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ミュージシャン『デヴィッド・ボウイ』について - 絶えず変化し続ける音楽性⑤1993~2003

『デヴィッド・ボウイ、絶えず変化し続ける音楽性』5回目の投稿です。

過去の記事投稿はこちら。

1992/04/24

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ソマリア出身のファッションモデル『イマン・モハメド・アブドゥルマジド』と再婚。

1993年

18thアルバム『ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ』リリース

※18thの表記は『ティン・マシーン』名義でのアルバムを含んでいません。

プロデュース
・デヴィッド・ボウイ
・ナイル・ロジャース

1984年『トゥナイト』以来9年ぶりの全英No.1獲得。

Jump They Say.

Black Tie White Noise.

Miracle GoodNight.

豪華ゲスト多数参加。時代の流行を絶妙に取り入れた独自のサウンド。
ティン・マシーンは不当に評価低いとは思うけど、ボウイは本来こういうやり方でいいんだよと思わせる作品。

I Feel Free.

ジギー・スターダスト時代の盟友ミック・ロンソンもこの曲で参加。

しかし、ロンソンはこのアルバム発売後の1993年4月29日に癌により他界する。

19thアルバム『郊外のブッダ』リリース

唯一、デヴィッド・ボウイのアルバムの中で日本版が出ていない作品で、長らくの間廃盤になっていたため、入手困難な期間があった。
2007年にヴァージン・レコードから再発売された。現在でも日本国内では輸入盤のみの販売である。

イギリスの文学賞「ウィットブレッド賞」を受賞した作家ハニフ・クレイシが1990年に書き下ろした小説「郊外のブッダ」をイギリスBBCがドラマ化するにあたり、ボウイにサウンドトラックの依頼をした。

しかし、劇中で使われた曲はアルバムのタイトルトラックだけで、現在では実質的にボウイのオリジナルアルバムとしてカウントされている。
そのため、本作が発売した当初はボウイもプロモートをするためのインタビューをすることもなかったため、ファンの間でもその存在を知る者は少なかった。

Buddha of Suburbia.

※この曲は、ギターでレニー・クラヴィッツが参加しています。

アルバム『郊外のブッダ』は、作曲に6日、器材の故障による5日間の休暇をはさみ、録音とミックスに15日かけて仕上げたほどの短期間で制作された。

本作を聴いたブライアン・イーノは「かなり興奮した」と語っており、次作「アウトサイド」での共同作業の布石になったという。
ボウイ本人も2003年頃の各メディアのインタビューで事あるごとにフェイヴァリットアルバムの一つに上げ、「あのアルバムをきっかけにして、僕はようやくライターとしての自信を取り戻したんだ」と語っている。

1995年

20thアルバム『アウトサイド』リリース

プロデューサー
・デヴィッド・ボウイ
・ブライアン・イーノ
・デヴィッド・リチャーズ

『ネーサン・アドラーの日記(ベビー・グレース・ブルーの儀祭殺人事件)』
アルバムライナーノーツとして付属。
サイコホラー映画のような猟奇殺人をテーマにしたストーリーが綴られ、アルバムに散りばめられた曲群によって完成されていく構成。

原題 "1.Outside"について。

本来、ボウイは『ネーサン・アドラーの日記』のコンセプトを全5部作で作成する予定であった。
しかしアルバムコンセプトの難解さと陰鬱に満ちた曲が多いゆえ商業的には不振。
予定されていた続編『インサイド』がお蔵入りになる。
この作品のコンセプトは未完のままである。

※2016年1月 ボウイ他界直後に発表したブライアン・イーノの追悼コメントの一部。
「(ボウイ他界の)1年ほど前から、私たちの最後のアルバムになる『アウトサイド』という作品について話を進め始めていたんだ。お互いにこのアルバムのことを気に入っていたが、片隅に追いやられていたんだ。それで、もう一度考え直して、新しいところに持って行こうと話していたところだった。楽しみにしていたんだけどね」と続編製作の可能性があったことを匂わせるコメント

The Hearts Filthy Lesson.

