高校ラグビー:コロナと競技人口の減少
はじめに
noteの構想を練るうちに、競技人口の減少と格差の拡大は極めて密接な関係があると気づきました。
しかしどちらが原因でどちらが結果なのかは判断しかねました。
卵が先か鶏が先かという議論と似ていますね。
少し予定を変更し、まずは競技人口の減少について書きたいと思います。
競技人口減少の現状
ラグビーは15人以上の部員が必要なため、他のスポーツと比べて多くの部員が必要になる場合が多いです。
2019年ラグビーW杯での日本代表の躍進により、ラグビーブームに火が付きました。
しかし直後のコロナ禍でブームは瞬く間に去り、部員不足にあえぐ高校が増えています。
上の記事の通り、2011年と2021年のデータを比べると高校ラグビーはチーム数で17%、部員数で25%減少しています。
少子化の影響で他のスポーツもチーム数、部員数は軒並み減少傾向を示しています。
ただラグビーはその特性上、チーム数減少のスピードが速いのが顕著です。
競技人口減少の理由
競技特性
ラグビーの大きな特徴は身体の接触にあります。
つまり密になる状況が多く、ソーシャルディスタンスが求められる時代に逆行するスポーツといっても過言ではないのです。
そのため身体接触の多いスポーツを避ける傾向が生まれるのは仕方のないことといえるかもしれません。
しかしウィズコロナ、アフターコロナ体制への移行とともにこのような傾向は変わっていくでしょう。
新入部員勧誘
強豪校では多くの生徒がラグビーをやろうと心に決めて入学するため、部員の確保にそれほど苦労しません。
一方中堅校や弱小校ではラグビーをやろうという意思を持って入学する生徒は少数派です。
そのため中堅校や弱小校では部員の確保、とりわけラグビー未経験者の勧誘が死活的に重要になります。
それは部の存続にかかわるからです。
しかし休校や学級閉鎖といった措置が取られると、新入生を勧誘する機会が失われます。
そのため中堅校や弱小校の部員減少がさらに進んだと考えられます。
社会ムード
コロナ禍がもたらした社会的閉塞感、不況や戦争による先行きの不透明さが新しいスポーツに挑戦する前向きな気持ちを失わせた側面があります。
特に現高3は緊急事態宣言の影響で入学式が遅れた地域が多く、高校生活に様々な制約が課せられました。
そのため高校からラグビーを始めた生徒の数が減った可能性があります。
その他
コロナと直接の影響はないように思われますが、他の要因を2つ紹介したいと思います。
まずはケガのリスクです。
ウエイトトレーニングや栄養補給の正しい知識の普及により、高校ラグビーでも選手の体は大きくなっています。
もちろんこれは好ましいことではありますが、その結果怪我のリスクが高まっています。
体重が重い相手と衝突したほうが衝撃は大きいためです。
また勉強との両立を不安視してラグビーを選ばない生徒もいます。
高3の秋、冬まで部活を続けると、大学への現役合格が遠のいてしまう可能性は否めません。
おわりに
競技人口の減少理由をいくつかあげましたが、最も大きいのは新入部員の勧誘ではないでしょうか。
程度の差こそあれ、どの高校でもラグビー部の勧誘は時に強引な手段も交えながら行われるものです。
私自身も高校でラグビーをやるつもりはなかったですが、強引な勧誘によって気づけば入部していました。
サッカーや野球などメジャーな運動部と生徒を取り合うため、部員の勧誘は最重要課題なのです。
続いてはコロナと格差の拡大について意見をまとめたいと思います。
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