見出し画像

米国でZSJLデジタル発売開始当日にザックのスキャンダル記事が公開され炎上

Twitterで海外のアカウントを中心に炎上しました。

Rolling Stoneに掲載された記事が発端です。

同ウェブサイトは登録制になっており、無課金の私は一度しか読めませんでしたが、公式アカウントがTwitterに掲載している部分があるので、そちらを引用しながら見ていきます。

▼記事の内容(主旨):

昨年5月からデジタルで個別に販売されていた日本と異なり、米国ではZSJLのデジタル版はHBO Maxのサブスクリプションでのみ視聴可能でした。しかし昨年3月のリリースから16ヶ月経ってついにデジタル発売がされることになりました。そんなお祝いムードに水を差すような記事がネットにアップされました。

【独占記事】スナイダーカット公開運動が盛り上がった背景にボットと捨てアカの活用があった:ワーナーメディアの報告書より

https://twitter.com/RollingStone/status/1549196920953921537

タイトルはこの通りで、2017年以降ファンがTwitterを中心にSNSで繰り広げた盛大なReleaseTheSnyderCut運動について、WanerMedia社が実施した調査結果を紹介する記事です。(*当時のWarnerMedia社はスナイダーカットに否定的な態度でした。)

記事によると、通常Twitterでは約5%以下がボットなどの「実体のないアカウント」だとされているのに対して、ハッシュタグ #ReleaseTheSnyderCut を投稿していたアカウントでは約13%がボットのように振る舞っている、とのことです。

WarnerMediaに依頼された調査会社がどのような根拠でボットだと判断したのか記載がないので何とも言えないのですが、私自身一時期(特に2019年頃のZSJLの公開が発表される前)は熱心に投稿していて、それこそ「これって人間ボットじゃねえか」と自嘲する時さえあったので、この結果にはさもありなんという印象です。実際に技術に詳しい人の中にはボットを作成していた人も居たでしょうし、そもそも「ハッシュタグを使って声を上げているアカウント」を対象に調査しているわけですから、もともと自由な言論活動の場であるTwitter全体と比較すれば割合が上がるのは当然でしょう

それに、このようなボットなどの技術を使ったトレンド醸成は他のエンタメ作品でも実行されているであろうことが容易に想像できます。たまたまSNSで連戦連勝してきたZSJLが槍玉に挙げられているだけで、他の作品やトレンドに対しても同じ調査をしたら同じ結果(botが検出される)になるでしょう。政府与党のスキャンダルをやたら批判する野党にもスキャンダルを起こす議員は居るのと同じ構図ですね。勝っているからこそ叩かれやすいだけです。

さらに言えば、当時のWanerMedia社はZSJLを潰したい立場だった(ザックをDCEUの総合監修から外した取締役が複数人存在した)ので、調査結果をそちらに都合よく解釈して報告書にまとめた可能性もあります。数字は嘘を吐かないが、嘘を吐く人は数字を使う、という有名な格言がありますね。

しかし、炎上したのはこの部分ではありませんでした。

▼炎上した部分:

炎上したのは枝葉の部分として書かれた内容でした。

我々は20人以上の2017年版ジャスティス・リーグと2021年版ZSJLの両方に関与した人々に聞き込みを行い、彼らの多くは監督(ザック)が実行中のキャンペーンを裏で操作していると確信していた。

スナイダーは「あくまで、もしも誰かが居るとすればの話だが」と断った上で、糸を引いている人物はワーナー・ブラザース側だと主張した。

これは補足しておきましょう。記事の中でザックの「ワーナーが儲かると判断したからZSJLのプロジェクトにOKが出た」という発言がピックアップされていました。ザックをDCEUから除外したい取締役が居たのは事実ですが、一方でザックを戻したい取締役も存在していただろうことは十分に想像できます。Rolling Stoneの取材で20人が反対だったと…なるほど、では賛成だった人はどのくらい居たのでしょうか?

