真の映画ファンなら日本アカデミー賞よりも『毎日映画コンクール』ですよね。
日アカのように「人気投票」や「マスメディアの力学」で決まっている映画賞と異なり、現場のリアルな声が強く反映されている結果は毎年本当に楽しいです。
▼結果発表(2024年):
日本映画大賞:『せかいのおきく』(阪本順治監督)
日本映画優秀賞:『ほかげ』(塚本晋也監督)
外国映画ベストワン賞:『TAR/ター』(トッド・フィールド監督)
男優主演賞:鈴木亮平『エゴイスト』
女優主演賞:杉咲花『市子』
男優助演賞:宮沢氷魚『エゴイスト』
女優助演賞:広瀬すず『キリエのうた』
スポニチグランプリ新人賞(男性):アフロ『さよなら ほやマン』
スポニチグランプリ新人賞(女性):サリngROCK『BAD LANDS バッド・ランズ』
監督賞:石井裕也『月』
脚本賞:阪本順治『せかいのおきく』
撮影賞:鎌苅洋一『月』
美術賞:上條安里『ゴジラ-1.0』
音楽賞:ジム・オルーク『658km、陽子の旅』
録音賞:志満順一『せかいのおきく』
アニメーション映画賞:『アリスとテレスのまぼろし工場』(岡田麿里監督)
大藤信郎賞:『君たちはどう生きるか』(宮崎駿監督)
ドキュメンタリー映画賞:『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』(寺田和弘監督)
TSUTAYA DISCAS映画ファン賞・日本映画部門:『劇場版 美しい彼~eternal~』
TSUTAYA DISCAS映画ファン賞・外国映画部門:『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
田中絹代賞:薬師丸ひろ子
特別賞:鈴木敏夫(スタジオジブリ プロデューサー)
▼感想:
なんでもかんでもアメリカに倣えの日本アカデミー賞と異なり、ちゃんと日本の映画関係者が自分のアタマを使って考えて選考していることが窺い知れるラインナップで納得感があります。
特に海外で爆売れしているからという理由だけで国内映画賞まで総ナメにしているゴジラマイナスワンをここまで冷遇できるのが凄いです。あれはエンタメ作品としてはレベルが高いものでしたが、アート作品としてはこのくらい(ノミネートはされても受賞は逃す)が妥当な評価でしょう。
主要部門を制した『せかいのおきく』『ほかげ』『月』『市子』は全部気になってたんですけどスルーしてしまったので少し後悔ですね。サブスク等に来たら是非観たいと思います。
しかしノミネート作品に私がお気に入りの『世界の終わりから』『少女は卒業しない』『山女』が無かったのは納得できないですねー。特に撮影賞には絡んでほしかったと思います。
あと『リバー、流れないでよ』もどれかに食い込んでほしかったです。ああいう戯曲を映画化したような脚本はあまり好かれないんですかね。外国映画に『ホエール』が無かったので、そんな気がします。
(了)