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IWJ検証レポート~米国の有識者が米中の国力逆転を認めたアリソン・レポートの衝撃!(その3)。中国はAIとIoT(あらゆる物のインターネット)を促す全国5G網を構築の「次世代テクノロジー・ジャイアント」 2022.2.2

 (仮訳、文・IWJ編集部 文責・岩上安身)

 本記事は、「IWJ検証レポート~米国の有識者が米中の国力逆転を認めたアリソン・レポートの衝撃!」の第3弾で、「アリソン・レポート」「Tech(技術)」編の「5G」の章の仮訳を掲載する。なお、第1弾と第2弾は本記事末尾でご案内する。

 米ハーバード大学ケネディ行政大学院(ケネディスクール)のグレアム・アリソン氏が中心となって作成し、2021年12月7日に発表されたレポート「The Great Rivalry: China vs. the U.S. in the 21st Century(偉大なるライバル 21世紀の中国vs.アメリカ)」(以後、『アリソン・レポート』)は、米国が、中国との対比で自らの技術と軍事を冷静に自己評価した重要なレポートである。

 グレアム・アリソン氏とは、どのような人物で、米国の軍事・諜報・安全保障の分野で、どれだけ影響力をもつ人物であるか、ハーバード大学に留学中、アリソン氏の謦咳に接した経験のある外務省の元国際情報局長の孫崎享氏は、岩上安身のインタビューに応じて、以下の動画でアリソン氏について語っているので、ぜひ、参照していただきたい。

▲2021.2.9 【切り抜き】岩上安身による孫崎享氏インタビュー(2021年2月9日)

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▲『アリソン・レポート』を作成したケネディ・スクール元学長のグレアム・アリソン氏(Wikipedia、Mass Communication Specialist 2nd Class Zach Allan, U.S. Navy、Graham T. Allison

 アリソン氏には、『米中戦争前夜』(2017年、ダイヤモンド社)という著書が日本でも日本語訳され出版されている。米国との国力の比較通じて、中国の実力を知ることができる好著だが、この『アリソンレポート』は、それに続く続編のような性格をもっている。

 米国が中国の技術水準と軍事水準をどう見ているのか、また、今後、米中覇権競争が技術と軍事という中心的な領域でどう競いあうのかを見極めるためには、この「アリソンレポート」は必読文献である。

 この「5G」の章では、第5世代の通信システム「5G」において、「中国は、米国が4Gで成功したことを5Gで再現しようとしている」として、技術、インフラ整備、市場など、様々な面で中国が圧倒的優位に立っていることを検証している。

 5G接続数では中国が世界の87%を占め、5Gユーザー数は中国1億5000万人に対し米国600万人、使用する電波の速度についても中国の5G平均300Mbpsに対して米国は60Mbpsなど、米中の大きな差が示される。

 百度(バイドゥ)が北京の5Gネットワークを使い、中国初の無人ロボタクシーを始めたように、中国には、日常生活でAIとIoT(あらゆる物のインターネット化)を加速する、5Gネットの条件が揃っていると端的に指摘。

 さらに、4Gにおける米国のiPhoneやAndroidに代わって、5Gでは中国のシャオミのスマホやファーウェイのネットが主流になると予想している。

 「次世代のテクノロジー・ジャイアントは中国になる」と、米国に対して厳しく警告する由縁である。

 詳しくは記事本文を御覧いただきたい!

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▲中国で30万局以上の5G基地局を展開したファーウェイの深圳市にある本社(Wikipedia、Raysonho @ Open Grid Scheduler / Grid Engine)

「中国は、米国が4Gで成功したことを5Gで再現する!」中国の5G接続数は世界の87%!

 本記事では、全52ページの「Tech(技術)」と、全40ページの「Military(軍事)」の2部構成からなる『アリソン・レポート』の「Tech(技術)」編の「5G」の1章分を全編仮訳してご紹介する。

※この記事はIWJウェブサイトにも掲載(https://iwj.co.jp/wj/open/archives/501775)しています。
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