このツイートだけ切り取るとまるでザックが陰謀論を言ってるみたいですが、実際には「あなたがSNSを操作しているという声があることについてどう思いますか?」と訊かれたから「僕はやってないよ」と答えた。そしたら「じゃあ誰なんですか?」と食いついてきたから「もし誰かがやってるとしたら他の誰かだろう」と答えただけでしょう。こんな煽るような書き方をして、本当にSNSを騒がせようとしてるのはRolling Stoneの方じゃないですか?

2020年の春。ザック・スナイダーは何度も2人のプロデューサー(ジェフ・ジョンズとジョン・ベルグ)の名前をZSJLから除外するように要求した。

伝えられるところでは、6月に彼はある取締役に対して「彼らをソーシャルメディアでぶっ潰してやる」と脅迫することを宣言したらしい。(ただし証拠はない)

allegedlyという単語が入っているので、この一文には「証拠がない」ということになります。伝聞と憶測だけで何を書いてるんでしょうか。これがRolling Stoneに掲載される程のプロのライターの仕事なんですかね?

https://twitter.com/RollingStone/status/1549201081841995780

ザック・スナイダーはどんどん取り乱すようになった。2020年の春に数週間にわたって2人のプロデューサー(ジェフ・ジョンズとジョン・ベルグ)の名前を来るべき彼の再編集版『ジャスティスリーグ』(2017年に一度公開されたDCヒーロー映画)から除外するように要求した。彼が雇った消費者庁のエージェントが毎日ワーナー・ブラザースになぜ2人の名前がクレジットから除外されないのか確認する電話をかけた。同時に、スナイダーの妻であり、同作のプロデューサーでもあるデボラは、スタジオのストーリー部門の取締役に対して同様の圧力をかけ始めた。(スナイダーは、夫婦で揃って「スタジオに問い合わせ」をしたのはジョンズとベルグに「個人的に懇願」した後であったと、インタビューで認めている。)そして2020年6月に、スナイダーはそれを勝ち取った。この件についてよく知る複数の情報提供者らは、スナイダーはスタジオのポストプロダクションの場においてある取締役に向き合い、「ジェフとジョンは名前を消すことに抵抗している。こうなったら彼らをソーシャルメディアでぶっ潰してやる」と脅迫するこを宣言したと語る。

このRolling Stone公式アカウントがTwitterに掲載した切り抜きでは触れられていませんが、記事の別部分にはスナイダーの「Geoff Johnsジェフ・ジョンズJon Bergジョン・ベルグはZSJLのプロジェクトに賛同しなかったからプロデューサーのクレジットから除外した」という発言があったことを補足しておきます。

ここで一度、ここまで何度も名前が出ている2人について補足しておきましょう。どちらも2017年のジャスティスリーグ制作時点でプロデューサーを務めたWBの取締役だった人物です。スナイダー解雇とジョス・ウェドン加入を推し進めた人物で、同じく当時取締役のウォルター・ハマダと合わせてレイ・フィッシャーから告発された人物でもあります。フィッシャーの告発を受けてJon Bergジョン・ベルグは謝罪コメントを発表しましたが、Geoff Johnsジェフ・ジョンズは現在までノーコメントを貫いています。

ジェフ・ジョンズがDCEUにどのように関わってきたのか詳しくは別記事にまとめたので気になる方はそちらもご覧ください。ジョンズとスナイダーのパワーゲームだったと解釈するとDCEUのゴタゴタは一気に分かりやすくなりますよ。

▼あまり炎上してない部分:

Rolling Stoneの記事に話を戻します。

Rolling Stoneも契約している2つのソーシャルメディア調査会社は、(当時のWarnerMediaに依頼されて)スナイダーヴァースを支持するコミュニティが盛り上げているトレンドの解析を行なった。
そのうちの1社が言うには、「ザックはまるで大災害をもたらすレックス・ルーサーのような男だ」とのこと。