オリジナルPVが何故かYoutubeになく、同年公開の映画『セブン』の映像を編集したファンが作ったと思われる映像があったのでここにリンクを貼ります。
※この曲は映画『セブン』のエンディングテーマに使用されました。

Strangers When We Meet.

この曲は前作『郊外のブッダ』収録曲をリアレンジした曲。

Hello Spaceboy. David Bowie with Pet Shop Boys.Brit Awards 1996.

シングルカットの際にはペット・ショップ・ボーイズがリミックス。これもPVがアップされていないので、1996年のブリット・アウォードでのペット・ショップ・ボーイズとのコラボステージ。

このアルバム『アウトサイド』はバンドとのアンサンブルもすばらしく、ボウイの柔軟なヴォーカル・スタイルも際立っており現在、英米ではボウイの最高傑作とも呼ばれるほど評価が高くなっている。

1996年

Basquiat.Official Trailer

映画『バスキア』1996年公開 監督 ジュリアン・シュナーベル 出演 ジェフリー・ライト、クレア・フォーラニ、デヴィッド・ボウイ

※本来この映画は『取り上げなくてもいいのでは?』とも思ったのですが、1996年がすっぽり抜け落ちてしまうので。

1988年に27歳で亡くなったアーティスト『ジャン・ミシェル・バスキア』の伝記映画。

ボウイはアンディ・ウォーホルを演じている。

1997年

21thアルバム『アースリング』リリース

プロデュース
・デヴィッド・ボウイ
・マーク・プラティ
・リーブス・ガブレルス

本来ブライアン・イーノとのタッグは継続して、『アウトサイド』の続編が制作されるはずだった(制作されていた?)が、『アウトサイド』が商業的に不審だったため、急遽制作されたアルバム。

Telling Lies.

Little Wonder.

Dead Man Walking.

Seven Years in Tibet.

I'm Afraid of Americans.

この曲のV1と呼ばれるシングルミックスは、ナイン・インチ・ネイルズが担当。PVにも9inchiのトレント・レズナーが出演。

1999年

22thアルバム『アワーズ…』リリース

プロデュース
・デヴィッド・ボウイ
・リーブス・ガブレルス

本来Omikronと言うビデオゲーム用サントラとして制作されたアルバム。

Thursday's Child.

The Pretty Things Are Going To Hell.

Survive.

Seven.

ビデオゲーム用サントラとして始まった企画だけど、割とアコースティックギターでの弾き語り中心のゆったりした歌ものアルバム。

2002年

23thアルバム『ヒーザン』リリース

プロデュース
・デヴィッド・ボウイ
・トニー・ヴィスコンティ、etc.

22年ぶり『スケアリー・モンスターズ』以来のトニー・ヴィスコンティをプロデューサーに起用。

ボウイ自身のレーベル『ISO』からの初リリース作。

Slow Burn.

Everyone Says "Hi"

I've Been Waiting For You.

前作『アワーズ…』の歌もの路線をさらに進化させた内容で、完全楽曲重視。

そしてすぐに次回作。

2003年

24thアルバム『リアリティ』リリース

プロデュース
・デヴィッド・ボウイ
・トニー・ヴィスコンティ

ISOコロンビアリリース第2弾。

制作時期も近いし、プロデュースも同じトニー・ヴィスコンティ。

New Killer Star.

Never Get Old.

この曲はミネラルウォーター"Vittel"のCMにも使われ、ボウイ自身も出演。

Vittel TV CM.David Bowie and David Brighton.

ボウイの過去の姿がパロディとして次々登場する楽しいCM。

ツアーも始まって、ペース、勢いは衰えないと思われた、

しかし、

本作ツアー中にボウイはハンブルクにて動脈瘤による心臓の痛みを訴え緊急入院。
残りの公演は中止。
これ以降のボウイは、創作活動に対し一時は消極的になり、次回作『ザ・ネクスト・デイ』のリリースまで
我々ファンは10年も待たされることになる。

このままボウイは引退してしまうのか?

おそらく次回が最終回です。

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