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発達障害の診断のあいまいさ

こんにちは。いわたコトバのそうだん室の言語聴覚士、岩田です。
今回は「診断のあいまいさ」についてお話しさせてください。

障害の診断は、意外と同じ症状が出ていても診断されたりされなかったりするものなんです!

発達障害の診断はどうやってされるの?

発達障害の診断は、症状や特性と環境、困り感などから総合的に判断されて医師が診断します。

では障害診断の境界がなぜ明確でないのかお話ししていきます。

発達障害の多様性

発達障害は、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如多動症(ADHD)、学習障害(LD)などがありますが、1つの障害であっても多岐にわたる症状を含みます。これらは個人差が大きく、症状の程度にも幅があります。

自閉スペクトラム症(ASD)を例にとってみると
自閉スペクトラム症は、人とのコミュニケーションが難しかったり、特定のことにとても興味を持ったりすることが特徴です。

でも、自閉症の人たちはみんな違って、例えば、A君は言葉を全く使わず人とのコミュニケーションを取らないこともあれば、B君はとてもお話好きで初めて会う人にも積極的に話しにいきますが距離感が分からず相手を困らせてしまうことがあります。
これらは全く逆の状態ですが同じ「自閉症スペクトラム」の特性となります。

なぜ、障害特性があっても診断されないことがあるの?


①幼少期の情報不足:診断には幼少期のエピソードが重要ですが、大人になってからの診断では、必要な情報が不足していることがあります。

②本人があまり困っていない:サポートが充実している環境では、発達障害の特性があっても困難さが目立たないことがあります。

発達障害の診断には、検査や両親からの情報のような「形や数値」で分かる情報に加えて、「本人がどれだけ困っているか」も重要になります。

例えば、重度の注意障害(ADHD)の特性があって忘れ物やもの忘れが多い子でも、それをメモや工夫、周囲の支援などでカバーできていて、生活にまったく困っていなければ
それは不注意や多動の「特性」があるだけで「障害」にはならないのです。

支援への影響


しかし診断がないことで、特性をオープンにしにくく、必要な支援を申請しにくかったり、障害者手帳の取得など、受けられる支援に制限が生じることもあります。

診断に関しては主治医の先生とよく話し合いどう言う特性でどれだけ困っているのかをよく話し合うことが必要ですね

まとめ


発達障害の診断においては、一人ひとりの特性や困りごとによって、個別に対応を考えるなければいけません。

診断基準を満たさない場合でも、その人の生きづらさを理解し、適切な支援を提供することが求められます。

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