このnoteでも最初に言及しましたが、この記事のタイトルに該当する部分はこちらです。Rolling Stoneの記事本文ではbotらしき言動をしているアカウントの割合などを根拠として説明しています。

このツイートではわざと分かりにくく書いてますが、たまたまRolling StoneとWarnerMediaがネット関連で同じ調査会社と契約しているだけで、記事はあくまでWarnerMediaに提出されたレポートを根拠としており、Rolling Stoneが独自で調べたものではありません。

上述の繰り返しになりますが…

>WarnerMediaに依頼された調査会社がどのようにしてボットだと判断したのか記載がないので何とも言えないのですが、私自身一時期(特に2019年頃のZSJLの公開が発表される前)は熱心に投稿していて、それこそ「これって人間ボットじゃねえか」と自嘲する時さえあったので、この結果にはさもありなんという印象です。実際に技術に詳しい人の中にはボットを作成していた人も居たでしょうし、そもそも「ハッシュタグを使って声を上げているアカウント」を対象に調査しているわけですから、もともと自由な言論活動の場であるTwitter全体と比較すれば割合が上がるのは当然でしょう。

>それに、このようなボットなどの技術を使ったトレンド醸成は他のエンタメ作品でも実行されているであろうことが容易に想像できます。たまたまSNSで連戦連勝してきたZSJLが槍玉に挙げられているだけで、他の作品やトレンドに対しても同じ調査をしたら同じ結果(botが検出される)になるのが目に見えています。政府与党のスキャンダルをやたら批判する野党にもスキャンダルを起こす議員は居るのと同じ構図ですね。勝っているからこそ叩かれやすいだけです。

>さらに言えば、当時のWanerMedia社はZSJLを潰したい立場だった(ザックをDCEUの総合監修から外した取締役が複数人存在した)ので、調査結果をそちらに都合よく解釈して報告書にまとめた可能性もあります。数字は嘘を吐かないが、嘘を吐く人は数字を使う、という有名な格言がありますね。

もう本当にこんな感じです。

スナイダーヴァース包囲網の下準備は2020年までにほぼ完了していた。

ある情報筋がRolling Stoneに伝えた所によると、スナイダー監督は2016年にデジタルマーケティングの会社を雇ってファンの声の高まりを作ろうとした。これは『バットマンVSスーパーマン』が批評家に激しく非難された時のことである。なおスナイダーはこれについては否定している。

この部分はもう、本当に、有る事無い事好き勝手に書いてるだけの印象を受けました。

真面目に取り扱うのも馬鹿馬鹿しいですね。

暴力的な描写が多いスナイダー作品には、ファンの中にも攻撃的な性格の人が集まりやすいとう一面もあるようで、一方で大胆なアレンジは熱心なアメコミファンを中心にアンチを作りやすいという側面もあり、そういう過激なファン同士が激しく口論したり陰謀論だと息巻いたりしてるだけ(実際に英語のスレッドを読んでると両陣営とも結構キツイことを言ってます)なのに、ザックのパーソナリティまで話を混同しないで欲しいです。

▼この記事を書いた人物:

そもそも、このアホ記事を書いたのは誰だ?

と思ってたら、レイ・フィッシャーが画像付きで投稿してくれていました。(笑)

なんてファンに寄り添ってくれる、頼りになる男なんでしょう!

