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♯015 言葉のニュアンス

#日経COMEMO #NIKKEI  2023年8月18日 夕刊 プロムナード
約1280字

<すぎ>
同じ現象も、見方によっていい表現と悪い表現があります。
ボランティアで日本語を教えていて、
改めて一つ一つの言葉や文法にいい意味、悪い意味、ノーマル、
上下関係など、さまざまなニュアンスが隠れていることに
気付かされました。

たとえば、
「この町は 賑やかです」  といえば、ほめていますし
「この町は うるさいです」 といえば、悪く思っています。
受け身の「れる・られる」には
「足を ふまれた」「おもちゃを こわされた」といった
『迷惑の受け身』という意味があります。
「頭はいいが、性格が悪い」 は悪口ですが
「性格は悪いが、頭がいい」 は褒めている・・・
ん~、日本語は本当に難しいです。

このエッセイでは、学校の通知表の所見の表現についてです。
今は「ほめて育てる」のが主流
特に書いてあるものは、話し言葉と違って何度も読み返せるだけに
その後もず~っと残りますから、傷つくことも多い。
気をつけたいですね。

<ことば>
手元(てもと):手をのばして取れるぐらいの場所という意味から、すぐ近くに、私の家に
成績通知表(せいせき つうちひょう):成績を書いた紙。地域や学年によって、通信簿(つうしんぼ)、通知簿(つうちぼ)、あゆみ、かがやき、という名まえもある。
所見(しょけん):先生が自由に書くところ。子どものいいところや、直した方がいいところ(悪いところ)を書く
苦言(くげん):言われた人は気分が悪くなる内容だが、言う人もその人のためにと思って言う言葉や内容。
手本(てほん):よい見本。
耳(みみ)を傾(かたむ)ける:いっしょうけんめいに聞くこと 熱心(ねっしん)に聞くこと
寛容(かんよう)さ:人の意見も聞いて、もう一度自分の考えを見直そうとする心の広さ
反発(はんぱつ):先生の言う通りにしなかったり、言い返したりして反抗(はんこう)すること
他人(たにん)の 意見(いけん)を 無視(むし)する:人の意見をまったく聞かないこと
協調性(きょうちょうせい)が 乏(とぼ)しい:みんなの意見を聞いて、話し合っていろいろなことを決めようとする性格
自覚(じかく):自分でわかっていること
肯定的(こうていてき):良い表現で書くこと。⇔否定的
やる気(き)を 引(ひ)き出(だ)す:やる気にさせる
配慮(はいりょ)する:後で自分が批判されたり、読んだ人が傷つかないよう、言葉を選んで書くこと
参考書(さんこうしょ):ここでは、否定的な表現と、それを肯定的な表現に書きかえた言葉がたくさん書いてある本
動作(どうさ):動きや仕事の速さ
丁寧(ていねい):まちがいがないように、よく見る
押(お)し通(とお)す:反対する人がいても、その人の考え方や意見を聞かないで、自分の考えどおりに進めること
述(の)べる:言うこと。理論的に話をすること
聞(き)かなくなる恐(おそ)れ:聞かなくなってしまう可能性
反省(はんせい):悪いところや行動を認めて、これからはそうしないように思うこと
恥(は)ずかしながら、かく 言(い)う 私自身(わたしじしん)も~:このように言っている私ですが、恥ずかしいですが、私も~
大勢(おおぜい):たくさんの人
目(め)に 触(ふ)れる:読んでもらう
吟味(ぎんみ)する:よくよく考え、選ぶこと
私的(してき):この場合は、家族や友だちと一緒にいる場
粗雑(そざつ):思ったまま言ってしまう その言葉がよいか、悪いか、あまり考えて話さない
失言(しつげん):人を傷つけたり、雰囲気が悪くなったりすることを言ってしまうこと 言った後に「しまった!」と思うようなことを言う失敗
連中(れんちゅう):同じような行動をする人たち。(その人たちの行動を批判している)
聞(き)きとがめる:妻が聞いて、よくないと注意されること
やつら:同じような行動をする人たち(その人たちを下に見ている言い方)
手合い(てあい):同じような行動をする人たち(その人たちをばかにしている)
者(もの)ども:自分から見て目下の人々(上下関係がある)
いずれ:いつか
却下(きゃっか):意見を聞いてもらえないこと、不採用
品位(ひんい)を 保(たも)つ:悪いことを言っているが、上品さがある
ほのかに 皮肉(ひにく)な 響(ひび)き:ほんの少し、皮肉が入った言い方
愛用(あい)する:何度も使う
グレードアップする:よくなった レベルが上がった
副作用(ふくさよう):薬にある悪い影響
実(じつ)は:ほんとうは
シンプル:複雑じゃない表現
大(たい)した 内容(ないよう)ではない:あまり役に立たない内容だ

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