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ペンギンのポスターを見て、泣きそうになった話

1月からインドのインターナショナルスクールに通い出したそらまめ(7歳)とはるさめ(5歳)。<共に、インターネット用の名前です>

1月6日の学校初日はそらまめが下痢と熱でお休みし、次の週から行くことに。その初日、車で送っていき、しばらくそのままつきそうことになりました。

日本で昨年小学1年生になったそらまめでしたが、実は、学校に行くのがとても難しかったのです。

泣きながら遅れて行ったり、もう文字通り引きずって連れて行ったり、先生に家まで来てもらったり、いろいろやりました。でもそらまめの抵抗もものすごくて。ドアを閉めて鍵をかけて立て篭もろうとしたり、抱っこしても手を振り解いて逃げようとしたり。そらまめの場合は学校に行ってしまえば、しばらく泣いても、そのうち普通に遊んだり授業を受けたりして、帰ってきてもけっこうけろっとしてるんです。でも、とにかく行く時の抵抗がすごい。前の日に、明日は行こうね、って約束して、その時はうん!行く!というのですが、朝になると、行きたくない、となる。

朝学校に行く行かないでまず10時ぐらいまでかかる。そこで行けないとその2時間はなんだったんだ、それだったらもう朝から休むって決めてしまえば、あのミーティングに間に合ったのに、、、とか、自分の仕事とメンタルにもかなり支障が出ていました。仕方がないので職場に子連れ通勤したり、打ち合わせに一緒に連れていったり、会議に連れて行くことも。

私、7歳の子に、「あした学校に行きます」っていう誓約書にサイン迫りました。ぜんぶひらがなの誓約書。何か自分の不利になりそうなことを察したらしく、サインしてくれなかった(苦笑)。

行ってしまえば楽しそうなのに、行く時がどうしても行きたくないとなってしまう、という状況がずっと続いていました。休む日がだんだん増えていって、1週間一度も行けないこともあり、先生に顔を見せに夕方にちょっとだけ行く、というようなこともしました。ママと一緒にいたい、とか、休み時間に遊ぶお友達がいない、とか、学校に行きたくないいろんな理由が出てくるのですが、何かそういう障害を解決すれば行ける、という感じではなく、ひとつ解決してもまた次に、、という感じでした。

さらっと書きましたが、去年のそらまめ学校に行かない事案については、このノート記事にきちんと目次を作ってかけるほど長く語れるネタがあり、毎朝のそらまめとのバトルと時間との戦いの焦燥感、それからの無力感、学校に子どもを行かせることすら出来ず、仕事に時間通りに行くことすら出来ない自分への嫌悪感と、まぁやや大袈裟にいうと毎朝「絶望感」を味わうような感じでした。

そんなこんなで、夫が昨年8月先にインドに赴任してからはとくに、無理やり行かせようとして出来ずストレスがたまりエネルギーを消費するより、行かせることをさっさと諦めて前の晩からベビーシッターさんを手配しておいたり、もう学校に行かない想定にやや軸足を置いた行動パターンになっていきました。そうしないと、仕事が回らないからです。でも、結局仕事を優先して、自分の娘にきちんと向き合えてない、時間を使えてないかもしれない、という罪悪感もつきまとっていました。はるさめを保育園に送るのも、ものすごく遅くなってしまったりして、はるさめにとってもよくない。そのうちはるさめも行きたくない、となってきて・・・と、ままならなさを毎朝つきつけられておりました。

そういう不登校児をかかえた状況の親御さん、日本全国津々浦々にたくさんいると思いますが、きっとみんな一度は問いかけたことがあるはずです。

「なぜ、うちの子だけ、学校に行けないんだろう。他の子は当たり前のように行っているのに。」

と。

話をインドの話に戻します。

そんな中インドに引っ越してきて、新しい学校に行く初日です。英語もわからない中、そらまめも緊張ですし、私も緊張です。

案の定、,泣いてしまい、私と離れたがらないそらまめでしたので、教室の中がちょっと見える学年共用スペースみたいな場所で、しばらく見守ることにしました。

教室のドアが閉まって、そこに貼ってあったのが、このポスター。

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ペンギンは鳥です。でも、鳥がみんな空を飛ぶわけじゃない。海を泳ぐ鳥だっている。

「鳥がみんな飛ぶようにできているわけじゃない。自分らしくいよう。」

このメッセージを見た途端、涙が出そうになりました。

ここなら、かなりの人見知り、恥ずかしがり屋で、頑固者のそらまめでも、受け入れてもらえるかもしれない。みんなと同じように出来なくても、許されるのかもしれない。

なぜこのポスターのメッセージがそんなに私に響いたのか、多分そらまめのことだけではなく、自分自身に関係することもありそうな気がしていて、そこはまだ言語化できていないのですが、とにかく、このポスターを見て、泣きそうになりました。

こうして、そらまめのインターナショナルスクールライフはスタートしました。

コロナウィルスによる休校になる3月まで、病欠以外は遅れても学校に行っています。朝の抵抗はまだあって、とくに月曜日はパジャマのまま車に無理やり乗せて送って行く、みたいな日もまだあります。そういう日は、はるさめがそらまめの靴を持ってくれて、ドライバーさんも協力してくれて学校についてから車の中で着替えさえたり。。。そういう日が1週間に1、2回ありますが、それでも、休まないで行けるようになったことは、私の精神衛生上はものすごく楽になりました。

日本で行っていた学校とこちらの学校の違いはまた書きたいと思いますが、なぜこちらの学校には行けているのか、そらまめが変わったのか?と考えると、実は一番大きく影響しているのは、私の学校に対する考えと、余裕の違いかもしれません。

日本の学校で授業参観に行ったときに、そらまめの様子を見ていて、きちんと先生に言われた通りにできていたのですが、ああ、これ、つまんないだろうな、と思ってしまいました。それに対して、登校初日に見た授業風景は、ほほぉ、こういう風にものごとを教えるのかぁ、と大変興味深かった。これは、行かせたい、と私が思うようになりました。そして、どうしても遅れられないアポイントがほとんどない今の状況は、私の余裕がぜんぜん違うのです。この影響は大きいかなぁ、といま振り返って思っています。

それにしても。

NOT ALL BIRDS ARE MEANT TO FLY. BE YOURSELF.

このひとことになぜそんなに自分が反応してしまったのか。

もしかしたら、「人と違ってもいい」、って言ってくれるポスターが貼ってある教室で、私も学びたかったのかもしれないですね。


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