【独占記事】オワコン記者 ( @TatianaSiegel27 ) がZSJL(Zack Snyder’s Justice League)のデジタル発売を悪意あるスキャンダル記事で覆い隠すことに失敗しました。ワーナー・ブラザースは嘆いています。

情報筋によると、この記者は2021年にも虚偽の記事を書いたことでいまだに叩かれているとのことです。

2022年7月19日

ザック・スナイダーは決してキアシー・クレモンズをジャスティスリーグから解雇していません。
@TatianaSiegel27 と @TheHollywoodReporter におかれましては、速やかに情報元をチェックして記事を修正されることをお願い致します。

2021年3月11日

彼の投稿のおかげで、今回のRolling Stoneで「ザックがスタジオと取締役を脅迫した」と書いたライターは、21年の3月にThe Hollwood Reporterで「ザックがクレモンズを解雇した」と誤報を書いたライターだということが分かりました。

この時点で記事に対する信用度はガタ落ちです。(笑)

今回も誤報だったとしたら、どちらもタイトルとは無関係の部分で嘘を混ぜ込んでいるということになります。まったく、やり方が汚いというか、ウンザリしますね〜…

2021年3月 @ハリウッドレポーター
クレモンズがフラッシュ新作に出演するよ!(タイトル;真実)
ザックが彼女をJLから解雇した(本文のみ;虚偽)

2022年7月 @ローリングストーン
Twitterでボットが検出されたよ(タイトル;たぶん真実)
ザックが脅迫してたよ(本文のみ;??)

なおどちらも米国でZSJLが公開される直前(21年3月はHBO Maxでの配信開始、22年7月は単体でのデジタル販売開始)です。意図的にスキャンダル記事をぶつけに来ていることが分かります。ザックの作品がヒットすると困る誰かが仕向けているのかしら?(笑)

▼海外アカウントの反応:

この記事を受けて海外アカウントが反応しているものからいくつか面白いものをピックアップしてみます。

へい、ローリングストーン。君は本物のボットキャンペーンを見たことがあるかい?

https://twitter.com/Stuntman_MIK3/status/1549318220762550274

貼られているのは2015年に見られた『バットマンVSスーパーマン』を批判するネガティブキャンペーンです。大量のユーザーがほぼ同じ文言で投稿しており、これはどう見てもロボットでしょう。誰が糸を引いていたのでしょうか。(笑)

ローリングストーンはワーナーのスナイダーカット運動の13%はフェイクだという記事を出していたが、これを見たら笑ってしまった。

https://twitter.com/therealsupes/status/1549470489910726656
Rolling Stone のフォロワーの24%はロボットである。
Warner Bros. のフォロワーの33%はロボットである。

盛大なブーメランになってますね。(笑)

さらにスナイダーヴァース支持派の有力アカウント『スナイダーヴァースのゲラルト』は以下のようにツイートしています。

フィオナはワーナー・ブラザースの公式イベント(DCファンドーム)のパネル出演者でもある。これはローリングストーンに法的な措置が取られるかもしれない。

https://twitter.com/Itssan17/status/1549231622636965888

このようにツッコミ所満載で海外アカウントからはオモチャにされています。記事を書いたライターも、掲載OKを出した編集者も仕事のキャリア的に大丈夫なのでしょうか。(笑)

へい、ローリングストーン、これを見て。(私はロボットではありません)

https://twitter.com/benbattinsonv5/status/1549853300115222528

このようにメンションを付けて「自分はロボットです/ロボットではありません」と呟くのが静かなブームになっているようです。もう止めてあげて。(笑)

▼私の感想:

https://twitter.com/RollingStone/status/1549199006663843841

ザック・スナイダーは馬鹿じゃないですよ。(笑)

ザックは暴力的な映像表現に傑出していますが、実生活や映画制作の場面では他者に対してそのような攻撃的な(または脅迫めいた)ことを言うような人物ではありません。ザック本人、またはザックと仕事を共にした人達のインタビュー記事や撮影舞台裏の映像を見ていれば、それを裏付けする事例が沢山出てきます。

ワーナーに捨てられた後に、なぜ彼はネットフリックスで自由な仕事環境をゲットできたのか、なぜ彼は今でもクリストファー・ノーラン監督と仲良く仕事を進めているのか、読者の皆様も考えてみてくださいな。

了。

最後まで読んでいただきありがとうございます。ぜひ「読んだよ」の一言がわりにでもスキを押していってくださると嬉しいです!