晴紀

詩と絵本と、映画がすきです。 たまに、エッセイを書きます。 児童精神科、

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記事一覧

ラブソファに、ひとり

“なぜか、ふたりがけだけが、ラブソファなのだ。 ひとりにも、三人にも愛はつかないのに、ふたりなら自動的に愛になる。” 「だってさ、あんな若造りしたおじさんがさ、…

晴紀
4週間前
9

魂のいちばんおいしいところ

“そうしてあなたは 自分でも気づかずに  あなたの魂のいちばんおいしいところを 私にくれた” 夜、眠りにつく前には、詩を読むことにしている。 たまに絵本だったり、…

晴紀
1か月前
12

マイ•ブルーベリー•ナイツ

“何がいけないの?” “理由なんて何も。パイのせいじゃなく注文がない。選ばれないだけ。” “マイ•ブルーベリー•ナイツ”という映画の中で、 何故かカフェでブルー…

晴紀
2か月前
5

夜間飛行

“愛されようとするには、同情さえしたらいいのだ” ふらふらの頭のまま、部屋の本棚に置いてあった本をテキトーに引き抜いて勢いのままに開いたら、ページの初めに書いて…

晴紀
2か月前
12
ラブソファに、ひとり

ラブソファに、ひとり


“なぜか、ふたりがけだけが、ラブソファなのだ。
ひとりにも、三人にも愛はつかないのに、ふたりなら自動的に愛になる。”

「だってさ、あんな若造りしたおじさんがさ、カッコつけたスーツとか着てさ、
愛だのセックスだの語ってるんだよ、女の人になってみたり、イケイケな若い人のフリとかしてさ。
そんなのが好きなわけ。」

以前、大人の病棟に居たとき、高校生の女の子に、石田衣良がすき、と言ったら、言われた台

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魂のいちばんおいしいところ

魂のいちばんおいしいところ

“そうしてあなたは 自分でも気づかずに 
あなたの魂のいちばんおいしいところを
私にくれた”

夜、眠りにつく前には、詩を読むことにしている。

たまに絵本だったり、エッセイや小説なこともあるけれど。

一篇二篇、ゆっくり読むと、
外に向けて張っていた気が、すっと緩んで、
からだの中が、じんわりあたたかくなって、
息がゆっくり出来るような感じがするのだ。

色んな詩人がいるけれど、
特に谷川俊太郎

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マイ•ブルーベリー•ナイツ

マイ•ブルーベリー•ナイツ


“何がいけないの?”

“理由なんて何も。パイのせいじゃなく注文がない。選ばれないだけ。”

“マイ•ブルーベリー•ナイツ”という映画の中で、
何故かカフェでブルーベリーパイだけ殆ど手付かずで売れ残る、という話の中での台詞だ。

この映画を観た後、1週間はずっと、
ノラジョーンズの“The Story”を聴いていたと思う。

ウォンカーウァイという監督が好きだ。

内容はどれも、どこか残酷で、救

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夜間飛行

夜間飛行

“愛されようとするには、同情さえしたらいいのだ”

ふらふらの頭のまま、部屋の本棚に置いてあった本をテキトーに引き抜いて勢いのままに開いたら、ページの初めに書いてあった。
サン=テグジュペリの『夜間飛行』、いつ買ったんだったか、最後に読んだのはいつだったか。

頭がふらふらするのは気圧のせいか、貧血なのか、微熱からかよくわからないけれど、

とにかく、走り続けていたら急に熱がでて、
原因も不明だけ

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