マガジンのカバー画像

『ゲームゼミ』ゲームを本気で語ろう

3000万回読まれたゲームブログ管理人による、日本初のペイウォール型ゲームメディア。「20年代のビデオゲーム文化」を語るべく、社会、文化、哲学などを縦断的に論ずる、ビデオゲームを… もっと読む
3000万回読まれたゲームブログ管理人による、日本初のペイウォール型ゲームメディア。「20年代のビ… もっと詳しく
¥490 / 月
運営しているクリエイター

記事一覧

全く儲かってないVR事業にソニーとMetaが踏み込む理由:ゲームニュースの「裏」を読む

ゲーム業界で怒涛のニュースが相次いだ。9月13日のNintendo Direct、9月14日のState of Play(SIE)、そして9月15日から18日までの東京ゲームショウと、日本のゲーム業界におけるニュースが連日報道され、2023年以降、期待の大作ゲームなど彼らが展開しようとする素晴らしい作品の数々を期待できる一週間だったと言える。 これらのニュースは各ゲームメディア、SNS等でも大いににぎわったし、ゲームに興味がなくてもニュースは知っている人はいるだろう。むしろ

スキ
31

FPS史から紐解く『スプラトゥーン3』 何を模倣し、そして進化させたのか

『スプラトゥーン』は任天堂が開発する新規IPとして、恐らくマリオ、ゼルダ、どうぶつの森に並ぶ快作であり、その評価に疑う余地はない。今月発売されたばかりの『スプラトゥーン3』も発売から3日で345万本、その前作『スプラトゥーン2』も1000万本を超えるなど、任天堂作品そしてシューター作品としてもはや知らぬ者はいない。 これほど人気を集めている『スプラトゥーン』だが、一体どうして面白いと感じられるのか、その正体について批評的に語られることは実は稀だ。なぜなら、本作は任天堂が海外

スキ
95

いい加減、「ポリコレ」という言葉を使って批評するのはやめようよ

長年ネットを使っていると、話題が数年でループすることに気付く。ネットの利用者が入れ替わっているのか、それとも単にすぐ忘れてしまうだけなのかよくわからないが、AEDを使うだの使わないだの、サイゼは初デートでアリだのナシだの、そして現在は、「ポリコレ」を巡る議論がもう何度目かわからないけどループしている。 正直、いい加減飽きないのだろうかというのが本音なので、ここで改めて「ポリコレ」とは本来どういうもので、今の「ポリコレ」議論がどうズレているかという整理をした。そして特に今筆者

スキ
47

「飯」をうまそうに描けるゲームは神ゲーである説――ゲーム飯批評

「飯」をうまそうに描けるゲームは神ゲーである。 筆者はしばらくこの説を提示してきた。「飯」をうまそうに描けるゲームは神ゲーである、と。実は5年ぐらいうっすら考えていた仮説だったのだが、様々な事例が揃ったことで改めてこの「ゲーム飯理論」を発表することにした。 そもそも、「飯」がうまく描けるフィクションは名作が多い、というのは結構ある説だ。有名なのは菓子研究家の福田里香が提唱する「フード理論」だろう。特に映画などでは食事シーンにこそ作品の本意が宿っていると説明されている。ジブ

スキ
28

PS5はなぜずっと品薄なのかを考えて浮かんだ「転売ヤー」ともう1つの「闇」

未だに周囲でPS5が買えないという話をよく聞く。そしてPS5が買えないことでSIE全体に対するほとんどヘイトのような兆候もある。筆者もしばらくPS5が買えずストレスフルな日々を過ごしたので気持ちはよく理解できるものの、今のところPS5を取り巻くネガティブな言論はサイバーカスケード現象によってほぼ陰謀論の域に達してしまっている。 例えば、PS5が手に入らないのはSIEの品薄商法を狙ったものだとか、あるいは、先日発表されたPS5の価格上昇はPS5がよく売れることに便乗した殿様商

スキ
69

『Stray』批評/ストーリー考察 猫は家畜か、それとも神か

猫が嫌いな人間など、いるだろうか? 猫の美しさ、愛おしさ、可愛らしさに人間の多くが心を奪われ、愛さずにはおられない。そんな猫を描く作品は数あれど、日本で最も有名なものといえば夏目漱石の『吾輩は猫である』だろう。一人称を「吾輩」とするちょっと尊大な猫を主人公にしたこの作品は、猫の気まぐれで偉そう、そしてちょっと臆病な目線で描かれる。この作品には夏目のはちきれんばかりの猫愛が詰め込まれている。 冒頭に引用した一文では、主人公の「吾輩」が自分より大柄な猫の「黒」に対し「吾輩は猫

スキ
48

『モンハンライズ:サンブレイク』批評 18年続くモンハンが「オワコン」にならない理由

エンタメにおいて、シリーズが続くほど成功することは難しく、むしろ評価が下がりやすい。 このように感じる人は、オタクであれば少なくないのではないだろうか。実際、作品が続くほど、ファンは作品から「新鮮さ」を感じることが難しくなるし、一方でシリーズに期待するプレイヤーなりの価値観も強まっていくため、この感覚は間違いではない。筆者はこれを「続編のジレンマ」と呼んでいる。 特にビデオゲームの場合はこの問題が深刻になる。ゲームの攻略法はある程度限られており、例えば『ドラクエ』ファンな

