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115  社会で役立つ力を身につけて、成績が上がる。

やりたくない男の子たち、どうすれば?


レベル5〜4の大学に出願するには、GPAが4.0満点のうち少なくとも3.6以上、できれば3.7以上の成績を取らないといけません。
でも、娘は3.4あたりで苦戦していました。

勉強自体は6年間、少人数制でしっかり指導していただいていたので、それなりには学力がついてきていたようです。

でも、娘が一番不得意だったのはそこじゃなく。
実は、ある男の子たちと一緒にプロジェクトを行うことだったんです。


娘の学校では、グループプロジェクトというのが必ずあります。
グループに分かれて、それぞれのテーマで詳しく調べてプレゼンテーションを行ったり、何かを完成させたりするもの。

メンバーがやる気のある子ばっかりだとうまくプロジェクトが進むけど、そうでない子と組むと足並みが揃わない、あまりいい出来にならない、となるようです。


難しいのは、思春期で何かと反抗的、
「めんどくせぇなー。」
って感じの、ワルいタイプの男子たち。

「体が大きくて大人みたいだし、怖いんだよ。
何をやるか話し合おうと思っても、『何でもいい』とか言って全然考える気なくて〜。」
だそう。

かといって、
「じゃあやらなくていいよ。」
なんてなってしまうと、以下の5つの評価基準の④⑤の評価が低くなってしまうわけです。

①知識
②批判的思考
③人格形成
④コミュニケーション
⑤グループへの参加



やる気スイッチはどこにあるか。


かつて高1でアメリカに交換留学に行った時、娘は約40人もの初対面の高校生たちや先生たちと一緒に、短編映画を作り上げました。

でもそれは、学園ドラマを作るというのが珍しかったので、みんながおもしろがって「やりたい!」と名乗りを上げ、積極的に参加してくれたから。

また、普段学校外の子たちと作品を作ることもありましたが、それもみんな映像制作が大好きな子たち。
やりたくない子と一緒に何かをやるのって、いったいどうしたらいいのか・・・。


先生方からは、
「どうすれば彼らとうまくできるか、考えて工夫してみなさい。」
と言われたそうでした。

とにかく何とか成績を上げなきゃいけないというわけで、娘は勇気を出して苦手に取り組むことに。
怖いなんて言ってないで、積極的に彼らと話をしていくことにしたそうなんです。

そのうちに、彼らのやる気スイッチがどこにあるかがわかるようになったよう。
スイッチが入ると、男の子たちが自分から進んで動き始め、最終的には、
「楽しい。」
と言うようになったそうです。

彼らもプロジェクトを完成させることのやりがいや、おもしろさがわかったのかもしれません。


娘自身も楽しくプロジェクトを成功させられて、それからはどんな子とグループを組んでも、うまく進められるように。

「最近、グループのメンバーになった子たちが、
『〇〇と一緒にプロジェクトやると楽しい、おもしろい、また組みたい!』
って言ってくれるんだよ〜。」
と喜んでいました。


この時学んだことは、その後の大学生活や仕事をするようになってからも、とても役立つことになったようです。
アメリカで、考え方やバックグラウンドの違う様々な人種の人たちとプロジェクトや仕事をやっていくのは大変なこと。

でも、この学校で6年間、様々なバックグラウンドや年齢の生徒たちとプロジェクトをやっていくことで鍛えられた娘は、むしろそれが好きになったようでした。
同質の人たちで行うよりも、異質な人たちが力を合わせた方が、今までにない、予想外のおもしろいものが出来上がるからかもしれません。


成績の方も、高3の最終学期にはGPAが3.7を超えることに。

普通の学校なら、学習障害でただの落ちこぼれになってただろう娘が、社会に出てそのまま役立つ力を身につけられて、かつアメリカの名門大学に出願できたのは、本当にこの学校のおかげです。


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