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ワークライフバランス④資格手当と教育訓練休暇

ワークライフバランスその4

今回はうちの会社(訪問看護事業)で導入している「資格手当と教育訓練休暇制度」について、
専門職(その道のプロ)としてのキャリアアップはこういう方向性もあるのではないか?ということも含めて、書いていきたいと思います。
#シリーズ化

そもそもワークライフバランスを考えるきっかけになった記事↓

キャリアアップは、縦に掘るか、横に掘るか

理学療法士の免許を取得した後は、基本的には協会に入り、新人教育プログラムを経て登録理学療法士となり、そこから各専門分野に分かれて認定理学療法士や専門理学療法士へと登っていく道があります。脳卒中の認定を目指す人もいれば、物理療法の認定を目指す人もいます。

より理学療法士という専門性を深めていくという、
いわゆる縦に掘っていく、という道です。

一方で、最近では理学療法士以外に
介護の資格を取得して夜勤が入れるようになるとか、
ケアマネジャーを取得して相談業務に就くとか、
副業を始めて本業以外から収入を得るとか、

理学療法士という資格を1つの武器として、他の業種へと幅を広げていくという、
横に掘っていく、という道もあるようです。

どちらが良い・悪いではなくて、色んな掘り方があって、人それぞれどの方向に掘っていくのかは自由なんだなと思います。

ただここでしっかりと区別しておきたいのは、
掘っているのか(動いているのか)、止まっているのか(動いていないのか)、
という点です。

自分の生涯を想定して、今のうちから動いておこう!!とか考えている人は大丈夫だとして、

自堕落に日々をマンネリと過ごすだけでは、対人サービスを提供する人を育てる上では良くないことかなと思っています。

しかし、他人から言われて仕方なくとか、おしりを叩かれてようやく動き出すようでは、せっかく動いたとしても得られる吸収率が良くないとも思っていて、
自ら動き出したくなるような仕組みをつくれるかどうかが大事なことで、そこに向けてどう設計するかを考えています。
#最大の難問

そこで現れるのが、資格手当と教育訓練休暇です。

資格手当とは、○○の資格を持っていたら月□□円みたいな感じで、
その資格に対してお金で還元する、という形をとっています。
また、その資格を持っていないとできないような業務の選択権も得られます。

例えばケアマネジャーの資格を持っている理学療法士だとすると、両方の資格手当をもらえる上に、相談業務かリハビリ業務のどちらをやりたいのかを自分で選べるようにしています。
もちろん会社側には業務執行を命令できる権限もありますが、ここはやはり主体性を大事にしています。

またこの資格手当にもランクがあって、めちゃめちゃ変動します。
会社にとって都合の良い資格はランクが高くなり、そうでもない資格はそもそも手当がつかなかったりします。
今のところ、頑張って物理療法の認定理学療法士を取ったとしても、手当にはつきません(脳卒中の認定はつきます)。

資格や認定を取ることが給与アップにつながる、という設計を一部ですが実現していることに加えて、
この資格を取るための休暇制度も設けています。

これは完全に社労士さんにアドバイスを貰いましたが、雇用保険の助成金のひとつに、この教育訓練休暇制度があったりします。
会社の命令ではなく、あくまでスタッフが自発的に職業能力の開発に取り組んだということを評価してくれるもので、OJTや学会なんかは含まれません。
これを導入したことで、あくまでスタッフが自らやりたいと言ってきたことに対して、応援できる仕組みになっているかなと思います。すでに3名のスタッフがこれを利用して自らのキャリアアップに励んでいます。
#この制度の周知だけして
#あとはほんとにスタッフ任せ

とりあえずまとめてみると、
・他人から言われてやるよりも、自ら進んでやりたいと思えるために
・様々なランクの資格手当を設定し
・学びに必要な時間は有給休暇として利用できる(一部対象外の研修等もあり)

ここまで設計しても、やらないスタッフは全くやりません。
しかし上手く利用してキャリアアップを積むスタッフもいます。
傍から見ていると、両者の差はほんとに見る見るうちに開いていくな~とすごく思います。