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素敵さん 「はい、生理でだるいです。」

私の子どもたちの小学校では、出欠をとるときに

先生「○○さん」 生徒「はい元気です」 っていうやり取りをするらしい。

4年生の娘は少し前に保健の授業で、生理や男女の性器の仕組みを勉強した。4年生だから、大人っぽい体つきの子もいるし、生理が始まってる子だっている。だからきっとこの学年で学ぶのだろう。

その保険の授業後、朝の出欠でのやり取りで

「はい、生理でだるいです。」

と答えた子がいたという。

娘は彼女のことを大人だなと感じ、今までそういう発言をした子がいなかったから、いろいろ気になってその後聞いてみたらしい。「だるいの、大変だね。なんで言おうと思ったの?」

彼女はこう答えたそう。「みんなこないだの保健の授業で学んだし、生理の事を理解したと思ったから。」

なんてかっこいいのよ。なんてかっこいいのよ。

私が小学校の時は、保健の授業でもらったナプキンを「ハンカチなどで隠してランドセルにしまうように」と言われた記憶が深く残っている。「あ、人に見せちゃいけないものなのか。」と、私は思った。

(が、その後、女子校に進学した私の学生生活では、毎日ナプキンが教室を飛んでいた。文字通り、飛んでいた。)


寝不足で頭が痛い。虫歯で歯が痛い。

どちらも痛くてつらい。だからそばにいる人につらいよーとサインを出したくなる。

生理でおなかが痛い。

こちらも痛くてつらい。だからそばにいる人につらいよーとサインを出したくなる。なのにちょっといいずらさがある。見えないストッパーがある。

そのストッパーを作っているのは間違いなく、大人の声掛けだ。子どもは何も知らないところからスタートする。知らないからこそ大人から学ぶ。

あー生理の時は「今アレでさ」というんだな

なるほど、生理痛があるときは「ちょっと体調が悪いです」と伝えるのか

という具合に。

でも違うと私は思う。

その言い方しか知らないと生理、生理痛って言葉は使うべきでないのだと察する。大人たちがはっきりそう言葉で伝えていなくても、子どもは察する。そして大人が「生理」と発言しないから、「生理」という言葉が社会に出た時、周囲も「おっっっと?」って反応を示す。慣れていないから。

「今アレで」「ちょっと体調が」という言い方の選択肢もあるということ。間違えてはいけないのは、それは選択肢の一つでしかないということだ。

彼女のように「生理でだるい」と伝える方法もあれば、「ちょっと体調が」と伝える方法もある。

「生理を生理と表現しなさい」でもなく、「生理を生理と言ってはだめだ」でもないのだ。どう伝えたいかは自分で決めること。そしてそこを判断する前の段階で、大人が植え付けてはいけないということ。


彼女の発言はクラス全体に衝撃が走ったのではないか。しかし間違いなく必要な衝撃だと私は思う。これから生理になる人は「あ、言っていいんだ」と思っただろうし、生理にならない人たちは「あ、あれか。きいたことあるぞ、あれか。だるいんだ。」と思っただろう。

そして2児の母親である、生理を20年経験している、私にも衝撃を与えた。

私たちの無意識な言葉選びの影響を、そしてこれからどうすべきかを考えるきっかけをくれたのだ。

改めて、

なんてかっこいいのよ。

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