読了:草枕

タイトルを考える体力がないです。でも書く。

草枕/夏目漱石

読みましたー!

わたしはとても楽しく読めたよ。

え、もう、感動。これが文学。

最初はだるいな…と思ってたのだが途中で「(これは)経では?」とふとひらめき頭を空っぽにして読んだらこの世界のなんとおっとりとして美しいこと。もうずぶずぶ。

実は草枕を読んだのは初めてではなくて、一部分だけ国語の教科書で読んだことがあるんですね。
温泉に泊まっていたら謎の美女が現れるというところだけをなんとなく覚えていて、題名すらも忘れていましたが。
「京に着ける夕」の入った文庫本の解説に「草枕のように優美なのもよいが…(意約)」という文があり、もしやあの温泉宿の話は草枕では!?と急に思い出し買ってみた次第なのです。正解だったね。

この謎の美女と主人公の掛け合いが実にいい。色気を感じた。
し、絵になるところだけ絵になるように書かれているので彼女に浸れる。
ストーリーを重視するのがエンタメ系の小説だとしたら、これは絵画的で、わたしはとても身体的だと感じました。

身体的というとちょっと説明が難しいんだけれど、例えば人物の関係性を楽しむ物語は「脳で楽しむ」カテゴリになってて(いわゆるシチュエーション萌えみたいなものと似ていると思う)、たいして感覚的な美しさを求めるものは「肌で楽しむ」という表現がしっくりくるような気がしている。自分でも何を書いているのか分からなくなってきました。笑(そもそも言葉自体が脳で楽しむものではあるんだが、それはまぁおいておいて。わたしの感覚の話です。)

私は、人間はみな本を読むときに頭の中で音読していて、つまり頭の中で口を動かしていると仮定しているのですが、草枕は一文が句読点でつながれていてとても長いです。実はこの段落もそのようにつないでみたのですが、この長い文に時たま入る短文がなんとも言えずここちよいのです。このように。このリズムを、私たちは読みながら体に取り入れているわけです。

どのページを開いても、この語り口が作品に一貫して流れていて、わたしはなんとも言えず、そう、癒される。この文の流れの緩やかさを保ちながら、豊富な語彙で独特の言い回しで、豊かで少しさみしい、中世/近代日本の境目を描くとはまさしく文豪だとため息が出ます。

経というか写経に似てるんです。やったことないですが、頭をからっぽにして、書き写すように音読する楽しみ。
今のわたしの最強のストレス解消法です。

というか久しぶりにnote書けてまじ嬉しい。全然頭回ってないけど、文ぐちゃぐちゃだけど更新できてよかったです。まだまだ読んだ本あるから、ゆっくり書いていくよ~。

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