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悲しみの絶対性

雨が止むと
絶対の悲しみに
身悶えするするかのように
蝉が壮絶に鳴き始めた

あと何か月勤めれば定年になるのか
計算できなくなったところで目が覚めた
会社は10年前に辞めている
私の悲しみは
その絶対性において
蝉の悲しみに負けてはいない

雨が降り出すと
蝉は一斉に泣き止んだ
羽根が濡れてメスを呼べないのか
私は傘もささず
雨に溶けてゆく


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