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#027 主婦って職業ですか?

#日経COMEMO #NIKKEI  2024年5月28日夕刊 プロムナード
約1260字 

<すぎ>
「主婦」って職業なの?
いろいろなアンケートの職業欄を見るたびに、違和感を感じる。
性別には、「男」「女」「答えたくない」「どちらでもない」という選択肢が増えている。私自身、会社員、自営業、パートタイマーの並びなら、無職でいいはずなのに、「主婦」を選んでしまう。

上野千鶴子さんの著書『こんな世の中に誰がした?』(光文社)を読んだ。
戦前、戦後、昭和、平成、令和と、社会と女性の生き方は目まぐるしく変化し、主婦や家庭の役割と価値観も、女性自身はもちろん、男性や社会も大きく変わりつつある。でも、考え方が変わらない人も大勢いて、その間で苦しんでいる人もいる。私自身が生きてきた時代の価値観を読んで、いろいろ思い出し、なぜか涙が出てきた。

私は仕事もしていないので「主婦」を選ぶことが多いが、子育ても終わっているし、掃除も洗濯も夫がやってくれるし、食事も外食が増えている。冷凍食品やお惣菜を使う割合も随分高くなっている。
無職で主婦もあまりやってない私は、いったい何者なのだろう?

<言葉>
ぶらぶらする:行く場所や目的がなく外出する
店を のぞく:ウィンドウショッピング 買う気がないけれど店に入る
外国人観光客(がいこくじん かんこうきゃく)の 姿(すがた)が 目立(めだ)つ:外国人観光客が増えてきたな、と感じる
問(と)うてくる:聞いてくる (包丁店の人に)聞かれる 
答(こた)えに 詰(つ)まる:どう答えればいいか困り、答えられない
婚姻関係(こんいんかんけい)を 結(むす)ぶ:結婚届を書いて、役所に出す
身(み):立場、地位、身分
主婦的 労働(しゅふてきろうどう):家事や育児
似て 非なるもの(にてひなるもの):似ているけれど、本当はまったく違う物
〇〇っぽい:少し見ただけでは〇〇にみえる
ゴニョゴニョ 言う:はっきりと言わない、相手がわからないぐらいに言う
戸惑(とまど)いを 察(さっ)する:(私たちが)どう答えていいか迷っていることに(包丁店の人が)気がつく
合点(がてん)が ゆく:包丁店の人がなぜ「主婦ですか?」と聞いたのか、その質問の意味がわかる
輪郭(りんかく)が ぼんやりしている:はっきりと意味がわからない 
一家(いっか)を きりもりする:マネジメントする 家庭のいろいろな仕事を責任を持って行う
あるじ:(「主」と書いて「あるじ」と読む)中心になる人
専業(せんぎょう):その仕事を中心にする職業
扶養家族(ふようかぞく):家族の中で収入を得ている人があり、その人の稼いだお金で生活をしている家族
バリバリの 〇〇:〇〇として元気よく、積極的に仕事に取り組んでいる様子
お惣菜(そうざい):お店で作って売っているおかず 
作り置き(つくりおき):料理に時間を使えない忙しいときに、すぐに食べられるおかず。時間のある時に多く作って保存したり、冷凍保存したおかず
主婦(しゅふ)ぶり:主婦としての仕事をしている様子 仕事ぶり
目(め)に つく:見ることが多い 目立(めだ)つ
家事(かじ)を 担(にな)う:家事を担当して行う
家庭が 回らない:できない家事がいくつもある
うろついている:うろうろしている 何も考えずに歩いている(歩いている人のことを、「仕事もしないで遊んでいる」と悪く思っている表現)
包丁(ほうちょう)を 握(にぎ)る:料理をする

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