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海面の潮の満ち引きが地震に影響があるそうですが、プレートの中の水溜りは地震や海中、地表にどんな影響がありますか?

そらみさん(小学校1年生)からの質問
(回答:高知コア研究所 濱田)

いやあ、よくご存じです。すごい質問ですね。潮の満ち引き、そしてその満ち引きの原因となっている月の引力が地震と関係しているのでは?というのはとても最近の研究トピックです。どうも、月の引力が強い日に大きな地震が起きやすくなるかもしれない、というところまではわかっているようです。この月の力によって地面の中の圧力がほんのすこしだけ変わるのですが、それが地震を起こす「最後の一押し」、になるのではないか、と言われています。
 
さて、海底下の水たまりとはどんなものでしょうか?地面にある水たまりのように、手ですくえそうな姿ではありません。岩や砂つぶの隙間をうめるようにひっそりと存在しています。ガラスコップに砂場の砂をいれ、その上から水を少しそそぐ、というのを想像してみるといいかもしれません。海底下の砂つぶと砂つぶの小さなすきまの水にも微生物が暮らしていたり、温泉のようにさまざまな成分も溶け込んでいます。
 
この水たまりは地震がおこるプレートとプレートの境目(断層)あたりにもあると考えられています。実際、高知県の室戸沖の掘削では、この水たまりから噴き出してきた水のすがたをとらえることができました。もし断層に水がたくさんふくまれていたり、この水に力がかかったりすると(水の圧力が変化すすると)、断層が壊れやすくなって地震がおきたり、断層がすべりやすくなって地震の大きさが大きくなったりすることがわかっています。なので、海底下の水の様子をじっくり見はっておくのは、とても大事なことなのです。

参考サイト

南海トラフのスロー地震震源域近傍に高圧の間隙水帯を確認
-スロー地震発生のメカニズム解明へ前進-

JAMSTEC BASE

話題の研究 謎解き解説 ~回転式高速摩擦試験機の開発~