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小学校での強烈な記憶

前回までのあらすじ....
突然現れた父の出現にて、とある田舎町から大都市にやって来た小一の私...
しかし、想像は遥かに超え
血のつながりも何も無い家族と、突如として共に暮らすようになった。
その数ヶ月後...
父は忽然と姿を消した....


父からの生活費がぱったりと途絶えたからであろう....
田舎にいる母に、夜な夜な泣きながら電話をしているおばちゃんの姿がそこにはあった....

しかし
私にはこの状況をただただ他人事のように見守る他出来ることは何も無かった....


大人が下す選択をただ受け入れていくほかなかったのだ



おばちゃんご家族も様々なご事情から、いわゆる【食いぶち】が増えるだけの状況は、経済的にしんどかったようだ。


しかし
おばちゃんは、私と向き合う時は、いつもとても明るく優しく、時には真剣に向き合ってくれながら、見捨てることなく世話を焼いてくれていた


そうこうしながら
私は、小学校3年生となり、益々大きく成長し、活発な男の子のような女の子になっていった

そんな時
久方ぶりに、背の順ではいつも1番前であった大人しい男の子がクラスに戻ってきた。
先生の話から、その子は腎臓をわずらい、入院していたという

そして
病状も酷かったのか、人工的に外に管を出して尿を溜める袋を下げていた


そんな彼は
いつも、活発に走り回る私に、優しく微笑んでくれていた
彼に
微笑んでもらっていると
不思議と
自分はここに居てもいいんだなぁ〜
みたいな安堵感があった


とある掃除の時間
誰ともなく
彼の机を運ぼとしない.....

それどころか
コソコソと
彼を非難する言葉を吐き始めていた....

彼は涙を堪え、掃除当番でも無いのに、自ら自分の机を運ぼとしていた

とっさに身体が動いた


震える彼の手に触れるように
机を一緒に運んだ

彼が運ぶには、少し重すぎる机なのだ


その日から
彼の机運びは私の仕事になった

彼の顔からまた微笑みが戻った


当時、私は、何かと【田舎もん】といじられることもよくあったが、私は【無視されるよりは、相手に私が見えてるってことだし....まぁ〜マシかぁ〜】との考えでいたし、意味のわからない酷い嫌がらせには断固として、相手が泣くまで戦っていたので、気がつけば、変なやつで終わっていたように思う


しかし
彼は違った
自分で好き好んで病気になったわけでもない...
他の誰よりも
【何で自分が....】 
と、どうしようも出来ないもどかしさや悔しさに、自分自身と日々戦っていたように思う


ある日

先生が
掃除当番でも無い私が
彼の机を毎日運んでることに
気づいた


ホームルーム時
皆んなの前で私に聴いてきたのだ


「どうして毎日、〇〇くんの机を運んでいるのか?」
と.....

私は
一瞬考えた....
何でだろう....

そして答えた

「〇〇くんはクラスの大切な仲間で.....
好きで病気になったわけじゃないし....
〇〇くんにこの机は重すぎて大変で......
でも....
誰も運ばないし...

出来る私がしようと思った....
彼は何にも悪くないのに....」

気がついたら
学校では
決して涙を見せたことの無い
私の頬を
大量の涙が
枯れることなく
ポロポロ...
ポロポロ溢れ落ちていた。

その後の先生の話は、何も聞こえなかった....


その次の日
クラスに賑やかさが戻った
皆んな変わるがわる、彼の机を運んだ


月日は過ぎ....
その後の彼のことは記憶に残っていない....



しかし
私に微笑んでくれていた、あの優しい眼差しは、きっとまた何処で、誰かを幸せにしているのだろうと想う🌈✨




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