見出し画像

意識課題とデジタル課題の見極め方

DX推進における課題の種類と解決策

課題は山積みで何から手を付ければいいか分からない。
その種類を見極めることが重要になる。
DXにおける課題は、大きく「意識課題」と「デジタル課題」の2つに分けられる。

1. 意識課題:人の行動や習慣の変容が必要な課題

意識課題とは、従業員の考え方や行動様式、企業文化など、人の意識に根ざした課題である。例えば、紙媒体での業務に慣れている従業員がデジタル化に抵抗を感じたり、新しいツールを使いこなすことに不安を抱いたりするケースがこれに当てはまる。

意識課題の解決には、デジタル技術の導入だけでは不十分だ。従業員への丁寧な説明や研修、コミュニケーションの活性化など、意識改革を促す取り組みが効果を発揮する。

2. デジタル課題:デジタル技術で解決可能な課題

デジタル課題とは、システムの老朽化やデータの分散、セキュリティ対策の不備など、デジタル技術によって解決できる課題である。

デジタル課題の解決は比較的容易であり、適切なツールやシステムを導入することで効率化や生産性の向上が期待できる。

3. 課題の種類を見極め、最適な解決策を

これらの課題を混同せず、それぞれの種類に応じて適切な手段をとる。

例えば、紙媒体での業務が主流で業務が煩雑になっているという課題。
ツールを使った押印や承認、ドキュメント管理といったデジタル技術の導入が有効であろう。

しかし、同時に、紙媒体での確認や承認ができなくなることへの抵抗感や、紙媒体の廃止に伴う新たなオペレーションへの不安といった意識課題も存在する。これらの意識課題に対しては、シュミレーションや話し合いを通して、従業員の理解と協力を得ることをしたほうがいい。

4. 現場に即したDXを推進する

最新の技術を導入することが必ずしも正解ではない。重要なのは、自社の課題に対して最適な解決策を選ぶことである。

現場の業務プロセスや従業員のリテラシーを考慮し、無理なく導入できる技術を選ぶことが重要になる。

場合によっては、デジタル技術のレベルを下げてでも、現場に受け入れられやすい方法を選択する必要があるかもしれない。

まとめ:課題の種類を見極める

自社の課題を正確に把握し、適切な解決策を講じる。意識して課題を「意識課題」と「デジタル課題」に分けて考える。それぞれに合ったアプローチを取る。シンプルだが分けて考えることで的を外した施策を回避することができるだろう。


中小企業DX事典|Iwakami Sho|note
「DXが浸透しないのは言葉の定義が曖昧だからでは?」という仮説をもとに「デジタル活用=DX」という広い定義を設定しました。具体的なデジタル活用に役立つノウハウをまとめます。スキマ時間でサクッと読める内容を目指しています。


この記事が参加している募集

#日々の大切な習慣

with ライオン

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?