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スター・ウォーズの10年を振り返る

2011年から2021年までの「スター・ウォーズ」の10年間を振り返ります。

最近、視聴保留していた「スター・ウォーズ レジスタンス」を見始めました。もうすぐ全話見終わるのですが、これがなかなか面白くて「どうして自分は(フィローニファンでもあるのに)この作品を見てなかったんだっけ」と思い、周辺のタイムラインを調査してみようと思ったのがキッカケです。

せっかくなので10年前まで遡ってみました。

中止となったドラマシリーズのタイトルは「アンダーワールド」。

10年前の今頃はまだルーカス・バッシングが続いていた時代です。前年には「ピープルvsジョージ・ルーカス」が公開されて話題に。(日本では2012年公開)

20世紀フォックスから発売された最後のソフトとなるブルーレイ版では更に映像の修正が加えられました。私は個人的に映像主体のバージョンアップ容認派ですが、やはり改変自体を歓迎しないファンもまだ多かったように思います。

「24」「LOST」終了後「ブレイキング・バッド」や「ゲーム・オブ・スローンズ」がヒットとなりドラマ新時代へ。ルーカスフィルムも「スター・ウォーズ:アンダーワールド」というドラマ企画を進めましたが予算の都合で実現には至らず。

ファンのプリクエルに対する反発も強く、ルーカスの「7以降は作らない」宣言以降は「クローン・ウォーズ」が単体で屋台骨を支えていた印象で閉塞感はありました。

そんな中、ルーカスフィルムがディズニーに買収されます。同時に続編映画の構想が浮上。一方でルーカスアーツが閉鎖し、「クローン・ウォーズ」は打ち切りへ。

私は2013年の3月にサンフランシスコに行く機会をいただき、当時ルーカスアーツの方に頼りルーカスフィルムを見学させていただきましたが、訪米がひと月遅ければ叶いませんでした。現地では上杉裕世さんにもお会いできました。

EAのゲーム作品に関してはメディアを超えた作品間のクロスオーバーが上手く、ゲーム自体の品質も高いので(ルーカスアーツの人材やリソースが分散したという噂もありますが)プレイしていないファンにはお薦めしたいです。

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2014年以降は「エピソード7」公開に向けて大規模なクロスメディア展開を開始。多くのファンが不安と期待に胸を膨らませていた時期です。

こうした動きの傍ら「クローン・ウォーズ」のデイブ・フィローニが中心となりアニメ作品「反乱者たち」でユニバースを更に広げ、分断するファン達の橋渡しをするようなエピソードの数々で今に繋がるスター・ウォーズの拡張基盤を築きます。

ポリゴン・ピクチュアズが制作に参加する「クローン・ウォーズ」は日本ではEテレでシーズン2まで、NHKBSでシーズン3までしか放送されていないので認知度は低く、そのあたりが欧米と日本のファンの大きな差になっていると感じます。
アニメではありますがスター・ウォーズへのリスペクトとスピリットが込められた傑作シリーズです。ディズニープラスで一気見できますので未視聴の方はぜひ。

2017年末、色々と思う事があり私は「スター・ウォーズ」から距離を置くことに。
そのため2018年に限りスター・ウォーズ事情は良く解りません。「ハン・ソロ」は「面白そうなアクション映画」程度の感覚で見に行ったら一つ前の映画作品より良かったのですが、世間的な評価は低く悶々とした一年でした。
(追記:その後“一つ前の映画”に関する評価は逆転しています。続3部作では一番好き。)

肝心の「レジスタンス」については、当時は「エピソード7・8・9はオレの中では存在しない」という精神状態になってしまっていたこと。そして打ち切りで幻だった完結編「クローン・ウォーズ シーズン7」の復活のほうがやはり注目度・期待度が高かったので「レジスタンス」は二の次だったのを振り返って思い出しました。デイブ・フィローニとポリゴン・ピクチュアズという組合せにも関わらず。
そして「レジスタンス」のシーズン2の頃はというと「マンダロリアン」のほうに熱を上げて「エピソード9」とセットで「保留」の箱にしまっていたわけです。

「レジスタンス」、正直「続3部作」よりも丁寧で面白いと感じています。
「反乱者たち」同様、低年齢層向けのディズニー然とした演出が目に付くのは否めませんが回を重ねるごとにスター・ウォーズの濃度とシリアスさが高まります。

実は2019年は「パシフィック・リム:暗黒の大陸」に関わらせていただいていてポリゴン・ピクチュアズにも何度か足を運んでおり、当時広いスタジオのどこかでシーズン2を作っていたんだろうかと思うと、今となっても興奮してしまいます。

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この写真は「アニメーション映画 GODZILLA」に参加させて頂いた時のものなので2016年ですが、ポリゴン・ピクチュアズのエントランスです。
「クローン・ウォーズ」制作に因む貴重な品々が。スタジオ内には額装されたフィローニのスケッチも。何よりポリゴン・ピクチュアズと仕事する機会が得られ本当に幸運でした。お声がけしてくれたスタッフの方々には感謝しかありません。

「レジスタンス」もガイダンスを作りましたのでこちらもぜひ。

10年振り返ってみて

「スター・ウォーズ」を取り巻く状況は一変しましたが、何だかんだで続3部作は全てシリーズの興行成績記録を更新。映像作品や関連商品は爆発的に増えました。

そして「クローン・ウォーズ」打ち切り後も着実な一手を打ち続けて駒を進め「クローン・ウォーズ」完結〜「バッドバッチ」そして「マンダロリアン」を創りあげたデイブ・フィローニ躍進の10年とも言えます。彼が続く実写スピンオフ作品群でも素晴らしいクリエイター陣とともに中心的な役割を担ってくれることを期待します。

プリクエルの時代もまた振り返ってみたいです。
「ここ違う」「この大事件が抜けてる」などご指摘歓迎です。

※7/27「ピープルvsジョージ・ルーカス」の公開年を修正しました。
※8/10 タイムラインに出版物や出来事など項目追加

以下書籍より一部情報を参考にさせていただきました。



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