中国のEC事業者向けクラウドERP「聚水潭(Jushuitan)」がゴールドマン・サックスから1億ドル調達。推定評価額は10億ドルに
中国でEC事業者向けにクラウドERPを提供する「聚水潭(Jushuitan)」がシリーズCで1億ドルを調達しました。
今回のラウンドはゴールドマン・サックスがリードし、CICCやBlue Lake Capitalといった既存投資家も参加。EqualOceanによれば、評価額は10億ドルを超えたといいます。
Jushuitanは2014年にHaidong Luo(骆海东)氏が創業し、オンライン販売の運営にあたって必要となる「注文管理」「在庫管理」「物流」をクラウドベースで提供しています。
TaobaoやJD.com、拼多多を始めとした230ものECサイトと接続し、ユーザーは注文を一元管理できます。また、アリババ子会社「Cainiao」を筆頭とする物流業者との連携で配送手配も単一プラットフォーム内で完結。
100以上の倉庫業者とも連携可能で3PLにも対応しています。
Jushuitanのサービスを利用するEC事業者は50万を超えたとのこと。アパレルを中心に、食品や化粧品カテゴリなども増えているようです。
(インフォマート 2020年12月期 第1四半期決算説明資料)
参考までに、日本最大級のBtoBプラットフォームである「インフォマート」の利用企業数は41万2,391社(86万6,854事業所)となっています。
市場規模が違うとはいえ、1998年の創業から20年かけて積み上げてきた顧客基盤を、Jushuitanはわずか5年で上回ってしまいました。
中国はCEOのLuo氏がコメントしているように、「中国のSaaS市場はアメリカより5=10年遅れている」後進国と言われてきました。
Kingsoft Cloudの上場申請書類でも確認したとおり、2019年時点で中国のパブリッククラウド市場規模は814億元(1.2兆円)で日本とそれほどかrわらない規模。今後は急成長が見込まれ、2024年には現在の4.5倍となる3,681億元(約5.5兆円)まで拡大すると推定されています。
中国のSaaS企業はアリババとテンセントに次々と吸収されている印象ですが、EC利用が加速する中でJushuitanは中国SaaS市場を牽引する存在になりうるのかなと思いました。
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