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APD/LiD 関連 【市議会】傍聴記

先日、APD/LiD 関連の奈良県議会傍聴記に ついてnoteを書きました。沢山の方に読んでいただき、感想もいただき、励みになりました。ありがとうございます。
まだお読みになられていない方は⤴︎リンクから飛べますので、是非ご一読ください。

奈良の県議会で「APDを知っていますか?」という声が響いたということが嬉しい、というご感想が多かったです。私も非常に感慨深いものを感じました。

ただ、そこへ辿り着くまでにはいろんな方のご理解、ご支援があってのことです。

以前ご紹介した、友人Eちゃんがいなければ、市議会議員の関本まさき議員にも繋がらず、関本議員が深刻にAPDの問題を取り上げようと思ってくださらなければこのような道には繋がらず、近畿APD当事者交流会の渡邉さんのご協力があったからこそ関本さんも深いAPDへの理解に至り、関本さんの調査で奈良県のボロが発見されなければ、県議会までは辿り着けなかったかも知れない、そして県議会議員の小林まこと議員がバトンを引き受け県議会という場でAPDのことを取り扱ってくれたという経緯があります。

感謝の塊です。


県議会では、知事の口から

  聞こえの必要のある子の情報保障を確保できるようにします
奈良県知事

という言葉で締め括られ、安堵した次第です。
ですが、それで安心・子どもたちの最新補聴援助システム導入、補助が保障されたという訳ではありません。

うちの当事者の末っ子が住む自治体での答弁をまだ聞いていないからです。

小林まこと議員の奮闘と功績のバトンを、関本議員はしかと受けていたのでしょう。

という訳で、昨日、奈良県大和郡山市議会を傍聴して参りました。

先日登場した原生林推しのw、Eちゃんにも確認したところ市議会も傍聴したいとのこと。この事態への関心を持ってくれて、本当に嬉しいです。
Eちゃん自身、社会的マイノリティー勢である発達障がいのある子ども達を一生懸命育てている母ちゃんです。(うちもですが)
うちの末っ子と、Eちゃんの末っ子が同学年ということもあり、また、関本議員とも親交が深いということもあり、他人事ではなかったのかも知れません。
いずれにせよ、恩に着せるようなことは片鱗すら見せず、積極的に手伝ってくれたのです。彼女はこの顛末には欠かせない人物です。
余談ですが、Eちゃんの上の子と、うちの長女は同じ中学で同じ吹奏楽部で同じサックスパートです(笑)この間まで無邪気な小学生同士だったのに、今や先輩・後輩関係になっているのがなんかウケます(個人的に)

そんなEちゃんとは、子どもとの関係、更に言えば発達傾向のある子どもへの育児の葛藤や奮闘を讃えあって励まし合って、時にはお互い弱音を吐いて、本当に


独特な世界観がそこにはありますw


はい。兎に角、Eちゃんには感謝を。

という訳で、Eちゃんと市議会に行って参りました。

新庁舎なので超綺麗な建物なんです。市役所。 Photo by E.


ここへ来るのは2回目。
1回目は関本議員と初対面で、APDのこと、補助がなくて困っていることなどを陳情した日となります。

今回は、その陳情が【一般質問】として、関本議員が議会で取り扱ってくれる運命の日となりました。

県がOK出した、が、市はNG…なんてことも、無いとは言えませんから、若干の緊張感はありましたが、もう関本議員の力量、誠実さ、行動力に説得力は信用するに充分足りるものだったので、緊張よりも、安心して応援できる立場だったという方が近い心境だったかもしれません。

受付で名前などを書き、検温などをして、傍聴証みたいなバッジを貸与されました。

議会は午前から始まっていましたが、失礼ながらも今回は本命である日本維新の会・関本議員の答弁に絞って予定を立てていたので、全ては傍聴できませんでした、が、
驚いたのは…傍聴席がどんどん満席になっていくという状況。
あれ。県議の時は貸切だったのに、なんか知り合い同士みたいなご高齢の方々が必死にメモ取りながら傍聴している。なんなんだこの光景は…!!

後で耳にしたところによると、某党等の応援団(?)みたいでした。熱心ですね。

関本議員の順番は8番目。


受付で配られた用紙で関本議員の内容を確認。
地域共生社会の実現について、および、聞こえの手助けが必要な子どもたちへの支援について、と書かれていますね。
この用紙を見ただけで、薄いA4の紙切れ一枚には思えない重さを感じました。

市議会の会議室へ入ると、新しい空間に質疑応答の声がマイクを通して響いています。
ちょうど午後の部が始まったところらへんだったでしょうか。
女性議員が質問、当該責任者(〜部長とか)が答弁という形なのですが、質問がある度に議員が挙手して、議長が指名して、議員が自分の番号等を発言して、発言台へ向かう、という妙に形式ばった光景でしたが、まあ、そういうものなのでしょう。

