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Oculus Goが販売終了、Facebookはその先に何を見ているのか|今日の「ヤバい!VR」#17

今日のトピックは「Oculus Go、販売終了」です。

こんばんは。
ARの会社を設立した大学院生(@iwhododo)です。
VRは注目の高い領域だけに、日々大量のニュースを目にします。
そこで毎日1つだけVRに関連したトピックを取り上げてお届けしています。
※ちなみに選定基準は100%の独断と偏見に基づきます。

毎日更新しているので、ぜひフォローしてチェックしてください。

この記事のまとめ

Oculus Goが販売終了
今後もFacebookから3DoF VR製品の販売はなし
審査不要のアプリ配信方法が2021年に追加

ローエンドモデルからの撤退

Facebookは、2020年中にOculus Goを販売終了すると発表しました。Oculus Goは同社が販売するVR ヘッドセットのうち最も価格や機能が抑えられたローエンドモデルです。Oculusは、2022年まではOculus Goのシステムソフトウェアのバグ修正やセキュリティパッチを継続するとしています。

本来は幅広いユーザーにVRを試してもらう目的だったOculus Goですが、未だに小さいVRのマーケットや上位機種向けのアプリケーション開発が魅力的だったため、十分な効果は得られませんでした。

2019年に399ドルで販売が開始された同社のOculus Questは比較的安価ながらパソコンがなくとも機能するスタンドアロン型で、多くのユーザーの心を掴むことに成功しています。

いずれも在庫切れが続く同社のVR HMDですが、今回のOculus Goの販売終了を受け、生産ラインのリソースが他のデバイスに配分されるとも期待されています。

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時代は6DoF

FacebookはOculus Goの販売終了とともに、同製品が最後の3DoF VR製品となることを明らかにしました。今後は6DoF製品に注力する模様です。

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【3DoFと6DoFの違いについて】
 DoF(Degree of Freedom)は「自由度」のことです。
 特にVR HMDでは検知できる方向の数といえます。

3DoF:頭の向き(前後の傾き、左右の首振り、左右の傾斜の3つ)を検知
 例 Oculus Go、スマホVRなど
◆6DoF:3DoFに加えて上下/左右/前後の移動を検知
 例 Oculus Quest、PSVR、HTC VIVEなど

VR HMDにおいて、3DoF製品の主な用途は360°動画の視聴です。その場に留まっての映像鑑賞や不動産の内見、美術鑑賞などには問題ありませんが、6DoF製品のように物をつかんだり、自分の足で移動したりといった体験はできません。

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Googleの「DayDream」やSamsungとOculusが共同開発していた「GearVR」など、この数年で多くの3DoFのVR HMDやサービスが撤退を余儀なくされています。

視覚から多くの情報を受取ると言われている人間ですが、6DoF製品への移り変わりはユーザーがVRに感じる体験の価値である「バーチャルリアリティ」が何に依存しているか、示唆している非常に重要なファクターといえるでしょう。

開発者に朗報:審査不要のアプリ配信

Oculus Goの販売中止に加えて、Oculusはアプリ配信の方針を変更すると発表しました。従来は審査のあるOculus Storeと、一部の開発者たちに向けたのサイドローディング・SideQuestを展開してきた同社ですが、新たにOculus Storeを経由せずに提供できる機能が実装予定です。

これによって実験的な意味合いや癖の強いアプリでもそれを欲しているユーザーに届けることができるため、詳細はまだ明らかになっていませんが、多くの開発者やユーザーにとってプラスになることが期待されます。
※続報があり次第、別途まとめる予定です。

FacebookのVR戦略

VRとゲームの関係は密接ですが、特にFacebookではそれが顕著です。

Facebookは先日「Lone Echo」がヒットしたVRゲームスタジオのReady At Dawn Studiosを買収すると発表しました。同社はこれまでにも「Beat Saber」のBeat Gamesや「Asgard’s Wrath」のSanzaru GamesといったVRゲームスタジオを傘下に加えています。

さらに同日、MicrosoftはNinjaやShroudなどの有名ストリーマーが移籍した直後にもかかわらずゲーム配信プラットフォームの「Mixer」を終了し、「Facebook Gaming」への移行を促すと発表しました。

言わずもがな世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービスを本業とするFacebook。ゲーム配信のようなコミュニティ事業への取り組みには注目が集まります。Amazon傘下のTwitchや、Google傘下のYouTube Gamingの牙城を崩せるのでしょうか。

VR空間のソーシャルとして同社は「Facebook Horizon」も今年度のリリース予定に向けたテストが行われています。Horizonではゲームやクリエイティブな発想を促す機能が実装予定です。

ゲームとソーシャルのシームレスな体験を拡張することで、VR領域でポジションを狙うFacebookの姿勢が垣間見えてきます。
というよりはむしろ、そもそもFacebookにとって、VR戦略などというものは存在しないのかもしれません。Facebookはソーシャル・ネットワーキング・サービスを提供する企業です。すなわち、ソーシャル形成のためのいち手段としてVRが存在しているに過ぎないと捉えるほうが自然です。

そういった文脈の中でもやはりFacebookはVRの今後を左右するトップランナーであることには変わりありません。今後のVR HMDやプラットフォームの取り組みだけでなく、さらに大きな枠でのバーチャルリアリティに対する取り組みは必見です。

さて、昨日のnoteではAppleのAR戦略について触れました。

残るGAFAMやSnapchat、中国のBATHやXiaomi(小米科技)をはじめとするアジアの新興企業が示すVR戦略についても折に触れて見ていきたいと思います。

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過去のnoteはこちらにまとめています。


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