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UXデザイナーが経営で挑戦したいこと

こんにちは、Jamiです。この度、丸井グループ(以下、丸井)とグッドパッチ(以下、Gp)でジョイントベンチャー、株式会社Muture(ミューチュア)を設立することになり、私自身も執行役員として会社経営に挑戦することになりました。
※ 4月末の登記完了後に正式就任予定です。

今日は自分のMutureにかける思いの断片を書き殴ります。ためになる話こそありませんが、未来の仲間や、同じように経営というものに向き合うデザイナーの皆さんに読んでいただけたら嬉しいです。

始まりは突然のMTG

2021年10月22日、Gp取締役の松岡さんから「軽く雑談したいです」というタイトルの予定が入りました。当時丸井グループとの合弁会社設立についてはインサイダー情報のため、社内では一切共有されておらず、内容については想像もできませんでした。Gpは経営メンバーと非常に距離が近く、気兼ねなく話せる存在ではあるものの、普段業務であまり関わることがなかった松岡さんからの招待に、私の何かの言動がハラスメント扱いになって呼び出されてしまったのかもしれない、などと内心怯えてMTGに望んだ覚えがあります。やましいことは本当に無かったのですが。。。

体育館裏の雰囲気が出ていた予定

いざMTGに望むと具体的情報は伏せつつも「とある企業とジョイントベンチャーを作るとして、Jamiさんが出向して挑戦したい気持ちはありますか?」という内容で、驚きもあり、嬉しさもあり、前のめりになりその場でぜひ挑戦したいという意思を伝えた記憶があります。

これまでのキャリアにおいて一番大きな挑戦機会ですが、ためらいなく即答できたのは当時、挑戦機会を求めている自分をはっきりと認識していたからだと思います。これについては以下の記事で以前触れましたが、Gpにおいて自分の取り組むテーマを見つけることが必要だし、その機会が有った時に絶対に逃さないという明確な意思を持っていたからだと思います。

なりたい姿を描き山登り型でキャリア形成をされている方を心から尊敬しますが、私にはその姿や道筋を描く力、さらにはそれに向かい着実に歩む力がありません。必然的に川下り型のキャリアを歩むことになりますが、川の分岐点で思い切って決断する力と、その決断を後悔せずに邁進する、ということが川下り型には必要な力だと思っていますし、私自身これからも大事にしていきたいと思っています。

一瞬で過ぎ去った準備期間

その後、丸井・Gpで人選が行われ5人の創業メンバーが集まることになりました。2021年12月23日にオンラインで初顔合わせがあり、以降圧倒的な量のコミュニケーションをとりながら、4ヶ月超の期間を走りぬけ、4月14日にMuture設立を発表するところまで至りました。

理念・社名・ビジュアルなどブランドのことや、P/Lや初期の案件選定などの事業計画、バックオフィスのことなど、決めなければ行けないことが山のようにあり、ここまで人生で大量の意思決定コストを投じた期間は初めてのことだったと思います。振り返ると年末年始もMutureのことばかり考えていたし、全く休まるタイミングがなかったなという感覚です。

リリース当日の様子。入念な準備をするも、分単位でギリギリの進行に。

そんな激動の4ヶ月を過ごす中で共に立ち上げの準備をしていた @takayukishibao さんから「みんなにとって経営って何?」という問いをもらったことがあります。

自分の中の経営って何? に向き合う

経営理念、事業戦略、ビジネスモデル、ファイナンス、KPI管理、社会貢献などそれぞれに言及したら際限なく語れてしまうほど広い領域を指す言葉ですし、私たち執行役員はその全てに取り組まなければなりませんが、その問いをもらった時に言語化していく中で、自分の中では特に人や組織について思いが強い事を認識しました。Gpは本当に良い人材が集まる強い組織ではあると思うものの、課題は尽きないし、また違ったアプローチで組織づくりに取り組んだらGpにも何か還元できるのでは無いか、との思いもありました。

設立記念にあたるこのnoteでは、もう少しだけその部分について書いておきたいと思います。

UXデザイナーとして大切にしていること

あらかじめのお断りとして、UXデザインの定義というような、難しいテーマを本稿では扱いません、あくまで私がUXデザインに携わる中で思うところを書いていきます。普段の仕事の中では、体験を通して得られる価値というものはユーザーのものであり、私はユーザーの体験そのものをデザインしてる訳ではなく、あくまで「その価値を得ることができる」環境をつくるだけ、その価値を取るもとらないもユーザーの自由だと考えています。

Gpのメンバーと、昨年UXデザインのフレームワークを構築しましたが、その際にも価値はユーザー側に享受するかどうかの選択権があるため「できる」という表現になるが、体験は選択肢として提示された価値を享受した状態になるので「する」という表現になると結論づけて進めました。

その上で私は、ユーザーがその価値を得ることで生活が少しでも豊かになればと切に願い、その環境をデザインすることに向き合ってきました。

組織における「できる」をデザインする

「する」をデザインするのではなく「できる」をデザインする、これはMutureの思想を作るときにも強く意識した点です。私たちは均衡・包摂・循環という言葉をわたしたちの是として掲げています。その中でも包摂は個を解き放ち多彩な文化を育む環境を作ることを目指しております。ですので、組織施策もそれぞれの個がしなやかに活躍できる環境をいかに作り上げるのかという視点で議論を重ねました。

わたしたちの是

例えば、評価の要件はスペシャリストとマネジメントのデュアル・ラダーにして設計しています。自身がキャリアに向き合いながら、歩みを決めることができる環境を用意するという意思です。一方でこれは、将来的なマネージャー人材の育成に苦心するリスクを取るという意思決定でもあります。そのリスクを理解した上で、組織を成り立たせ事業を伸ばしていくことが、経営責任であると、今時点では考えています。

経営者として取り組みたいこと

多くの経営者は、社員が働く中で喜びを得て幸せになる事を願っていると思います。

余談ですが、私自身は過去全くそうではない会社で働いていたこともあって、それはそれで反面教師的に良い経験になりました。もし当時の私のように今の会社に絶望している方がいらっしゃったら、私たち自身が世の中そんな会社ばかりではないという希望になれればと思いますし、良い会社を増やしていきたいとも思います。

話を戻しますが、社員の幸せに向き合いきれないもどかしさを抱えている経営者も多いのではないかなと思っています。福利厚生の充実や社内制度の整備など、やればやるほどコストはかかるし、事業目標への直接的な影響を説明することは難しいものです。やりたいのに、やれない、厳しい現実と向き合っている中での苦しい決断も多いと思います。

そのようなお題を前にした時、先のマネージャー人材の件のように、良い面だけではなく裏に隠れたトレードオフも解像度高く理解すること、そしてその上でそれを乗り越えていくような仕組みを作ることで、メンバーのあらゆるできるを実現する環境を構築したいと思います。

Mutureの経営を担うものとして、責任を持ってこれを遂行し、1つでも2つでも組織としての学びを勝ち取り、丸井・Gpに還元していく未来を作る。さらにはそのトレードオフを乗り越えられる会社を増やし、幸せに仕事をする人を世の中に増やしていく、ということをここに記し、私の所信表明としたいと思います。

Mutureでは一緒に組織を作っていってくれるメンバーを募集しています。均衡・包摂・循環に共感した、単純に私と話してみたいと思っていただいたなど、理由はどんなものでも構いません。カジュアルな形での面談もお受けしていますので、少しでも気になったらTwitterのDMでもいただけるとめちゃくちゃ嬉しいです!

UXデザイナー募集中です!



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