみると驚くほど有名な曲であったことがままあり、自身の無知を恥じたりもする。

いつどこでそれらを良いと思ったのかなど覚えていない。けれどもプレイリストを流す時、少なくとも心が動き、知りたいという衝動に駆られた瞬間があったことを、思い出すことができる。

光を集めて/ 伊禮恵
Misty Mountain Hop(Alternate Mix)/Led Zeppelin 
Don’t Look Back In Anger/ oasis
大河の一滴/桑田佳祐
ALL I ASK OF YOU/リチャード・クレイダーマン
最近のSound Houndの履歴

●10月になった。2022年前半はほんとうに色々よく考えた。後半期はもう少しシンプルに過ごしたい。やりたいこと、好きなこと。日常をうんと気持ちよく。

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