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【海街diary】広瀬すずの母親への反抗と綾瀬はるかへの復讐

すずが鎌倉の家にきて、長女幸(綾瀬はるか)に再び会う。そこで会った幸は、長女ではなく母親の役割を果たす3人目の“母親”であった。
三姉妹の住む家に来ると、すずはいきなり長女の幸に命令口調で指示されてしまう。好意で昼食の手伝いを申し出たすずであったが、「すずはいいから、荷物の整理しなさい」と幸に言われてしまうのだ。

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鎌倉の家に到着早々に、幸が母親ヅラしてきたとき、すずの心中はどうだったのだろうか?
すずにとって、“母親”である幸は、生みの母親、その母親亡き後に「お父さん」が再婚した後妻である母親、に続く3人目の母親である。
そもそも、すずは“母親”に対して複雑な感情を抱いている。生みの母親は、自分を産み育ててくれた実の親である一方で、他人の家庭を壊して妻子ある男を奪ったという世間的には許されない人であり、そのことですずが居づらさや生きづらさを感じる原因にもなっている。その次の母親は頼りなく、すずが鎌倉に行くのにたいして引き止めなかった程度の母親なのである。
だから、母親ヅラする幸には、無意識に距離を置くような態度になっていたのではないだろうか。

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映画の後半で、すずが幸に「奥さんのいる人を好きになるって良くないよね」と台所で言うシーンがある(上掲)。この強烈な一言は、幸の不倫を知ってわざと言っているようにしか見えないのだ。この時のすずの顔が一方的に母親ヅラしていた幸をやり込めているような冷たい良い顔なのだ。すずが鎌倉の家に来た初日の幸とのやり取りはこの強烈な一言への伏線だったのだ。

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