スキ
41

映画『ゆるキャン△』批評 「百合」的なシスターフッドの解体と再構築

『ゆるキャン△』は日本が誇るべき文学だと思う。 真剣にそう思うほど筆者はこの作品を評価しているのは、この作品が、いわゆる安直なテンプレートに陥りがちな「百合」に対してきっぱりと新たな展開を提示し、何より現代日本の中で切実に育まれた若者たちの価値観を、爽やかなシスターフッドに昇華せしめたことにある。 ゆるキャンシリーズは、表面的には記号的な造形の女の子たちがイチャイチャとキャンプをするだけのマンガである。だが注意深く読むとキャンプへの情熱、そして少女たちの愛らしさを詰め込み

スキ
38

政治にうんざりしてるところで悪いけど、ゲーム文化を国会議員として守ろうとする栗下善行の話だけはしたい

<全文無料で読めます> 「率直に言います。あなたたちが、本当に嫌いです。」 栗下善行さんが参議院選挙に立候補されると発表した直後、私が彼と会話した時にぶつけた本音だった。 自分でも驚いた。確かに私は世渡りは上手な人間ではなかった。しかし、少なくとも厄介な人に向けて「相応な話題」を振ることはできるし、別に政治家の関係者、省庁の官僚と話す機会も何度かあり、そのたびに彼らが求める言葉を彼らの求めるように話すことぐらい、社会人として当たり前にできた。 ところが、私が栗下さんに

スキ
82

『トップガン マーヴェリック』はなぜ面白いのか?「中年の欲望」から面白さの本質を紐解く

配給:東和ピクチャーズ © 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved. 『トップガン マーヴェリック』(以下、マーヴェリック)は麻薬のように面白い。筆者も3度、劇場で鑑賞した上で、恐らくこれほど現代で求められる欲望を満たした「エンタメ」は、ここ5年でも存在しないのではないかと思った。 ただし、ここでいう「麻薬のような面白さ」とは単なる誇張表現ではない。本作における「面白さ」の正体とは、単に美しい映像表

スキ
56

おかえり、エスピナス。忘れられたもう一つの『モンハン』の物語

先日配信された「カプコンショーケース」にて、6月30日発売を控えた『モンスターハンターライズ:サンブレイク』の続報が公開された。フィールド「密林」の復活や、様々な追加モンスターに混ざって登場したのが、棘竜エスピナスである。 正直、私はこの緑色の毒々しい飛竜を見て、思わず涙腺がゆるんだ。『モンスターハンター』は約20年の歴史の中で、多くのモンスターが生まれては消えた。その中で歴代モンスターの「復活」は特にファンが喜ぶニュースだ。しかし「エスピナス」の復活がもつ意味は、それらと

スキ
48

【前編】史上最大の『エルデンリング』批評 世紀の「神ゲー」たる所以を問う

『エルデンリング』は神ゲーである。 それも数年来のビデオゲーム文化にあってその至宝、それが『エルデンリング』である。 しかし困ってしまった。そもそも神ゲーとは何だろう。神ゲーと言わしめるだけの定義は何だろう。仮に『エルデンリング』が神ゲーだったとして、ではなぜ神ゲーなのか、どのような理論で、いかなる比喩をもってして神ゲーと断じられるのか。これが実に厄介だった。 拙稿を含むビデオゲームの未熟な批評にあって、現状こうした大きな課題が残っていることに否定の余地はないだろう。つ

スキ
53

「見たいもの」だけが正当化される時代に「文学」は成立するのか

(全文無料です) ソーシャルネットワーク全盛の現代社会では、ユーザー1人1人の声がとても「1人」では作り出せない容量で届くようになった。その結果、毎日何かしらが「炎上」している。 この状況は、行政や大企業の問題を早期に発見、批判するデジタルネイティブの民主主義を生み出したとも言えるし、一方で単純に怒りや憎しみを根拠とした「破壊」をただもたらすポピュリズムに過ぎないのではという懸念も、「炎上」を契機にした誹謗中傷に始まる「同調圧力ディストピア」の現代社会では真っ当なものだと

スキ
88

シン・ウルトラマン批評 特撮に興味がない若者こそ必ず観なければいけない傑作

筆者は世代的に特撮にはあまり縁がない。もちろん平成から令和にかけて『仮面ライダー』や『ウルトラマン』が放送され、それぞれ愛されていることは承知しているが、少なくとも特撮文化が全盛を誇った高度経済成長期にと比べれば規模が縮小していることは否めないし、筆者の同世代でも特撮のファンはややコアなオタクという印象だった。 このような前置きで中高年の読者が気分を害されたら申し訳ないが、特撮の文化的価値を否定しているわけでない。特撮が日本の戦後文化にもたらした影響の大きさは自分のような若

スキ
78