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リーダーシップは、自然と身につくのか?

ある日の練習で、中学生選手にこんな質問をもらった。

「チームを引っ張る力、まとめる力は、自然と身につけることができますか?
もしくは、どうすれば身につけることができますか?」

久々に、ドキッとする、回答の難しい問いを投げかけてもらったように感じた。

質問をしてくれたその選手は、きっと自分自身で思うところが沢山あって、
今この状況をどうにかしたい/変えたい、という想いの元で、この質問に至っていたような気がして、

直感的に『丁寧に答えたいな』と思った。

私のその直後の回答は、

「まずは、自分が思う”理想のチーム像”を書き出してみる。次に、”現状のチーム像、現状のチームメイト”について書き出してみる。
それらを比べた時の”ギャップ”が、今のチーム、各選手に足りていないこと。
それを理想像に引き上げるために、できることを書き出してみる」

という話と

「自分が見ているドラマ、アニメ、読んでいる漫画とかで、いいな!って思った台詞、心が動かされた言葉をストックして、それを仲間達に届ける」

という話を伝えた。伝えたけれども、自分の回答に、なんだかしっくりこない自分がいた。
どちらも私自身が中学時代にやっていたことだが、もっと何か、今だからこそ提案できる何かが、他にもあるように思えた。

その日の練習は、このあとからずっと、自分が部活生時代に大切にしていたことを思い起こしていた。

そして1つ、徹底的に試みていたことがあった。

【感情の共有】である。

今日の練習メニューに対して、
試合に対して、
チームメイトのプレーに対して、
何を感じたのか、考えたのか。
楽しさ?悔しさ?憤り、、、?

その共有を経て、自分は、
想像以上に、仲間達は色んなことを考えていて、
想像以上に、メンバーそれぞれが見えている景色は違うものだということを知った。

たぶんここでの、それぞれの”違い”みたいな部分はどうでもよくて、

でも、自分あるいは仲間達が何を考えて/思ってプレーしているのか、練習しているのか、みたいなところは共有していたほうがいいのかな、と私は感じている。


例えば。

「今日の練習は、声が出ていなかったので、次の練習は声を出せるようにしましょう。」(中学生の練習後MTGのあるある)

これは、【呼びかけ】。

けれども、この話を

「私は、今日の練習がとてもつまらなかったです。」
という話の切り出し方に変えてみる。

すなわち、【自分の感情の共有】を話に織り交ぜる。

「なぜなら、声が出ていなかったし、自分も出せていなかったからです。
声を出さない練習は楽しくないことが分かったので、次の練習では、自分もみんなも声を出してみて、楽しくなるかどうか、試してみたいと思っています。」

今日の練習の声は出ていなかった、次の練習は声を出そうよ!っていう話の内容は同じ。

ただ、ちょっとだけ感情の共有をして、
ちょっとだけ自分をさらけ出して、
ちょっとだけ自分もっと頑張るよって伝えて、
ちょっとだけみんなもやってみようよって伝えると、
その話は、チームメイトへの【訴え】に変わるんじゃないかなと。


ちなみに、チームをまとめる力の身につけ方について、SNSでも意見を募ってみた。

・経験と自分の許容を広げること
・自分の実力を上げること
・自分の意見を言い切る習慣をつけること
・行動する/してみること、声を出す/出してみること
・自分のできること、出来ないことを把握した上で、できることを増やす、できないことは頼ること
・自分からみんなに話しかけること
・自らのリーダーシップ経験をとにかく積むこと
・まずは自分が仲間/相手を信頼すること

私が面白いなって感じたのは、ここで教えてもらった回答が全て、『自分に矢印が向いていること』だった。

あの選手が…とか、
あの先輩/後輩/仲間が…とかじゃなくて、
自分がどうにかでき得ることに目を向けて、それをMAX頑張ろう!!っていう。

だから、何でもいいから、
まず【やってみる】ことが必要で。

それはきっと、
【先陣を切って】でもいいし、
【最後まで粘り強く】でもいいし、
【毎回徹底して】でもいいと思う。


リーダーシップは、自然と身につくのか?

その答えは、私は「No」だと考えているが、実際のところは分からない。

そもそも先天的な能力であるとする説も存在している。
ただ、それでも、後天的に、
すなわち、自分の何かしらの「ひと頑張り」次第で、
自分発信の言葉を、ただの”呼びかけ”から、仲間達への”訴え”のようなものに変化させられることはできると、私は信じたいなと思う。



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