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奥歯が無いままだと・・・その1

 今週は奥歯を失った後放置しておくことで次第に現れる影響などをご紹介したいと思います。
 奥歯は歯を磨きにくく前歯よりもむし歯になってしまうことが多いです。また噛みしめや歯ぎしりなどの影響も受けやすく最初に失ってしまうことも多い歯です。この奥歯を失ったまま放置されていると思わぬ産物を産み出してしまうことがあります。それは太りやすくなるということ。
 奥歯を失うと咀嚼機能が低下して軟らかくて食べやすく、簡単に満腹感を得られやすい食べ物を食べがちになります。例えば、ラーメンなどの麺類やカレーライスなど。満腹感が得られるので食事はしっかり食べられているという感覚をもってしまいます。
 しかし、このような噛まずに食べられる食事はカロリーオーバーを起こしやすい反面、筋肉量の維持に必要な動物性たんぱく質や老化を防止し体調を整える抗酸化物質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などが乏しく、実際には栄養不足を招きやすい食べ物です。その結果、肥満に繋がりやすく、低たんぱく質で筋肉が減ってしまいやすいので全身の健康にも悪影響を及ぼしやすいです。
 奥歯を失っていても食べやすいからと麺類やカレーライスなど噛まなくても流し込みやすい食事を摂りがちになっていません?奥歯を失ったままの方は血糖値や体脂肪率などが増加しやすい状態と言えます。奥歯を失ってしまっている方は、入れ歯やブリッジ、インプラントなど自歯に代わる歯を入れてしっかり噛めるお口を取り戻して病気の発症リスクを減らしていきましょう。
 では逆に、奥歯を失って食べにくくなる物と言ったら何でしょう。それは肉と野菜です。奥歯が無いと楽しいはずの食事よく噛めないことでストレスを感じやすくなり、ストレスを感じずに食べやすい軟らかい食べ物を選ぶようになってしまいがちです。その結果、たんぱく質、ビタミン、ミネラルの不足と糖質過多になってしまいやすいのです。バランスよく健康維持に必要な1日分のたんぱく質や野菜の量は次のとおりです。
 たんぱく質の摂取量は適正体重((身長×身長×2.2g))×0.001。つまり適正体重50kgの人は体を維持するのに毎日50gのたんぱく質が必要になります。適正体重50kgの人が筋肉や血管の弾力などの維持に必要な1日分のたんぱく質は、肉1切れ(70g)、魚1切れ(70g)、牛乳・乳製品(200g)、卵1個、大豆・豆腐(納豆1パック、豆腐1/2丁)。
 厚生労働省から推奨されている1日の野菜の摂取量は350g。野菜と言ってもキャベツや白菜、小松菜などの葉物野菜は比較的食べやすいですが、カボチャ、ニンジン、ゴボウなどは硬かったり繊維が多かったりして食べにくいです。ただ、これらをバランスよく食べての350gなのでどうしても食べにくい野菜は避けがちになってしまうものです。
 以下の食品で軟らかい食べ物~硬い食べ物まで代表的な物をレベル分けしてみましたが、健全な歯をお持ちの方はレベル6まで普通に食べられると思います。
 奥歯を失った方、奥歯の調子がいまいちとお思いの方はレベル1からどこまでストレスを感じずに食べられるかチェックをしてみてください。バランスの良い食事をするためにはレベル6の食品もストレスなく食べられることが大切になります。食事をするのにストレスをお感じの方は一度歯科で奥歯の状況を確認することをお奨めします。

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