1月(中) ある雪の日|塩狩峠
2023/1/26(木)7:30
仕事の関係で姫路へ向かっている。
豪雪の影響も考慮して始発で向かったけれど、快速電車が30分以上遅れ、途中も車間距離の調整で停車を繰り返している。どうも間に合いそうにない。社用PCから上司にメールを入れる。他の乗客たちも、小声で連絡しているのが聞こえる。
電車はまだ動かない。朝日に照らされて輝く須磨海岸を眺めながら、電車の中で書いている。
8:26
発車を待つ車内でITパスポートの参考書を進めた。週末は予定が立て込んでいて、勉強時間が取れないはずだったので嬉しい。2月5日に受験する。
停車中もドアは定期的に開くので、その度に女子高生たちが「足が寒いね!」と言い合っている。
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先々週に東京での出張があったので、新幹線で三浦綾子さんの『塩狩峠』を読んだ。実話をもとにした鉄道社員のお話。
主人公の永野信夫が幼少期の頃から物語は始まり、キリスト教との出会いを通じた成長過程を描く。
物語終盤、塩狩峠を走行中の列車が坂を登りきれずに後退を始める。このままスピードが上がれば列車は峠を曲がりきれず、転落は免れない。
車内騒然となる中、居合わせた永野は線路に身を放り出して車輪の下敷きとなり、自らの命と引き換えに列車を止める。永野は結納のため、札幌に向かっている途中だった。
妻となるはずだったふじ子が、永野が命を落とした地に赴くシーンで、物語は終わる。
「自分は果たして永野さんのように在れるのか」ということを、読後おそらく誰しもが考えると思う。自己犠牲がもたらす影響。その事実によって生まれ変わる人、崩れ落ちる人。
それが果たして良いことなのか、残された者はどうすればいいのか。重すぎる問いを突きつけられながら、涙を溜めて本を閉じた。
しかし隣のおじさんが飲むビールは美味そうだったな。華金の話でした。
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9:42
電車がふたたび動き始めた。約2時間遅れてしまったけれど、無事に到着。目的地に向かいます。
昨夜の遅延では体調を崩された方も多いと聞く。
どうか元気になりますように。
鉄道関係者の方々もてんてこ舞いだと思うけど、無理せず頑張って頂きたい。
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