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歯医者の待ち時間にハラハラした話

この前歯医者に行った時のことだ。

受付で診察券と保険証を渡してしばらく待っていた時、ふと思った。

「あれ、もうとっくに呼ばれてた?」

そういえば僕より後に来た人は数分前に呼ばれて処置室に行っている。

もしかして呼ばれたことに気づかずにずっと座っていたのかもしれない。

そんな「ドキッ」にハラハラしはじめた瞬間に名前を呼ばれた。

飛ばされてなくて良かった。

こんなハラハラする待ち時間を小さな頃から何回か経験している。

中でもバス停での待ち時間は印象的だった。​

当時はケータイなんてものは持っておらず、小学校に上がった時におばあちゃんにジャスコで買ってもらった3000円の腕時計が時間を知る唯一の手段だった。

そんな中、バスを待っていた僕はバスがなかなか来ないと、

「僕に気づかずに行ってしまったかな?」

「バスが早めに来て、スルーしてしまったのか?」

「もしかしてこの時計ずれてるんじゃないか?」

といつもハラハラしていた。

こういう時の5分は永遠のように感じられたのを今でも覚えている。

最近ではこんなハラハラはスマホが解決してくれる。

正確な時計、バスの現在地、到着予定時刻まで、ハラハラを打ち消せるものを挙げていけば、枚挙にいとまがない。

だからこそ、こういったハラハラする待ち時間を、本来であればピンチであるはずの待ち時間を、かわいく思えた気がする。

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