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#016 ARE

#日経COMEMO #NIKKEI  2023年9月16日 朝刊 春秋
約550字

<すぎ>
「このまま、もし、死んでしまったらどうしよう・・・」
「不吉なことを口にするんじゃない!!」

言霊(ことだま)・・・
言葉には不思議な力があるので
たとえ話であっても、良くない予想を言ってはいけない。

忌み言葉(いみことば)・・・
結婚式のお祝いスピーチで
失う、終わる、切る、去る、捨てる、戻る、別れるなど
縁起が悪いので使ってはいけない。

植物の名前の「葦(アシ)」を「ヨシ」
調理器具の「すり鉢」を「あたり鉢」
食べ物の「するめ」を「あたりめ」と呼ぶ。

今回の話は阪神タイガースの「優勝」を「あれ」といった話。
関西人にとって今年の流行語大賞の予感さえするけれど
実は関西以外は説明が必要なくらい知られてない話のようです。

「優勝」という言葉が選手にプレッシャーを与えないように
「あれ」と言いかえたからこそ、優勝することができた、
そんないい話ですが、
こうした隠語(いんご)には、知っている人々の仲間意識、
一体感を強くする一方で
部外者を意識的に排除するという危険性も孕(はら)む、
言いかえると、仲間内(なかまうち)と外の人を分ける高い壁になる
そんな場合があるので気をつけなければなりません。

<ことば>
霊妙(れいみょう):人の力を超えた不思議な力
宿(やど)る:その中に住んでいる
吉事(きちじ):良いこと 縁起(えんぎ)のいいこと
万葉集(まんようしゅう):日本の一番古い和歌集
~にさかのぼる信仰(しんこう)
:万葉集にも良いことが起こることを祈って作られた和歌があるため、昔の人も同じような気持ちを持っていた、という意味
よみがえる:昔信じられていた言葉の不思議な力を、現在のみんなが信じたこと
隠語(いんご):仲間内だけでわかる言葉の使い方
唱(とな)える:不思議な言葉を声に出して言う 呪文(じゅもん)を唱える、南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)を唱える
言霊(ことだま):言葉が持つ不思議な力 言った言葉が現実になる力 
~ようがない:~したくても絶対できない。~したくても不可能
弁(べん):話
率(ひき)いる:タイガースの監督として選手をまとめること
足踏(あしぶ)みする:前に進まないこと
つかみとる:自分の力でつかんで取ること
地鳴り(じなり):広く地面からひびいてくるような、低く大きな音と揺れ
歓声(かんせい)が甲子園球場(こうしえんきゅうじょう)を揺(ゆ)らす
:タイガースの優勝を祝う人々の喜びの声が一つになって、甲子園球場が揺れるようだ
一体感(いったいかん):みんなが同じ気持ちになること
ときに:その時には
罵声(ばせい):ののしる言葉 大きな声でその人に向かって悪口を言うこと
悲願(ひがん):どうしてもそうなってほしいという願い 強い願い
一丸(いちがん)となる:同じ気持ちの人が一つになって協力して行動すること
追(お)い求(もと)める:求めて追いかけること
分(わ)かち合(あ)う:お互いに同じ気持ちになること
快活(かいかつ)な:明るく、元気な
健在(けんざい):衰えることなく、ある事


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