「ハイっ!」と威勢よく起立して発言台へ向かい、事前通告(議会でアドリブで質疑応答していたら時間かかってしゃあないし色々大変なので、ある程度のできる範囲内で議員役員内で質問・答弁の内容をシェアしています)通りの質問をし、ある程度予定されていた回答を指名された人が答えるという感じ。

県議会より規模も小さいし、議員数も居たのは20名。(うち、一般質問を行ったのは14名)なので、こじんまりとした雰囲気。

県議の時はめっちゃ主張していた発言タイムリミットを報せるデジタルタイマー(Lサイズ)も傍聴席から見る範囲では無く、ゆったりとした雰囲気。

APD(聴覚情報処理障害)当事者としての視点で書くと、騒音という騒音はほぼ無し。議員同士が時折耳打ちしたり談笑している姿は見られましたが、声は聞こえません。
強いて雑音として挙げるならば、議会への人の出入りの音、傍聴席の(知り合い同士の)話し声(☜禁止)、主に傍聴者の咳(一番気になったw)、そして空調の音。

県議会ではリアルタイム手話のモニターが傍聴席に設置されており、耳の不自由な方にも解りやすい配慮はされていましたが、以前も書きましたが要約筆記やデジタル字幕などもあるとAPD傍聴者は助かります。

市議会には手話モニターもありませんでした。ただ、静かな空間だったのは幸い。
新庁舎なんだから、後一歩バリアフリーを考慮に入れてもらいたかったなあ、スロープはあったのに。
まあ、もう出来ちゃった庁舎に文句言ってもしょうがないので、機会があれば要望を出したいです。予算あったら字幕出して〜、と。
速記さんも居たのですが、それこそデジタル化しても宜しいのでは…と言うと速記さんのお仕事がなくなってしまいますが。

すみません、本題に入る前に愚痴のような話になってしまいました。

関本議員の出番が来る前に2名の議員の一般質問があったのですが、長いw
なかなか、関本議員の番が来ないw
でも、他の議員さんの話も勉強になりましたよ。ああ、確かに。と心の中で首肯したものです。

そしてやっと、我らが関本議員の順番がやって参りました。YES!


と思ったら何故か急に空調の勢いがMAXになったっぽいw
はい?
と思ってたら他の議員さんたちも気になったようで、議長が誰かに空調の件を指示していた様子です。
暫くして空調が収まったのでホッと安心。肝心なところで聞き取れなかったら暴れるよ?私。そして退場させられるよ?

関本議員は名前を呼ばれると、シャキッと起立して、はい、とハッキリと反応し、深々と礼をして、質問台へと足を運びました。姿勢が良いなあ。(感想)


関本議員が事前通告で出していた議題は2つあり、1つは【地域共生社会の実現について】、これは市民同士の相互扶助、市民による主体的なボランティア等への参加、市民の市政への関心をエンパワーメントすること、また福祉事業等への市民の確保など、住みやすい地域を市民主体で作っていこうというような内容でした。

そして2つ目、これが、【聞こえの手助けが必要な子どもたちへの支援について】、APDに関連する議題です。

まずは新生児聴覚スクリーニング検査の実施状況、リファーの有無などを問われていました。それに対して、すこやか健康づくり部長(すごい部署)が、答弁し、色々対応はしているとのことでした。

少し飛びますが、学校における難聴児への対応という議題について、「補聴器を教育委員会の備品としている自治体もあるが本市はどうか?」との関本議員の質問に対し、教育部長が答弁、「本市では整備・貸与はしていない。今後、障害の程度、聞こえの発達に応じて対応していきたい。」とのこと。(良い感触)

関本議員の「相談がないので対応していないというのは残念」という言葉が刺さりましたね。『そうだそうだー!!』と言いそうになりました。危ない危ない。

次に、奈良県下でも、橿原、大和高田等、自治体によって手帳の有無に限らず柔軟な対応をしているという話があり、次にロジャーデジタル式補聴援助システムの説明に入りました。

「聞こえに難のある児童の話です」
関本さんの、全く眠気を誘わないハキハキとした口調での質問が続きます。

(手元に資料あるのにカミカミの議員さん結構いたのは内緒。)

ここで、APD・聴覚情報処理障害の概要が説明されます。そして、


「先日、APDのお母さんから相談がありました」

と、関本議員。


おお、私やんw
(事前に質問内容のこの流れが入る事は報告受理済み。)

耳は聞こえているが、聞いた情報を頭の中で処理するのが難しい、更に騒音下では聞き取りができない、例えば授業中などでは他の子が教科書を捲る音、鉛筆で走り書きする音など日常的なノイズが工事現場にいるような状況に陥ってしまう。
先生の言うことが聞き取れず、(*うちの子の事例ですが)周囲の子どもたちが「先生が○○って言ってるで」などと、配慮をしてくれているというエピソードは微笑ましい部分もありながらも、当事者である本人はストレスを抱えている筈です。
奈良県下では、軽中等度難聴児への手帳なしでの補助がある自治体もあるが、ロジャー(説明済み)に関しては奈良県では対象外でした。
ですが、先日行われた県議会で助成対象に含める、早ければ来年1月からとの答弁があったと聞きます。迅速な対応を求めたいところです。
そこで、市長に質問いたします。
APDの子も含めて、補聴補助システム制度を整える気はありますか。
関本まさき議員


