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フィクション日記

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存在しないアナタの有りもしない1日。
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#日記

フィクション日記『沙代子』

「大嫌いなんだから。あんたのことなんか。」
どうしてそんなふうにしか言えないんだろう。

フィクション日記『美紀』

プロポーズされた。

「僕が君を幸せにします。だから、僕と結婚してください!」

夜景の見えるレストラン、美味しい食事におめかしした2人。彼の手元には、ダイヤの指輪が輝いている。
教科書通り、満点のシチュエーションだった。
頬を紅潮させ、私の返事を待つ彼。

「お断りします。ごめんね。」

紅潮していた頬の色はみるみると白くなっていった。
彼に特に大きな不満はなかった。でも、

「僕が君を幸せにし

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フィクション日記『今日子』

「良い名前ですね。」と言われたんです。
それだけのことでした。
でも私、とても疲れていたんです。
市役所の窓口って、みんななんでも言って良いもんだと勘違いしているのでしょう。
週の中日ともなると、嫌気がさしてきちゃうもんなんです。
当たり前なんだけれど、誰も彼も自分の求めることしか頭になくって、
まるで私なんかゲームのCPUのように見えている。
そんな気がしてきてしまって「担当の中山今日子です。よ

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