本業も好きな人も嫌になってきたアラサー

1週間ぶりに力仕事をしたせいか、
夜中に腕がジンジンと痛くて目が覚めた。
昨日はそんなに重いもの持ってないはずなのにな。

本業でのけ者にされていても、
好きな人には全く相手にされていなくても、
わたしには優しくしてもらえる副業の現場や、
いつも声をかけてもらえる趣味の現場があって、
好きじゃなくても女性扱いしてくれる男性はいる。


だからまだ大丈夫。

わたしは幸せだと思う。



本当は、
わたしのことをお姉さんと呼んでくれるのも、
わたしに兄弟や学生時代の話をしてくれるのも、
好きな人だったらどんなにいいだろう。


でも彼と機械音のしないところでゆっくり話す機会なんてこの1年3ヶ月ほぼなかったわけで。
わたしが貴重な休日の予定の隙間を縫って、
頑張って9週連続で工場に通ってみても、
そのうち4週は何も話せずに終わったりして、
結局何にも変わらなかったわけで。

認めたくないけれど、
彼は…いや彼もきっと他の男性達と同じように、わたしとご縁のない人なのだ。


ご縁のある人なら、
これだけ通っていれば行き帰りに会ったりとか、
街で偶然出会ったりとか、
きっとどこかで機会があったはずだ。
他のタイミーさんもたまたまお昼に彼と2人になったとか言ってたけれど、
わたしが何回通ってもそんな機会は訪れなかった。
彼は話したかったら機械で作業しているときでも隣に来るはずだけど、
わたしがいるときにそんなことはしないし、
この前はわたしが近くに行ったら遠くの機械に送られた。
これが現実だ。

あの人はわたしに1ミリも興味なんてないのだ。


本当はわかってた。
いくら他の人達に美人とか可愛いとか言われても、
好きな人には何とも思われてない。
わたしはいつもこうなのだ。


わたしの好きな人は、
いつも絶対にわたしを好きにはならない。



今回もきっとこれなのだ。間違いない。
でも頭ではわかっていても、
わたしはこれをなかなか認められなくて、
このままこの片想いを無理矢理続けていたら、
普通に好きな人と話せる女達が死ぬほど羨ましくて、
呪い殺してしまいそうなくらい怨念が蓄積して、
わたしはどんどんブスになる気がする。
見た目も内面も。


だから好きな人は絵なんだと思うようにする。



手のひらで額縁を作って、
その中の彼を見るイメージで。
好きな人は動く絵だから、
カッコよくて素敵だけど、
話すことも触ることもできない相手なのだ。
まるで歴史上の人物に恋をしてしまったみたいに、
わたしにはとてもどうにもできない相手なのだ。
彼にはわたしのことなんか見えちゃいないのだから。


朝からそんなことを考えながらも、
思い出すのは昨日の運送会社での出来事ばかりだ。
いつも優しい優しいお兄さん達。
わたしは今日もあそこに行ける。ありがたい。
運送会社にいるときは、
わたしは本業で使えない奴だと思われていることも、
好きな人に名前すら覚えられていないことも忘れて、
ただニコニコしながら働いていられる。

男性達の中でちょっと気の利くお姉さんで居られる。
わたしの大切な場所。


本業は今日から社員の女の子が出張に行く。
ヘルプの社員から名指しのチャットが来ていたのを、わたしが2分放置していただけで、
出しゃばりババアが勝手に返事をしていた。
社員からは何も聞いていないチェック表があって、
そこにチェックを入れるように言われたので開くと、
もう出しゃばりババアがわたしの分まで入れていた。
たった2分チャットに気づかなかっただけでこれだ。
お手洗いにも行けないほどの仕事かよ。
別に命に関わるような職業ではないし、
ただの時給1060円の受注センターのパートなのに。
あほくさ。やってらんね。


出しゃばりババアが気持ち悪過ぎてもう嫌になって、
ヘルプの社員が「やりますか?」と聞いてきたら、
普通はわたしがやりますと言うべきなんだろうけど、
「お願いします」と言ってお任せした。

わたしは完全にゆとりなので、
やってもらえることはやってもらうスタンスなのだ。


やるって向こうが言ってんだからさ、
お任せして何が悪いんだよ。
しかしヘルプの社員は50代のおばさんで、
わたしは毎度のことながらたぶん好かれていない。
わたしは職場の50代女性は大体敵に回す女なのだ。
歴代の職場でも相当苛められてきた実績がある。
昭和のおばさんと働くのはかなり苦手なのだ。


…なんて思っていたら、
彼女から個別でチャットが来た。
午後から教えてもらえそうだ。ちょっと怖いけど。
グループのほうで連絡すると、
間違いなく出しゃばりババアが絡んでくるから、
気を遣ってくれたのかもしれない。
いよっ!できる女!

でも普通はこうだよね!



傲慢な言い方だけど、
社員はボーナスまで貰ってて立場も上なんだから、
下っ端にもこれくらい気を遣うべきだ。
あなたのチームなんだからあなたが面倒見てくださいな!
じゃないとパートなんてすぐに辞めちゃうよ。
わたしの代わりなんて星の数ほどいるんだから。
いや代わりというよりもむしろわたしよりも使えるかもしれないしさ。あはははは。

ガツガツしたほうにだけ仕事教えて、
大人しいほうは放置するなんて、
やっぱりいつもの社員の女の子がゴミ過ぎるのだ。



出張中に面倒な仕事を教えといてもらえるなんて、
あの子は本当に前世でどれだけ徳を積んだんだろう。
ヘルプの社員もあの子をとても大切にしているから、
彼女に負担をかけないためにわたしに仕事を教えておこうと思っているに違いないのだ。
ほんと反吐が出るほど幸せな女。大っ嫌い。
わたしは羊飼いにムチを打たれる、
群れからはみ出した羊でしかないんだろう。
しかしあの子ももしかしたら出しゃばりババアの圧にやられているのかもしれない。

40過ぎても仕事のチャットに平気でキス顔のスタンプを使う無神経な出しゃばりババアを、
わたしは心の底から軽蔑している。 


40過ぎてあんなスタンプを使うのは、
男性相手なら今の時代はもう完全にセクハラだろう。
普通におじさんがたくさんいる職場なら、
「いい年こいたババアのくせにあんなスタンプ使ってきて気持ち悪い」と言われるに違いないけれど、
きっとあのババアは今までそんなことを言われたことがないから平気で使えるんだろう。
旦那にも子供達にもずっと愛されて幸せな人生なんだろうな。ばっかみたい。
どうでもいいけど、
わたしは絶対にあいつとは同じになりたくない。

そもそも本業でこんなにいろいろやらされるようになった原因が、
シングルマザーが籍も入れてない男と避妊しないでやったせいなのだ。アホくさすぎる。
なんでそのせいでわたしの仕事が増えるわけ?
他人の子供のせいでなんでわたしが3年以上いる職場で今更こんなに嫌な思いをしなきゃいけないわけ?
他人にこんなに嫌な思いをさせてまで産んだ子供がすくすく育ってたまるかよとわたしは内心思っている。


最近本業も片想いもつくづく嫌になってきて、
気がつくと涙が頬を流れていたりするから、
もしかしたらいろいろ限界なのかもしれない。
わたしが嫌なことを忘れてご機嫌でいられるのは、
男性にちやほやされているときと、
趣味の活動をしているときだけだ。