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「テレビで言葉を覚えてもいいですか?」Q &A

おはようございます。いわたコトバのそうだん室の岩田です。

今日は「テレビを見て言葉を覚えること」についてのお話です。
ご質問に多いこの質問。発達障害を持つお子さんだけでなくよく聞く話だと思います。

その質問にお答えする前にまず「言葉の発達」について軽く触れておきます。詳しくは以前の投稿でお話ししています。

言葉の発達で1番重要な3つの土台①話したい相手がいる②認知能力③運動能力についてのお話です。

①話したい相手がいる

子供が、まず使うようになる言葉は相手に要求を伝える言葉です。そのため子供が気持ちを伝えたい、共有したいと思える相手がいることがとても大切なんです。

②認知能力

視覚情報、聴覚、触覚、味覚などいろんな情報で実際に経験することで「りんごはこんなもの」「みかんはこんなもの」という認知を育てていきます。
実際に経験しながらもののイメージを作っていきます。
(例:りんごは「甘くて」「丸くて」「赤くて」「ツルツル」してる)

③運動能力

話すためには筋肉をスムーズに動かすための練習が必要になります。そのため舌の筋肉だけでなく全身運動や手指運動も関係しています。

これに当てはめて「テレビで言葉を学ぶ」ことについてを考えていきます。

テレビで言葉を覚えていく

テレビと子供との間に対人関係はありません。テレビからは絶えず言葉が流れますが、子供は聞いているだけでコミュニケーションは一方通行です。
テレビの音に子供が何か反応してもテレビから反応し返してくれるわけではありません。つまりテレビを見ていてもコミュニケーションは成立しないんですね。
そのため①の要求を伝えたい相手が育ってくることはありません。

次に②の認知能力。
子供は自分の経験を通してりんごは「赤くて」「丸くて」「甘くて」「しゃりしゃりしてて」というようなイメージを固めていきます。
こうして実際にいろんな感覚を使って「りんごはりんご。トマトと似ているけど違うもの」ということが分かってきます。

一方テレビはどうでしょう?視覚情報で分かるところまでの情報は得られます。つまりトマトは「赤くて」「丸くて」までは学ぶことができますね。

しかしその他の情報「甘くて」「しゃりしゃりしてて」「皮はツルツル」ということは知ることができません。
このようにテレビだけでは、圧倒的に情報が少ない状態で言葉を学んでいくことになります。
こテレビだけで言葉を学んでいくと、りんごとトマトの違いが分からなかったり、カットしたりんごは理解できない、りんごジュースを飲んでもりんごと結びつかないということがおきます。

次に③の運動能力。テレビは見ているだけですから運動することは全くありません。そのため話すのに必要な筋肉を使うことはありません。

まとめ

言葉をテレビで学んでいくことは、身の回りにはないものや言葉を知るきっかけにはいい側面もあります。
しかし、得られる情報には限りがあります。「言葉を知る」だけではなくて「コミュニケーション」を学んでいくにはやはり実際の生活の場面を使わなくてはいけません。

これはスポーツをテレビで見るのと少し似ているなぁと思っていて
プロ野球を見ながらルールを覚えて、バットの振り方を覚えても自分が野球をできるようにはなりませんよね。(知ってるだけです)
野球を自分がするにはやはり練習していくしかないんです。
言葉も覚えたものを使っていくことでコミュニケーションが上達していきます。

でも決してテレビが悪いというわけではなく言葉に触れる機会として使ったり、テレビを見ながら会話をしていくことは対人でのコミュニケーションになります。

気をつけたいのは、子供が長時間1人でテレビを見続けてしまう状況です。

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