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TikTokがアメリカで禁止されてもByteDanceには「VRの隠し玉」があるらしい・・・【#95】

今日のトピックは「TikTokを運営するByteDanceのVR関連事業」について。

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VR/ARの会社を設立した大学院生(@iwhododo)です。
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この記事のまとめ

アメリカ当局がTikTokを禁止
ByteDanceは2018年にVR配信企業を買収
今後はVRエンタメ領域などに期待

アメリカ、TikTokとWeChatを禁止

アメリカ当局は18日、中国企業ByteDance(字节跳动)が運営するショート動画共有アプリ「TikTok(抖音短视频)」と同じく中国の大手IT企業テンセント(腾讯)の決済とメッセージ機能を有する「WeChat(微信)」(中国版LINE)について、国家安全保障上の脅威としてダウンロードを禁止するよう命じました。

TikTokのユーザー数は初めて開示された時点で既に世界で6.9億人、アメリカでも1億人超。急拡大で実際にはこれより多くの利用者が見込まれます。

ショート動画は競合他社も多く、YouTubeもショート動画を作成する「YouTube Shorts」を公開しました。しかしながら群を抜いてTikTokの利用者が多いのが現状です。TikTokがある以上、他のショート動画が各国で普及することは難しく、それはアメリカと日本におけるSnapchatInstagramのユーザー比率が対照的なことからも垣間見ることができます。

スマートな解決策とはいえませんが、規制によって自国の競合アプリをお仕上げたり、外国への資本流出を防いだりすることは可能です。

既にアメリカの外国資本を積極的に受け入れているインドなどではTikTokが禁止され、競合アプリがかわりに使われ始めています。「YouTube Shorts」もまずはインドでリリースされることが明かされました。
関連記事:GoogleもFacebookも投資するインド企業発のARグラスとは?【#39】

そもそもがTikTok自体も後発アプリなので内容についてTikTokの模倣ということは誤解ですが、個人的にも社会的弱者のティーンが主なユーザーのサービスに対しての仕打ちとしては不当に思われます。実際、米広告代理店・Creative Digital AgencyのTikTokユーザーを対象にした調査でも84.6%が、禁止法案は政治的思惑によって持ち出されたものだと信じていることがわかりました。

新たに就任したCEOがすぐに退任することになり、アメリカでの上場や買収などの話題が持ち上がっていますが、Oracleと提携することが先ほど公式に発表されました。
関連記事:TikTokのCEO・ケビン・メイヤー氏が就任100日余りで辞任
関連記事:オラクル、TikTokとの提携発表 ウォルマートと2割出資

果たしてTikTokが禁止された暁にはByteDanceは会社が成り立たなくなってしまうのでしょうか?

ByteDanceのポートフォリオ

ByteDanceはこの過酷な環境下でも「グローバル企業になるビジョンをこれまで通り追求する」と力強い声明を発表しました。

元々は2012年にニュースアプリとして始まり、買収を繰り返しながら様々なサービスを展開しているByteDance。リコメンド機能に代表されるAI技術や、直近で買収したクラウドプラットフォームを提供するCaicloud(才雲科技)も含め、IT企業としての地盤には固い資産があります。

個人的にはVR×エンターテインメントの領域での活躍を期待しています。
というのも2018年にVRライブ配信を開発する「维境视讯」を買収しているものの、未だその真価が発揮されているように見えないためです。
その中でもByteDanceのVRに関連したの取り組みを以下で紹介します。

エンターテインメント向けのVRは、先日発表されたFacebook傘下のOculus Quest2も破格のコスパで、普及がさらに拡大していくと思われます。
関連記事:どうしてPS5もFacebookの新型VR HMDも値段が安すぎるのか?【#93】

リアルタイムでインタラクティブなVRライブ

TikTok(ティックトック)では、VR技術を活用したインタラクティブパフォーマンス「The Weeknd Experience」を2020年8月に配信。グラミー賞歌手の「The Weeknd」が出演し、視聴者のチャットがリアルタイムに展開されたり、演出を選べるインタラクションが組み込まれたり、フォートナイトのようなライブ演出が組み込まれたりしました。

関連記事:フォートナイト、ライブ音楽イベントを本格化【#87】

ByteDance、VR内での歩行に関する特許を出願

ByteDanceは2020年4月末に「バーチャル空間において歩き回る方法」の特許を取得しています。詳細は明らかになっていませんが、バーチャル空間内でユーザーの歩行ルートを決定するものと報じられています。

「The Weeknd Experience」で垣間見えたリアルタイムでインタラクティブなライブ演出と活発に歩き回れるバーチャル空間を設計できるとすれば、現実のクラブハウスのような空間を演出することが可能です。さらにはリコメンドで培ったAIで交通計画を最適化したり知らない人とマッチングしたりといった効果がうまれるかもしれません。
関連記事:100億超をVR/ブロックチェーン企業に、ロシア有数の大富豪らが出資|#79

いずれにせよ今後もByteDanceの動向には目が離せません。個人的にも、まずはTikTokの行く末がはっきりとすることが一番に思われます。

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出典:ByteDance signs patent for virtual reality viewing in China / 独家追踪 | 今日头条收购VR视频直播方案研发商“维境视讯”

会社のみんなとドーナツ食べます。