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ノスタルジーを感じた一時②

前回の続き

旅先のとある町中華屋さんでの一時

手作り餃子、注文を受けてから餡を皮に包む
その丁寧な仕事振りが店主の人柄を感じさせてくれる
厨房から餃子の焼く音が聞こえる
熱した鉄板に餃子を手早く並べる
油の跳ねる音
蓋をされ焼き目をつけた後に鉄板の上に水を加える
一気に水が蒸発する音
すかさず蓋を閉めて蒸し焼きにする
蓋をされた鉄板の上で少しこもった水分が飛んでいく音

餃子が来た
少し小ぶりだがなんとも焼き目が香ばしくモチモチな皮に包まれた餃子

いただきます

美味しい

皮はモチモチで焼き目はサクッと
中の餡はジューシーで旨みと甘みが絶妙なバランス
肉と野菜のハーモニーとはこのことだろう
酢醤油がとても合う

箸が進む
気がつけば8個あった餃子があっという間に4個になっていた

そして先客はお会計を済ませ店内に他のお客さんはいない
店内に流れるテレビの音が響き渡る
とても静かな空間
厨房からは先程使ったであろう調理器具を手入れしている音が微かに聞こえる

至福の時だ
ノスタルジーな雰囲気を独占している感じになる
そろそろ餃子も食べ終えてしまいそうになるのでメインを頼むとする

悩む
ご飯ものにするか麺類にするか

その時、入口の引き戸が開く音がした
来客だ

若いサラリーマン風の男性が1人で入ってきた
入口に目線を送っていた私と目が合う

何故かはわからないが目線が合った時お互いに同じタイミングで会釈をする
こんなのほかの店だとまず有り得ない光景だ

そのままその男性は少し離れたテーブルに腰を下ろす
店主が何も言わなくても席に着くということは常連さんなのかもしれない
注文するものも決まっているらしく店主がお冷を持っていくと迷いなく注文する

「カツ丼、卵とじで」
なるほどこのお店にはカツ丼が2種類ある
卵とじとソース

卵とじか、私の住んでる地域ではカツ丼と言えば卵とじしか想像出来ないが地域が変わればタレかつやソースカツ丼なども選択肢として入ってくるのだ

そんなやり取りを見てる間に私の心は決まった
麺類だ

町中華で頼むオムライスも好きなんだがここは麺でいこう

麺類も種類がある
スタンダードなラーメンからチャーシュー麺
天津麺や広東麺など
しかしもう私の心に決まっているものがあるのだ
それはタンメンである
この歳になると野菜を摂取しないといけないという謎の強迫観念が選択肢を狭める

しかしタンメンは野菜も沢山摂取出来てなおかつ美味しい
ラーメンなのだが野菜がたっぷり入っているのでカロリーゼロだ

店主が厨房でカツ丼の調理をしている
このカツ丼が出来上がったら注文しよう

今日はここまで
明日はついに最終章
「辿り着いた町中華で迎えた幸せ」の巻

今日も最後まで読んでくれた温かい皆様に感謝
「有難うございます」

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