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今年も、気がつけば、天日干しの季節に

まだ春が遠く感じられる3月初旬から、今年の稲作体験会は始まりました。

種籾を塩水選という海水より濃い塩水の中に入れて選別し、60度のお湯で10分間消毒、その後、発芽するまで水に浸しておくこと、約1ヶ月。

芽が(正確には、根が、なのですが)出たら、種まき。そう、お米も、種まきをするのですよ。私たちは、1枚に448個の穴があいた苗箱を使います。1穴に2〜3粒ずつ。ちょっと気が遠くなる作業です。

この1つの穴から、どのくらいのお米がとれると思いますか? なんと! お茶碗1杯分です。1枚の苗箱から448杯分、1日3食1杯ずつ食べたとして、約150日分のお米が収穫できるというわけです。スゴイですね!

田んぼ01/種まき

穴の中に土を入れて、種籾をまいて、土をかぶせます。数日後には、芽が出てきます。芽が出たら、田んぼへ持っていき、苗になるのを待ちます。

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鳥に食べられないように、キラキラテープを張りました。

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だんだん暖かくなってくるので、グングン育っていきます。

田んぼ04/田植え2

そうして、6月には田植えをしました。参加者みんなで一列に並んで、苗箱から苗を1本ずつ取って植えていきます。

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苗箱の中では立派に育っていたように見えた苗も、いざ、田んぼに植えてみると、こんなに頼りなさげ。うわっ、ちゃんと育つのかな? と、何年も田植えをしていますが、心配せずにはいられません。

田んぼ05/少し成長

ところがところが。1ヶ月もすると、こんなふうに。手で植えましたが、美しく真っ直ぐに植わっていますね!

田んぼ06/草取り

稲の生育とともに、雑草も容赦なく伸びてきます。除草剤は使いませんから、田んぼに通っては、こんな手押しの除草機で雑草を根っこからほじくり返します。あるいは、かがんで手で抜いていきます。草ぬきは、穂が出てくる8月半ばまで続きます。

えっと……お米づくりとは草ぬきのことなのね、と確信するほど、田んぼに通っては、草ぬき草ぬき。昼間の暑い時間は避けたいので、早朝、まさに日の出とともに、そして夕方は日暮れまで、草ぬき三昧な日々なのです。

田んぼ07/かなり成長

立派に育ってきました。株と株の間を30センチ、あけてあるので、風通しもよく太陽の光が根元までちゃんと届きます。

(一般的な栽培方法での株間は15センチぐらいです。そして、ぎっしり植えても、このくらいでも、一枚の田んぼからとれるお米の量は同じぐらいと言われています)

田んぼ08/実りの秋1

さてさて、実りの秋も、もうすぐ。今度は、台風がやって来ないことを祈る日々です。

写真の手前は、もち米の緑米、奥が朝日米です。どちらも昔ながらの品種で、背丈が高いです。背丈が高いと台風などで倒れやすいため、品種改良によって、今日ではコシヒカリなど太く短い稲が主流となりました。

田んぼ09/稲刈り

いよいよ、稲刈りです。山から切り出した竹で、馬と呼ばれる干し場をつくります。機械で刈っていきます。麻紐で縛り、馬まで手渡しをして、干していきます。田植え同様、人手が多ければ多いほど、作業は楽にスムーズに、そして楽しく進みます。

雨が降らなければ、1週間ほどで乾きます。最後、わらの部分に残っている栄養分がお米までしっかり届くので、天日干しはおいしさがギュッと凝縮されています。

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これは、お米のラベルです。

有機JASを取得していないので(取得には毎年お金がかかります…)、自然栽培とか無農薬とは書けません。

また、朝日米は岡山県で認証されている品種で、岡山県以外で育てられた朝日米を「朝日米」と表記することもできないのです。

そこで、こんなネーミングに。ちょっと(かなり?)長いですが、農薬を使っていない田んぼでは微生物も多く活発に活動しているでしょうから、「(そんな)土のなかの生きものと一緒に育った」ということで、自然栽培だとわかってーという願いをこめて。「朝日米」は「伊豆の、あさひ」に。

でも、なぜかPOPには、自然栽培とか朝日米と書いていいそうなので(農水省や消費者庁などあちこちに電話をして確認しました!)、こんなPOPと一緒に販売します。

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というわけで。

2021年の稲作体験会にも、もうすぐ、おしまい。

11月27日(土)、28日(日)には、伊豆・田んぼプロジェクトの拠点である伊豆市上船原の「伊豆の中庭」にて、「伊豆のまんなか・中庭bunka祭」を開催して、おにぎり、カレーのほか、米粉パン、米粉ピザ、米粉シフォンケーキ、米粉どら焼き、お団子、お餅、お汁粉などをご用意して、みなさまのお越しをお待ちしています。

体験会に参加した方も、参加していない方も、ぜひ遊びにいらしてくださいね。ステキな、またはユニークな歌うたいも、来てくださいます。

詳細は、また後日、お知らせしますね。よろしくお願いいたします。

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