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IWJ検証レポート~米国の有識者が米中の国力逆転を認めたアリソン・レポートの衝撃!(その6)。中国の防衛費は実質で米国の約53%に、近い将来同水準! 米軍の時代遅れで高価なシステムに中国安上がりに対抗! 2022.2.10

 (仮訳、文・IWJ編集部 文責・岩上安身)

 本記事は、「IWJ検証レポート~米国の有識者が米中の国力逆転を認めたアリソン・レポートの衝撃!」の第6弾で、「アリソン・レポート」「Military(軍事)」篇の「防衛費という不思議な問題」の章の仮訳を掲載する。なお、第1弾~第5弾は本記事末尾でご案内する。

 米ハーバード大学ケネディ行政大学院(ケネディスクール)のグレアム・アリソン氏が中心となって作成し、2021年12月7日に発表されたレポート「The Great Rivalry: China vs. the U.S. in the 21st Century(偉大なるライバル 21世紀の中国vs.アメリカ)」(以後、『アリソン・レポート』)は、米国が、中国との対比で自らの技術と軍事を冷静に自己評価した重要なレポートである。

 米国が中国の技術水準と軍事水準をどう見ているのか、また、今後、米中覇権競争が技術と軍事という中心的な領域でどう競いあうのかを見極めるための必読文献の一つだ。

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▲『アリソン・レポート』を作成したケネディ・スクール元学長のグレアム・アリソン氏(Wikipedia、Mass Communication Specialist 2nd Class Zach Allan, U.S. Navy)

 この「防衛費という不思議な問題」の章では、各国で実際に何がいくらで買えるかを比較する「ビッグマック指数」や「購買力平価」を使い、中国の防衛費が急激に増加して、実質的に米国の半分を超えた事実と、近い将来同水準になるとの予想を紹介している。

 さらに、米軍のシステムが時代遅れで、かつ値上がりし続けているのに対して、中国の人民解放軍は、米軍の高額システムを破壊する安上がりのミサイルに投資しているとして、両者の支出の合理性にまで踏み込んで論じている。米軍の高い人件費に関する論議も含め、非常に興味深い分析である。

 詳しくは記事本文を御覧いただきたい!

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▲中国が開発した移動式固体燃料大陸間弾道ミサイル(ICBM)DF-31(東風-31)。中国ロケット軍が2006年から運用。射程8650km、改良型のDF-31Aは11200kmで北米全体をカバー。(Wikipedia、Tyg728

「ビッグマック指数」と「購買力平価」が明らかにした真実! 中国の防衛費はすでに米国の約53%に到達、近い将来同水準に!

 本記事では、全52ページの「Tech(技術)」と、全40ページの「Military(軍事)」の2部構成からなる『アリソン・レポート』から、「Military(軍事)」篇の「防衛費という不思議な問題」の1章分を全篇仮訳してご紹介する。

※この記事はIWJウェブサイトにも掲載(記事リンク(https://iwj.co.jp/wj/open/archives/501998)しています。
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