(上記は走り書きのメモを参考に書いたので、実際に関本議員の言葉通りではない部分もあります。概要として参考にしてください。)


関本議員の白熱の質問に、市長が腰を上げ、登壇します。

(午前中の議会で話題になったらしい)ディスレクシアも名前は知っていたが、詳しくは知らなかった。この度のAPDも同様。
障害の名前が多様化しているということだと思う。
何より大切なのは、1人として同じ人はいないという事。個別に具体的な対策をとることが大事。
ロジャーの件も含め、全ての関本議員の事案に柔軟に対応していきたい。巨額な予算が必要なものは別として、可能な限り対応したい。
障害は一つの【個性】という視点で啓発、教育活動に活かしていきたい。
市長

ほぼ模範解答やん。

いやでも、「うん?」と感じる部分もあるっちゃあるのですがw
まあ、お年を召した市長というステータスのある人ですから、そんなに深い理解が無くても驚きはしませんが。
障害の名前が多様化、障害は個性、これは議論の余地がありそうですが、ここでは割愛しましょうか。

APD、およびロジャーという機器の助成について前向きな答弁が聞けたこと、本当に心から嬉しかったです。
是非今後とも、啓発・教育活動に活かして下さい。(市長宛)

この後の関本議員の話がとても重要だと感じたので記載します。

【聞こえ】という狭い分野ではあるかもしれません、ですが、小さいことをおろそかにして、大きな理念は遂行できません。
手帳がないからダメ、基準に満たないからダメ、ではなく、【必要かどうか】という観点が福祉の実現に繋がるのではないでしょうか。
APDに関してはまだ認知度も低く、耳鼻科界隈でもまだまだ知れ渡っていません。また、自分の特性を知らないで困っていらっしゃる方もおられると思います。今後周知・啓発はすべきだと考えております。
関本まさき議員


この言葉以上に、私達当事者、および当事者の親が共感する言葉があるでしょうか。
この言葉は、関本議員から発信された、オリジナルの発言です。私が何か圧をかけたりした訳じゃありませんw
これほどまでに寄り添って、考えて、発表して下さり、そして良い結果に結びつけて下さり、私はどうしたら良いのでしょうか。(自分で考えろ)


嬉しくて、言葉で表現するのに難を感じております。

先日zoomのオンラインAPD親の会で、ロジャーを実際に使っているAPDのお子さんのお母さんから、モニター越しにロジャーを見せてもらい、生活の質が上がっているというお話も聞きました。
うちの三女も、いつの日か、1日でも早く、そこに辿り着ければ、学校でのストレスなども緩和されると期待しています。当の本人が、今より聞こえがより良くなることを切望しているのです。

光が見えてきました。結構ハッキリと。

願わくば1月に遡及して、早々に対応してもらえるようになる事を願っちゃってもいいかな。欲張りすぎかな。

まだ、県・市・家庭でどのような基準・規定を定めていくのか等具体策はでていないと思うので、課題は山積みです、が。

1日でも早く、子どもの反応を見てみたい。それが本音です。

議会が3時の休憩に入った途端、関本議員が傍聴席まで挨拶に来てくださいました。どこまでも律儀な方です。
そしてお忙しい中、お時間いただいて、少しお話しさせていただきました。
ベテラン議員さんからおすすめされて、

応接室!わお。

そこで、関本議員とEちゃんと私で少し談話をさせていただき、関本議員は続きの議会へと戻られ、私とEちゃんは


ちょっと特性的にジッっと座っているのが限界で😅

議会から退出させていただきました。(興味ある議題はあったのですが、今後配信されるそうなのでそれでチェックしてみます。)

関本まさき議員、本当にありがとうございました。


最後に、ここまで協力して下さった方を再度ご紹介させていただきたいと思います。

友人Eちゃん、本当にありがとう。原生林、明後日楽しもうね。いつも感謝です。
県議会議員小林まこと議員、優しい声で「APDを知っていますか?」と発言していただいたこと、一生忘れません。
市議会議員関本まさき議員、最初から、積極的に寄り添い理解を深めて支援してくださったこと、感謝してもしきれません。いつか子どもがロジャーを装着して喜んだら、報告に伺います。県の方でもご活躍されることを確信しております。

県知事、市長、各部責任者様、等々、ご理解に至ったことを嬉しく思っております、ありがとうございます。今後も福祉重視および拡充を宜しくお願いします。

それでは、県議会傍聴からの、市議会傍聴記録、ここで終わりにしたいと思います。
また今後アップデートがあれば、記事にしますね。

1人の、ひとつの声が、人を伝って県に響くこともある。

それが伝わると嬉しいです。

最後まで読んでくださった方々、どうもありがとうございました。
私達市民も、市政、行政にも積極的に関心持っていきましょうね ☻

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